キラキラと世界が光る。


 音がして、笑っている。


 世界の建物が崩れ去り、風が元気良く走り回る。


 時計の針はカチカチッと動き続ける。


 細胞が活発に動いて、次第に遅くなっていく。


 この脳内は昔も今もお前しか居なかったよ、と言えば笑うお前。



【泣くくらいなら笑いなさい】



 あの日は雨が激しく降る日だった。ティキ・ミックは雨が激しく降る景色を窓越しに覗いていた。竹馬の友で通っている、偽の兄弟でありながら恋人でもあるリーバー・ウェンハムが帰ってきてないのだ。

 リーバーはアルバイトをしており、それでもいつもなら9時30分前には帰る。またの時間になってないから心配するほどでもないが、雨が降っており、事故が無いか心配なのである。

 その時、扉が開く音がした。ティキはその音を聞き、真っ直ぐらに玄関に向かう。


「リーバー、お帰―――って、え?」

「あぁ、ティキ。ごめんね」


 にゃぁん。


 ティキはリーバーの腕に抱かれている黒い物体を見て眼を丸くした。濡れた黒い毛並みに二つの三角耳があり、ティキと同じ琥珀色瞳を持っている。


「猫?」

「少しの間だけ!お願い!すぐに新しい飼い主を探すから!」


 リーバーは手を合わせながら頼む。ティキは滅多にお願い事などしないリーバーの久々のお願い事につい首を縦に振ってしまった。リーバーはそれを見て笑みを浮かべ、風呂場へと向かった。猫の体を洗うのだろう。あれ?猫って水嫌いだよなーと頭の端っこで思ったがあえて言わなかった。

 ティキは頭を掻く。此処はペットが駄目だ。でも、此処の管理人でいうか・・・営業者はティキの親のため、親から願えばその猫は飼える。――確か、上の階の306号室の人、猫アレルギーだよな?まぁ、リーバーの願いだから文句は言わせないけど。



 風呂から上がったリーバーから聞けば、その猫はアルバイトの帰りで見つけたらしい。怪我もしてないし、リーバーにも懐いている。その点から見れば、飼い猫だろう。

 首には首輪をしていた。もしかしたら、逃げたのかもしれない。


「明日、一応警察に届けてみる。もしかしたら探しているかもしれない」

「明日学校だろ?」

「休む」

「おいおい、お前は今でも出席日数が足りないんだから、休むなよ」


 ティキは溜息を吐く。リーバーは猫に割り箸にティッシュをくっつけた簡単な猫じゃらしで猫と遊んでいる。本当に人よしが・・・否、猫よし?


「その前に明日学校休みじゃなかった?」

「もっと詳しく言えば、午前中終了、な」


 明日は高校の推薦の生徒が来る為の準備だ。本当にあの高校に来るとは、お疲れ様。

 リーバーは猫じゃらしを置いて、黒猫を持ち上げる。


「よし!ニャン助、お前の飼い主が来るまで此処に居ていいからな!」

 うにゃぁーん

「ニャン助かよ・・・(って事は♂?!ムカつく・・・)明日は猫を置いて学校に行こうか」


 ティキはドス黒いオーラーを放出しながら猫を撫でれば、猫は、シャー!!、と声を鳴らしながらティキを威嚇をした。ティキは猫の頬を小さく引っ張れば、猫に引っかきをされ、リーバーには殴られた。



 午前中で終わり、ティキとリーバーが家に帰ったら部屋の壁などに引っかき傷とかがあり、色々なものは落とされていた。


「あぁーあ、やちゃったね」

「あのクソ猫が!」

「ん?」

「あ、否、ははっ、猫は元気だねー」


 リーバーは猫を抱き寄せ、先に警察に行くと言う。その後ティキは部屋の片づけをした。後に、あれ?これって嵌められた?と気付く。

 2時間後、リーバーは戻ってきた。その後ろには女性が立って居た。


「あぁ、ティキ、この人ニャン助の飼い主さん」


 リーバーがそう言うと女性はティキに礼をする。ティキはつられて一礼をした。女性はある程度片付いたリビングを見て謝ってきた。壁の傷代は払うという。はぁ、となり、後日壁は元通りになる事になる。

 リーバーは女性に猫を渡すと猫も女性もどこか嬉しそうだった。猫はまた子猫で、仕事をしている間に居なくなったらしい。


「本当に有難うございます」

「いえ。ニャン助も、もう家出をするんじゃないぞ」

 にゃぁん


 そして、猫は帰っていた。それからリビング。リーバーは、今まで堪えていた涙を零していた。


「泣くなよ」

「俺だって止めたいけど、止まらねぇんだよ」


 半日だけだったのにね、とリーバーは苦笑交じりにそう言う。その声はティキに痛々しく聞こえた。

 ティキは黙ったまま隣に居るリーバーの頭をティキの肩にくっつかせる。ティキの目線は前を向いたままだった。指に涙が付く。


「泣くくらいなら笑えよ」


 一言、そう言った。死んだ訳じゃねぇし。生きてりゃ、何時か出会えるし、それにんな事で一々泣いて居たら、きりが無い。

 リーバーは馬鹿に優しい。優しすぎる。いつかこの優しさが自分以外に触れられるとしたら―――

ティキは笑みを浮かべ、今度はリーバーを押し倒した。呆気に取られているリーバーの脇をこちょこちょとすれば、リーバーはくすぐったく笑いだした。


「ちょっ、あははっ、ティッキ、あははっ、やめっ――」

「ほら、もっと笑えよ!」



 キラキラと世界が光る。


 風が来ては通り過ぎる。


 光が俺らを照らし続ける。


 泣く姿など見たくないんだ。

笑ってるお前の姿が好きだ。



「なぁ、もっと笑えよ」


 俺だけにさ。

 そして、俺はお前に溺れる。お前の優しさに、その笑顔に。

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 普通にカップじゃない話ですorzティキ+リバ ティキ視点のオリジナル。猫は好きですが、まぁ、動物飼った事がないから仕方ない。しかし、本当に今回は短いですねーこう言う話は普通長い筈なのに、短いですorz(ド殴)
 では色々とスイマセン。失礼します。平成21年2月8日