テロが起き、恋人として君と接してない。


 あの笑顔が見たい。


 あの甘える声が聞きたい。


 恋人として君と接したい。


 そんな望みをずっと思い続けていた。


【湿った枝に火を灯すかの如く】


 大部屋の紅いソファーの上、ヤマブキ色の短髪を持つ男性は仰向けになっていた。入りきれない足はソファーから出す。

 私はそんな彼を見て、溜息を吐く。


「男性なのに可愛いと思う自分が憎たらしい。」


 私はボソッと言いながら、横を向く寝顔を見つめる。テロの資料に埋もれていたから、疲れていたんだろう。私は自然に笑みが浮かぶ。

 その時、ハボックの体に、ドサッと毛布がかかる。かけた者はリザ・ホークアイ中尉だった。ホークアイ中尉は私に教科書に載ってる見本のように美しい敬礼をする。


「それでは、お先に失礼します。」

「お疲れ様。」


 私がそう言うとホークアイ中尉は扉の前で一礼し去る。大部屋の中は私とハボックの二人きりなった。私はずっとハボックの寝顔を見つめる。相当疲れていたのだろう、すやすやと眠り続けていた。

 私はずっと見つめる。しかし、起きる気配など無い。そうしている内に、ある興味が沸いた。


「キスをしても、起きないだろうか?」


 私は言葉に出すと、興味が溢れるように出てくる。私は顔をハボックの顔にグイッと近づける。起きる気配まったく無し。

 頬に軽くキスをする。起きる気配無し。

ハボックの顔を前に向かせる。起きる気配無し。

軽く唇にキスをする。少し動くが、起きなかった。

大人のキスをする。殴られた。


「何してるんスか!」

「いや、起きるかなーと思ってな。」


 私が正直に言うと、ハボックは頬を紅く染めながら口をバクバクッさせる。私はそれを見て、つい噴出し笑いをしてまった。勿論、殴られた。


「アンタは無抵抗の俺を襲ったんスよ?どんた変態スよ!」

「そう言うお前も、上司を何度も力いっばい殴って・・・どんた部下ではないかね。」

「五月蝿いッス。無能上司が。」

「なっ!!無能では無い!お前だって、女性に嫌われてるだろうが!」

「!!五月蝿いッス!ボイン好きの何処が悪いんスか!アイ ラブ ボイン!!」

「いや、太ももだろ!この青二才が!」

「何をー!この無能!」


 その後、口喧嘩は続いた。


「まぁ、何だ・・・。切りがないから、終わりにしよう。」

「・・・そうスね。」


 ハボックはソファーから降り、給湯室に行き、冷めたコーヒーをマグカップに入れ、飲む。


「もう、皆帰ったんスね。」


 ハボックはボソッと呟く。ハボックが寝た時にはまだ人が居た。


「そうだな。我々も早く帰ろう。明日も仕事があるからな。」

「明日もあるんスか。」


 ハボックは背筋を伸ばし、固まった筋肉を和らげる。私はそんなハボックを見て自然に笑みが出る。あぁ、何時もの平和な日々に戻るんだな、と。


「――湿った枝に火を灯すかの如く――」

「はい?」


 私の言葉にハボックは私を見る。そして、首を傾げていた。本気で分らないようだ。


「湿った枝に火は灯しにくい。それを灯す為には時間など色々なモノが必要だ。」

「・・・でしょうね。」

「湿った枝に火を灯すかの如く。テロが起きた後だから平和な日々には早く慣れ無いと思うけど、出来ない訳じゃない。平和な世界に早く慣れよう。」


 私はニコッと笑みを浮かべる。上司と部下に慣れきってる私とハボック。それをも、恋人、として接したい。そうも思った。実はそれの方が大きい。


「じゃぁ、灯してくださいよ。俺を。」


 私は目を大きく見開いた。頬を紅く染め、私を真っ直ぐと見つめるハボック。それがとても愛しい。


「あんまり煽るな。」

「元からそう言う意味で言ったんでしょ?バレバレッスよ。」


 私は、ははっ、と笑う。


湿った枝に火を灯すかの如く


(湿るこの世界で二つの火はユラユラと揺れている。)


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@言い訳@
一番しちゃイケナイ事。自分なりのお題の説明orzロイハボですね。何か、もう、中尉が参加してるけど、必要が無いと。コーヒー飲んでるけど意味が無いと。色々と突っ込み所満載ですね・・・。
では色々とスイマセン。失礼します。平成20年5月31日