ボックス消去のリングとは予想外だった。

 襲撃にやられ、逃げようとしたが、追い詰められた。


 もう、駄目か、そう思った時だった。



 バンッ!!!



 銃声と共に血が舞った。



【BLOOD BLOOD】



 此処はジッリョネロファミリーのアジト。俺は手当てをして貰っている。その隣で野猿が泣いている。


「すまない!γのアニキ!俺がヘマしたばっかしに・・・」

「大丈夫だって。俺も注意が足りなかった。」


 俺は笑みを浮かべながら野猿の頭を撫でる。違うファミリーと取引をしていた時だった。銃声が響き、俺等のファミーの者が撃たれた。銃で撃ったのは取引先のファミリー。俺等はボックスを開いた、が、ボックス消去のリングを持っていたらしい。それで無効化にされた。

 仕方なく散らばって逃げた。


 たが、追い詰められた。



「今報告が入った。どうやら皆戻ってきたらしい。けが人は居るけどな。」

「・・・そうか。」


 運が良かったな。それしか言えない。


「しかし、驚いた。まさかモスカも乗らずにスパナが来るとは。」


 追い詰められたあの時、銃声が鳴り響いた。追い詰めた男性は血を吹きながら倒れた。頭を撃たれ即死。男性の後ろの先には、スパナが居た。


「機嫌が悪かったんだ。スパナは。それにスパナの銃の腕は悪くない。後で礼を言うんだな。」


 スパナは基本、モスカを作って、それに乗って戦っていた。なのに今日はモスカに乗らず、生身で向かい撃った。

 でも、あの時のスパナの目は一切光が無かった。感情が無いような、瞳だった。




「・・・何?」

「珍しいな。作業場に居ないなんで。」

「だからって何で部屋に入ってくる?後これ、紅茶。」

「おう。有難う。」


 此処はスパナの部屋。俺は礼を言おうと此処に来た。スパナとはそんなに仲は良くないが、それでも話した事はある。全然会話が成り立たなかった;

 でも、ボスとスパナも会話がかみ合ってないが、楽しそうだった。無表情で笑う時は俺等みたく大笑いはしない。ボスとの笑顔も作り笑顔かもしれないが、ボスが言うには笑ってるらしい。

 俺はスパナが持ってきた紅茶を持ちながら、スパナを改めて見て、


「助けてくれて有難う。」


 と言う。スパナはそれを聞いて、笑顔になりもせず、ジーと俺を見つめる。あれ?俺、何か間違った事を言ったか?


「ボスも言っていただろ?ウチは機嫌が悪かっただけだって。」


 確かに言っていた。機嫌が悪かった、と。そんでもって、早速会話が成り立ってない。


「それでも、助けてくれた事には変わりないだろ?」

「・・・そうだね。ほどんと恨みの一発だけどね。」

「恨み?何で機嫌が悪かったんだ?」


 俺は疑問を言う。スパナは0距離で俺をジーと見る。

えーーーーっと、触れじゃイケナイ事でしたか?

少し経ち、スパナは顔を離した。


「モスカがアイツ等に壊された。」

「え?」


 アイツ等って、取引先の奴らか?つまり、生身って行った訳じゃないのか。モスカで行って、壊されて、機嫌悪くなり、銃殺・・・。話は繋がるが、ある意味容赦ないな・・・コイツ。怒らせないようにせねば。


「壊される事はまだ良い。でも、落ちた後も粉々にされた。」

「あー確かに悲惨だなー。」


 壊して、落としただけで満足の筈なのに。戦闘員がどうのこうのなら、戦闘員の居る場所だけ狙えば良い。大体の場所は分る筈だろう。


「お前は抜け出していたんだろ?」

「・・・まぁね。それでも、モスカの近くだった。」


 スパナは繋ぎのポケットから機材を取り出す。それは焦げていた。それも衝撃的だったが、その機材を持つ手に包帯が巻かれていた。


「モスカの形見。」

「それよりも、お前、怪我してるんじゃねぇか!」

「こんなの、モスカに比べたら軽い傷だよ。モスカは・・・。」


 言いかけるとスパナは涙目になる。って、本当に意味が分らない。


「モスカはいっばいいるけど、お前は一人だ!」

「違う!あのモスカはまだ違う子なの!あの子は天邪鬼(日本語)だった・・・あの子。」


 天邪鬼(日本語)?まぁ、それは置いといて、そんなの、まだ造れば良いだけだろ。でも、スパナは造れないだろ?


