望む世界は何処にあるのだろうか?


 名誉の無い、争いの無い、憎しみの無い、苦しみの無い―――


 ―――世界は。



【one’s outlook on the World】



 気付けば、俺は此処に居る。


 何回見た?



 赤い液体が飛び散る刹那を。



 叫ぶ音源を。


 俺はこんな世界が嫌だったが、仕方ない。

人は人を制覇させたいのだ。人を自分に忠誠な操り人形が欲しいんだ。

 そんな奴等が作り出した世界は―――


 子供は一生完璧になる事が無い親の殻を見て泣き叫ぶ。


―――反吐が出るほど最低だ。


 そして俺も、この世界の住人だ。誰かが誰かを傷つける人間の一人。軍の狗。


 人を、物を、心を、壊す奴なんだ。俺は。



「愛しているよ。ジャン。」


 そんな俺は俺と同じ人に恋した。否、俺よりも壊す人を。

 それでも、良いと思った。愛してしまったんだから。


「俺も、愛してます。」


 そう言うとキスをする。触れて、口内に舌を入れて。


 もしも、別の世界があったら、どんな世界だろうか?


 やっぱし、此処と似てるのだろうか?



 人を支配したい人。

 泣き叫ぶ人。

 壊す人々。


 俺はキスを終え、ジャンを抱きしめる。


 多分、いや、間違いない。


「中佐?」



 この温もりがあるから、こんな世界があるのだろう。

 より多くの温もりを望んで、それで、争って・・・。



そうだとしたら、俺もこの世界の住人だ。



「愛してる。ジャン。」




 いや、もしかしたら、別の世界、と言う単語は無いのかもしれない。


 此処だけが、空間で、他の空間などない。




 此処だけが世界。


 争いなど終る訳が無い。

 この世界はそんな世界だ。



「ジャン。」



 何で俺はこの世界にいるのだろうか?


 そんな事を考える事がある。でも、どんなに考えても答えなど出てこない。


 それなら、今ある愛しき者を愛し続けよう。




 そうしたら、この世界に居る事が少しでも良く思える。


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@言い訳@
 何でしょうね・・・久々の鋼更新がこんなんで良いんでしょうか?!(ド殴)あーやっぱし鋼好きなんだなーとか。『そして今日も世界は〜』と言う曲を聞いて、鋼を書きたくなりました・・・。やっぱし、鋼はシリアスめ・・・。
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月19日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様