それは突然起きた。
ある科学班班員が薬を作っていたが、分量を間違ってしまい、別のものが出来てしまった。分量を間違えた薬は液体化し、効果を調べようと別の部屋に行く時だった。
連日による薬製作の為、足元がフラつき、科学班班員は転んでしまったのだ。
ガッシャンッ!!
そして液体薬の入った試験管は飛んでリーバーの頭にぶつかり、割れる。幸い血は出なかった。
「班長!大丈夫ですか?!」
ある意味奇跡的な―試験管が飛んでリーバーに当たった―状況にただ戸惑う事しか出来ない科学班班員。それを察し、リーバーは、大丈夫、と言おうとした。
「にゃー・・・にゃっ?!」
たが、リーバーの口から出たのは人の言葉ではなかった。
【Cat Language】
此処は科学班フロア。
そこの奥の机に書類に目をおとす者が居た。科学班班長、リーバー・ウェンハムだ。
リーバーは猫語になってしまったが、言語が分らなくなった訳じゃないし、文字だって書ける。だから仕事復帰したのだ。勿論ある程度の人には話した。ある人物以外・・・。
リーバーはコーヒーを飲もうとカップを持ち上げた。たが、カップにはコーヒーが入っていなかった。
「にゃー(あー)」
リーバーはそう呟くとカップを持ち、種類豊富の飲み物がいっばい入っているフラスコが置いてある机に行く。コーヒーの入っているフラスコからは珍しく湯気が立っている。リーバーは早速入れようとする。
それを見たジョニーが何を思ったか、あ!、と叫びリーバーに近づいた。
「駄目です!」
「にゃ?(何で?)」
「班長、猫舌になってるかもしれないでしょ?さっき入れたばっかしなんだから、駄目です!」
「にゃ、にゃんにゃにゃぁお・・・(いや、大丈夫でしょ・・・)。」
たがリーバーの猫語など分る訳が無く、ジョニーはリーバーからカップを取り、アイスコーヒーを持ってきます、と言い食堂に向かった。
「にゃにゃ・・・(逃げたな・・・)。」
多忙の仕事から。現実から。逃げたのだろう。リーバーは溜息を吐く。まぁ、たまにはアイスコーヒーも良いか、と思いながら自分の席に戻ろうとした時だった。
今のリーバーにとって一番会いたくない人が・・・二人科学班フロアに入ってきた。
漆黒の髪に瞳を持つ、コムイ・リーと泥色の髪を持つ男性、マービン・ハスキンだ。
「やぁリーバー君!猫語しか喋れなくなったんだって?」
「・・・・。」
「んな露骨に嫌な顔をするなって。」
コムイとマービンは目を輝かしながらリーバーに近づく。この二人は変に好奇心旺盛だ。面白いことがあれば、行き、からかうのだ。
「ほら、啼いてよ。」
「にゃー(字が・・・)。」
「もっと連続的に。そうしないと、わざと言ってるかどうか分からないだろ。」
リーバーは頬に怒りマークが浮き出る。確かに、わざと言ってるかもしない。にゃー、なんで誰でも言えるから。
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃー、にゃうーにゃ!(にゃーにゃーにゃーにゃーにゃー、これで良いか!)」
「なるほど。おもしれー。」
マービンはそう言うとリーバーの頭を撫でる。
「にゃー?(何?)」
「・・・ロブに今の班長を見せたら、スゲー喜びそう・・・。」
そう言われるとリーバーは猫好きのロブと会った時の事を想像する。間違いなく抱きつくだろう。そして・・・頬スリスリ、頭わしゃわしゃ?!
「うにゃぁ!!!(嫌っ!!!)」
「おっ、本当に猫語なんだ。スゲー。」
「もう!からかっちゃ駄目でしょ。マービン。」
コムイがそう言うとマービンの手首を強く握る。もうそれ以上触るな、と言ってるようだった。マービンは手を離す。コムイはそれに満足したのか、リーバーの両肩に手を置く。
「でも、本当にリーバー君可愛いね。」
「にゃ(うざっ)。」
「アレレ?何かさっき悪口言わなかった?言われた気がしたよ?」
変に勘が良いコムイが恐い、とリーバーは思ってしまった。たが、可愛いとか言っても、リーバーは猫耳も猫尻尾も無い。言語が猫語になっただけなのだ。可愛いと言われ、リーバーは何かムカついてしまったのだ。
「何か嫌な顔をしてるけど、どうしたんたい?」
「にゃにゃんっにゃうにゃぉにゃ!!(可愛いって言わんといてください!)」
「え?コムイさん大好き、だって?!もうvVリーバー君だらw」
「シャーーーー!!(違う!!)」
猫語がまったく通じないコムイ。そんなコムイにリーバーは爪で引っ掻く攻撃をしたかったが、生憎爪は伸びていない。まぁ、引っ掻く攻撃をしでも逆効果だろう。
それに忘れがちだが、此処は科学班フロア。部下が居る中、上司に暴力を振るなど、リーバーには出来なかった。それに、今回の事は実験を急がせたリーバー自身も悪い。
それでも、セクハラ発言をする上司も尚悪い。
「もうvVリーバー君可愛いんだからw」
「にゃー!!・・・んにゃーご(言うな!!・・・もう良いや)」
リーバーは諦めた。その時フッと、書く、と言う選択肢に気づいた。白衣の胸ポケットにあるペンを取り出し、手に文字を書く。
仕事をしますから。てか、アンタ等も仕事してください!!