「お前は一人だ!」

「あのモスカも一人。皆違う。」


 スパナは睨む。俺は目を深く瞑る。落ち付け。俺に何が分る?コイツは狂ってる。全てがモスカ中心なんだ。それでも、人とモスカの区きりは付けないといけない・・・本気でモスカを庇って死にそうだ。

 俺はスパナを抱きしめる。


「モスカならお前が造れる・・・生き返させられるだろ?でも、スパナは誰にも生き返させられない。」


 お前は人付き合いが得意じゃないけど、悲しむ奴はいる。生き返らないから自分を大事にして欲しい。




「くさい。」



「え?」



 くさいって?!俺の体臭が?俺はスパナから体を離し、自分の臭いを嗅ぐ。嫌だよ?俺はまだピチピチの二十代なのに!!

 俺が服を嗅ぐのを見てスパナはクスクスと笑った。


「くさい、台詞、だよ。」

「・・・台詞かよ。」


 俺はそう呟きながら倒れ込む。スパナは何を思ったか俺の腹の上に乗っかってくる。重い・・・。


「γ面白いー。」

「面白いって・・・。」


 初めて見たかもしれない。こんなにもゲラゲラ笑うスパナ。これって・・・気に入ったって事か?それは良いが・・・凄いジタバタしないでいただきたい;


「スパナ苦しい・・・。」

「あははっ、ウチ、こんなに笑った事無い!」

「フーン。そりゃぁ良かったが、傷口に当たって、死にそう。」


 俺がそう言うとスパナは離れる。圧迫感が消え、楽になる。たが、起き上がれない。痛い・・・。

中々起き上がらない俺が気になったのか、俺を覗き込む。まだジーと見つめる。沈黙が続いた後にスパナから会話に入る。


「血。」

「ん?」

「ウチは生まれた時から笑った記憶はそんなに無い。血縁の問題かもしれないけど。」

「いや、ただ記憶が無いだけ、だろ?」

「・・・そうかもね。でも今日笑った。」


 俺は無表情に戻ったスパナに手を伸ばし、スパナの頭を撫でる。

 笑わない、か。微笑とか、ニコ笑いはあるけど、あんなに笑った所は初めて見た。

 無表情か、あの感情の無い顔。それでも、そんな顔はさせたくない、そう思った。確かに無表情の点ではマフィアで良いかもしれないな。これは計算なのか、それともスパナが言ったように血縁か。でも、血縁は信じたくない。血縁で左右されたくない。

 それに、スパナは笑える。今日実証した。


 笑えば、あんなに可愛いのに・・・。


「だから、今後も笑わせてね。」


 スパナはニコッと笑みを浮かべながら言う。


 やっぱしな。血縁なんで関係ないし、笑いたいんだよな。ただ、笑い方を知らないだけ。モスカ中心なだけ。

 笑わすよ。

 自然に笑えるように、させてやるから。


「分ったよ。って、お前も笑えよな。」

「うん。」


 そして可笑しな関係が始まり、半年後で終った。


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@言い訳@

 半年後は合併(^o^)(殴)変な話でスイマセン(ド殴;本当だ!)もっと、血とか出して、スパナさんを病テレにしようとしたのに・・・。スパナさんは銃の腕良いけど、本気で不機嫌の時以外使わないと思う。それで、血を見て、昔の事を思い出してブルーで、その度にγさんが抱きしめるとか、そんな話しが書きたかった(ド殴:此処で書くか?!)あー甘いのが書けないー。
 では色々とスイマセン。(言い訳長いorz)失礼します。平成20年8月11日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様