僕が室長になってもう数年。リナリーは正式にエクソシストになり、任務に行くようになった。リーバー君も班長候補まで行く。全てが流れていった。良いようにか悪いようにかは人それぞれだけど、僕にとっては良いのか、まだ分からない。室長としては良い事だろう。しかし、本心ではそうではない。
それぞれが孤立し、離れていく。何故かそう思ってしまう。
時の流れを感じてしまい、ポッカリと穴が開いてしまった心。そんな心に誘われたか、雨が天から降る。僕は店の前で雨宿り。降り続ける雨を見つめる。
せっかくの久しぶりの休みなのに、リナリーが居なくて・・・一人で外出したと思ったら、雨に降られる。心の中に開いてしまった穴が広がるような錯覚が僕を襲う。
ザーザーザー。
響き渡る雨の音は何処か、遠い。
【雨が止むまでの間、君は僕のもの】
「こーむーいさん!」
低い男性の声がして僕は顔をあげる。そこには明るい髪に色素の薄い青の瞳を持つ男性が居た。男性、リーバー・ウェンハムは僕の顔を覗きこむ。そう思ったら、ニコッ、と笑みを見せた。
男だ!と言う外形なのに、何処か、可愛い、と思ってしまった。まぁ、実際に何処か幼いけど。
いや、それより、何でリーバー君はこんな所に居るのだろうか?今日はリーバー君は休みじゃ無い筈。
「リーバー君、どうして此処に?」
「迎えに来ました。コムイさん傘を忘れだと思って。」
確かに傘は忘れていた。だからこうして雨宿りをさせて貰っているんだ。でも、だからって何でリーバー君が来るかのか、それが分らなかった。
リーバー君は笑みを絶やさないで居た。何故そんなに笑みを浮かべさせているのだろうか?そう思った。何か良い事でもあったのか・・・もしかしたら、教団に何かあったから向かいに来たのだろうか?でも、もしそうならリーバー君は笑みなど見せない筈。じゃぁ、何故?
「今日、休みじゃ無いでしょ?」
「えぇ。本来なら、休みじゃ無いッス。」
僕はその言葉に首を傾げてしまった。それを見てリーバー君は何処か声を弾ませながら説明をする。
「ふっ、と窓を見たら雨が降っていたんです。コムイさん、行く時絶対に傘持って居てないだろうなーと思い、班長にその事を言ったんです。そして俺はそのまま仕事上がりなんです。」
そう言う。確かに笑顔が絶えない筈だ。徹夜をせずに上がれる。それが彼等科学班にとってどれだけ幸せな事か・・・。リーバー君は、後本を買おうかなーと思いまして、と付け出す。それって、僕はただ利用されただけなのでは?と思ってしまった。
まぁ実際、利用されたんだろうけどね。
「はい。これコムイさんの分の傘ッス。」
そう言うとリーバー君は持っていた傘を僕に差し出す。僕は黙ったまま差し出す傘を見つめる。何処かふが落ちない・・・。
「一緒の傘が良い。」
「はぃ?」
僕の言葉を聞いてリーバー君は頭を掻く。
「いや、よーく考えてください。20代男性、しかも180cmは余裕で越える男性がですよ、同じ傘に入っていたら、変な目で見られるスよ。」
確かに周りの目は嫌な目だろう。確実に濡れるだろうしね。それでも。
「それでも一緒が良い。」
僕が言うと、リーバー君は眉間にしわを寄せ、困ったような顔をする。そして、沈黙が続いた。リーバー君はへの字に固く結んだ口をようやく解き、溜息を漏らす。
「濡れますよ。」
「合点承知之助!」
「いや、使い方間違ってますから。まぁ良いや。じゃぁ、入ってください。」
リーバー君はそう言う。僕は傘の中に入るが、肩がはみ出す。そりゃぁ、180を余裕に越える男性だから仕方ないけど・・・。
「室長が傘の柄を持ってください。」
「え?そんな事をしたら、リーバー君濡れちゃうよ?」
僕がそう言うとリーバー君は溜息を漏らす。
「アンタが風邪を引かすよりもマシです。」
「リーバー君が風邪引いちゃうよ!」
「俺は風邪引きません。・・・じゃぁ、こうしましょう。二人で傘の柄を持ちましょう。」
そう言うと、僕の手を傘の柄に無理矢理握らせ、その上にリーバー君の手を乗せ、握り締める。勿論、これで傘面積が大きくなる訳が無い。だから、お互いの肩が濡れる。
「文句は聞きませんよ。アンタが一緒に入りたいとか言ったんスから。」
「うん。リーバー君は大丈夫?」
僕は聞くと、濡れているリーバー君の肩を見る。リーバー君は僕の視線に気付いたのか、バツが悪い顔をしながら鼻の先を軽く掻く。そう思ったら急に歩む足が止まる。
「雨が止むまでの間、貴方は俺のもの」
「えっ?」
僕は目を見開き、リーバー君を見る。リーバー君の頬や耳は紅く染まっていた。言った事を今更恥かしいと思ったのか、握る手は震えていた。僕は笑みが自然出る。
「あーあ、リーバー君かっこいい事言わないでよ〜。普通は僕が言う方でしょ?」
「そうスか?」
「えっ!酷っ!」
ザーザー雨が降る。そんな雨の音はもう聞こえない。聞こえるのはリーバー君の声だけ。
「雨の時だけじゃない。ずっと僕は君のものだよ。」
勿論、君は僕のものでもあるけどね。
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@言い訳@雨が止むまでの間、きみは僕のもの⇒雨が止むまでの間、貴方は俺のもの に変更。
視点のキャラは何故か受けになってしまいますorzギリギリシリアスじゃ無いですよね!リーバーさんは気恥ずかしい言葉をいっばい出すのは良いけど、後で顔を紅潮させれば良いと思いますvV
では色々とスイマセン。失礼します。平成20年5月24日