「アンタ等って、俺も入ってるのか?」
「にゃっ!!(当たり前だ!)」
マービンはそれを聞くと、まぁ、良いや、と呟きながら仕事に戻った。そして問題はこの上司。
「仕事は休憩中だよ〜」
「にゃ!!(嘘付け!!)」
ついリーバー君は猫語で言ってしまった。でも、分る訳がない。改めてリーバーは手に書こうとした時、ペンを持つ手を掴まれた。
「にゃ?(何してるんスか?)」
「ふふっ、リーバー君可愛いvV」
「ふんにゃぁ!!(離せ!!)」
リーバーはそう言うと手をぶんぶんと振る。しかし、コムイの手は離れない。それ所か、腕を少し捻られ、その痛みで動けなくなる。
「猫でも、僕の言う事は聞いて貰わないとね。」
コムイの目が怪しく光る。何かやられる!リーバーがそう思った時だった。
「何やってるんスか!!」
アイスコーヒーを取りに行っていたジョニーが帰ってきたのだ。神の助けだ、とリーバーは思い、掴む手をなぎ払い、ジョニーの裏に隠れる。
「班長?」
「にゃぁご(助けて)」
リーバーはそう言う。猫語になった事で何処か弱くなるリーバー。紙に文字が書けるとは言え、さっきのように手を掴まれたらアウトだ。それに、コムイの場合、抵抗は言葉しかなかった。しかし、今は言葉の抵抗も出来ない。抵抗の出来ない相手にリーバーは逃げたのだ。
それに、それが一番の解決方法だった。
「室長!駄目でしょ!班長嫌がってますよ!」
「えーだってリーバー君可愛いんだもんvV」
「可愛いんだもん、じゃないですよ!」
何時もは大人しいジョニーだが、今日は違った。一つ年下で、しかも20Cmも背が低いジョニーだが、猫語で周りとコミュニケーションの出来ない班長を見て、正義感が強くなったのである。
そんなジョニーにコムイは太刀打ちが出来なかった。
「分ったよ・・・。じゃぁ仕事に戻りますよーだ。」
口を尖がらせながらそう言うとコムイは科学班フロアから去る。さっきのを見ていた周りは喝采した。
「にゃぁ(有難う)」
「班長・・・いえ。」
ジョニーは通じたらしく、笑みを浮かばせた。このままハッピーエンドに―――誰もがそう思った。
「班長が猫語になったって本当?!」
科学班フロアに勢い良く入ってきたのは、猫好きのロブだった。
「にゃぅ・・・(ロブ・・・)。」
つい言葉を漏らしてしまったリーバー。勿論ロブはそれを見逃すことはなかった。ロブは班長に勢い良く近づき、その勢いのまま抱きつき、頬をスリスリしてきた。
「にゃっ!!!!!」
「班長が猫語だーvV猫―vV」
「にゃんミー!!にゃにゃ!(ジョニー!!助けて!)」
「可愛いよね。班長の猫語vV」
「にゃーーーー?!!」
なんと、味方と思っていたジョニーまでもがリーバーの猫語を可愛いと言い、同意したのだ。リーバーに逃げ道などなくなった。
「にゃーーーーご!!」
ただ猫語で叫びながらロブの愛のスリスリを受けるのであった。
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@言い訳@リクエスト内容⇒『ハプニング☆猫語になったリーバー(猫語のみ)』
本当にスイマセン!!猫語全然書けてませんね!(ド殴)言葉が通じないとさすがにパニくるリーバーさんの話だったり・・・。でも、ジョニーは通じましたよ!本編も通じてた筈さ。
気に入らなかったら申しててください。
色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月4日
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