人は何処から来て、何処に行くのだろうか?
此処は科学班フロア。
部屋の奥の机に、科学班班長であるリーバー・ウェンハムが力尽き、寝ていた。そんなリーバーに深い眠りから戻ってきた、マービンが毛布をかける。
その時、同じく深い眠りから帰ってきた者が現れた。ジョニーとタップだった。二人はリーバーの寝顔を見て、和む。でもそれと同時に無理しすぎたと思った。
「班長って無理しすぎですよね。俺等ってそんなに頼りないですかね?」
「いや、そんな事ないだろ。リーバーの昔ながらの性だろ。」
「昔ながらの?そう言えばマービンってリーバーの先輩ですよね?」
ふっと疑問を口に出したジョニーにマービンは苦笑いをしてしまった。マービンはリーバーよりも先輩で年上である。昔から眠りに入るリーバーに毛布をかけていた。手が開けば、軽食も運んだ。リーバーは嫌がったが、マービンは止めなかった。
「昔の性が残ってるんだろ。」
「・・・昔の性って?」
「昔の話だ。所所聞いた話だけどな。」
そしてマービンは過去話を始める。
【The past】
昔の話。天才少年が居た。
その天才少年は環境に恵まれ幸せだった。
しかし、AKUMAに全てを奪われ、此処、黒の教団に来た。
それが通説。
でも実際には違う。
まだリーバーが、リーバー、と名づけられる前。
リーバーは孤児だった。それで売られ、奴隷となった。
リーバーは邸の掃除係となり、掃除をしていた。それで運が良いのか悪いのか、掃除場所が資料室だった。
そこで本を読み、知識を蓄えていた。
そして、自分の体に流れる血に気づいた。
「ご主人様ご主人様。俺を警備員に採用してみませんか?」
そう術者の血。リーバーは少し操れたのだ。一般人の人はそれを見て、魔法、だと思った。ある者は、錬金術。
それからリーバーは何とか奴隷から脱出し、勉学に励む。
それでも、奴隷の苦しみを知っているリーバーは掃除を手伝った。奴隷の人に本を読ませたり、字を教えたり・・・余った食料を分けたりしていた。そんなリーバーは奴隷の間にも信頼を寄せられていた。
それから数年後。リーバーが12歳の時、教団に知られた。
不思議な力を持つ人。
そしてリーバーを無理矢理黒の教団に連れ出された。
しかし、リーバーは適合者ではない。
それを知った黒の教団はリーバーを実験体に使うことにした。
心が体が崩れ去るようにボロボロになっていった。
それでもリーバーは耐えた。
一年経ち、実験は終った。
「ご主人様ご主人様。俺を科学班に受け入れてみませんか?」
リーバーは今出来る限りに笑みを浮かばせた。そんなの出来る訳が無い。でもリーバーはめけずに、『じゃぁ一週間俺を資料室に閉じ込めてください。そしてテストをして見てください。それで合格したら、科学班に入れてください』、と言った。
教団は2日分の食料と水を居れ、閉じ込めた。
そして一週間後。リーバーは酷く痩せていたが、生きていた。
リーバーはテストを受け、合格した。
「ほぉー。これは凄い。でも――――」
銃を取り出し、リーバーは撃たれた。
床に這う様に広がる血。
広がる瞳孔。
青白くなる肌。
その日死んだ。
筈だった。
「まだ、生きたい?」
同じく血まみれの男性がリーバーに聞いた。そいつは科学班でリーバーと同じ術者だった。教団の裏の情報を知ってしまい、殺されかけた時だった。
倒れるリーバーを見て、ニッコリと笑いながらそう言ったのだ。
「これも運命。宿命。使命。諦めで生きるんだね。オン アバタ ウラ マリラカト ―――」
そう言ってリーバーの命は戻った。
でも記憶をなくしていた。
術が使えなくなっていた。
「君の名前は、リーバー・ウェンハム。科学班の一人。」
そして、リーバーは中東支部に行った。
それは孤独との戦い。
種族も違うリーバー。馴染める訳がなかった。
それもその筈、自然死をして欲しかったのだ。教団は。
思い出す前に。
憎しみに、恨みに、心を捕られる前に。
たが、リーバーの優秀さに黒の教団に戻ってきたのだ。
最少年として。
それでも、独りだった。
ただリーバーは自分の居場所を見つけたかっただけ。
気づけば居て、科学班で、生きている。
自分は何者なのだろうか?
家族の顔は?声は?
何時から故郷を出ている?
何もかも分らないリーバーは、今を生きたかった。
誰かに認められたかった。
だから仕事をし続けた。
そうすれば、誰か見てくれる。
認めてくれる。
そう信じて。
食べるのを惜しんで。
寝るのも惜しんで。
そんなリーバーは今でも覚えている。
光など一切通さない瞳。感情なき笑み。
どんなに触れでも触れられない。
リーバーの心底あるのは、恨み、憎しみ、だった。
皆リーバーから離れる。
ただ、求めるだけなのに。
それでも、体の底からその求めるモノを拒絶していた。
それ自身がトラウマのように。
「休んでよ。」
そして時は流れ、コムイが黒の教団の科学班に就く。
リーバーはもはや廃人になりかけていた。
それでも、コムイはリーバーに構った。
「ほら、ご飯を食べる!」
「寝ないと駄目だよ!」
「まだ、若いんだからvV」
コムイはリーバーに構い続けた。
何も返さないのに。
何も得ないのに。
触れ続けた。
「何で俺に関わるんスか?関わっても妹さんには会えませんよ?」
リーバーはそう聞いたらしい。コムイは苦笑しながら答える。
「本当の君の、心からの笑顔が見たいからね。壊れていく君を見ながらリナリーの事を思いたくないよ。」
誰にも開く事の無かった感情が開いた。
それから感情が開いて行き、自然に笑みが出るようになった。
「それでも、記憶の限りほどんとが仕事だったんだ。仕事をギリギリまでしまうんだろ。」
「なるほどーって、何でそこまで知ってるんッスか!」
タップの疑問にマービンはタバコを吸い、煙を吐いた。
「まぁ、気にするな。」
「え?何?さっきの間は何?」
「まぁそれを聞いても、何時も通りに接し、でも仕事は何時もよりも頑張んな。」
マービンはそう言うと自分の席に戻る。
知っている。
だってリーバーを助けた人はマービンの憧れの人だから。
それに、マービンはリーバーの事が――――
人は何処から来て、何処に行くのだろうか?
人の未来など知らない。
人の過去など聞かないと分らない。
ただ過去と未来は繋がる。
良くとも 悪くとも。
そして、あの時思った感情は何時か消える。
残るのは、記憶、だけ。
それでも、確かに残る記憶。それは永遠に。
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@言い訳@リクエスト内容⇒『マービン現科学班に語る。班長の過去。(シリアスでも何でも)』
結局有り得ないシリアスに・・・orz有り得ない設定でスイマセン!後、マービン⇒リーバーでスイマセン。オリジナル出してスイマセン!(ド殴:謝ってばっかしだな!)最近妄想するのがこの話ですorzちなみに、オリジナルの名前が『リーバー』とか妄想中―w―(殴)
気に入らなかったら申しててください。
では色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月5日
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