事の始まりはコムイの思い付きからだった。
「料理対決をしよう!」
そう、この一言。リーバーは露骨に嫌な顔をするが、コムイは真意に近づくように目を輝かせる。
「そうさ!料理対決をしよう!」
「室長、料理の前に仕事しましょ。」
「よし!今からアンケートを作ろう!誰が料理作れ無そうか!」
「・・・料理対決なのに、作れ無そうなのを選ぶんスか?」
「だって、詰まらないじゃん!上手い人を選んだら!」
「いや、詰まらないって・・・」
「よっしゃ!行こう!」
「待て!仕事っ!!!!」
そしてその料理対決の話が運悪くマービンの耳に入ったのをリーバーが知ったのはそれから数日経った後の事。
【Cooking Confront】
「さぁ、始まりました!料理対決!司会はこの俺、マービンで宜しく☆」
マービンの言葉に周りは歓喜溢れる。そう、室長の提案を聞きマービンが面白い、と思ってやる事になったのだ。リーバーに見つからないように密かにアンケート作り、回して。
リーバーが知ったのはアンケートを集めて、準備を行っていた時だった。つまりは、手遅れ、だったと言う事だ。
「前にアンケートをした結果から選手を選びました!」
エクソシスト・科学班・探索隊班・医療班・通信班の5つから。
「まずはエクソシストでは神田ユウが一番料理が下手そうで一位になりました!おめでとう!」
「ふざけるな!出ないからな!」
「えーっと次は(無視)・・・」
「おいっ!」
「同点でクロウリーも参加します!」
そう言うと拍手が起こる。クロウリーはこの状況に慣れてない為頬を赤く染め、ギクシャクとしていた。
マービンは改めてメモ用紙を見る。
「科学班では俺が一位でしたが、俺は見ての通り司会なので、この人を出して!で一位だった科学班班長、リーバー・ウェンハムに出てもらいます!」
そう言うと手を差すと珍しく仏頂面でマービンを見つめる。
「何で俺なんだ・・・。」
「班長は結構極端に上手いだろう派と下手だろう派で分れてるんスよ。」
「だからって・・・。」
「良いじゃないスか。下手なら下手。上手いなら上手い。」
「あえて言おう。下手だ。」
リーバーはキッバリと言う。そしてマービンは、あ、やっぱしね、と呆気なく言い、改めてメモ用紙を見る。
「えーっと、此処で悲しい知らせです。探索隊班、医療班、通信班の人が任務や怪我で出れません!」
えー、と非難の声を出す。それをマービンが両手を上下に振り、落ち着け、という素振りをする。
「その代わり、代役として、室長のコムイ・リーが出ます!!」
そして入口から出てきたのは何故か赤いマントを羽織っているコムイだった。
「やぁ、皆!頑張るよー。」
「がんばれー!!」
「はーい頑張りますw」
「てか、そんな適当で良いんスか?」
「取り合えず、室長と班長と神田が入ってればOK」
「私は?!」
「ではルール行きます!」
完璧に無視されるクロウリー。そしてリーバーがそっとクロウリーを抱きしめ、背を優しく擦る。そんな弱々しいクロウリーを見たからだろう。神田は舌打ちをした。
そのままマービンはルール説明をする。
名の通り、料理をしてもらいます!今回のお題は『スープ』!
審査委員はジェリーさん。より美味しく出来た人が勝ち。
「勝った人には室長からプレゼントがありますw」
「待て。室長が勝ったらどうなる?」
「その時は、今日出なかった奴等にプレゼントだ。」
そんな簡単で良いのか?と思いながらもリーバーは自分の持ち場に行く。
「それでは、始めっ!」
最初は素材選び。リーバーは最近はまった野菜スープにすると決めていたので野菜中心で選ぶ。
このお題である『スープ』は当日に知らされる事になっていたからレシピなどない。だから、勝負がどう動くか何で誰も分る訳がないのだ。
それでもリーバーは他のメンバーの素材を見て何故か、勝てるな、と思ってしまった。
まだクロウリーと神田は良いかもしれないが、コムイが・・・明らかに乗ってる材料はドス黒い生き物だ。何を作る気だ?
そして調理に入る。リーバーは学校の家庭科でしか料理をした事がない。それでも、変なモノを入れなければ、良い。スープは簡単に言えば味付けたお湯に具を入れたモノだ。
大丈夫だろう。
「おおっと、クロウリー選手!何か入れてる!これは何ですか?」
「隠し味である♪アクマの血である。」
「へぇー。」
周りが引いていた。なんせ、アクマの血なんだから。クロウリーにとってそれは隠し味かもしれないが、生身の人間にとってそれは、毒、だ。暗殺する気だろ!と言うかのようにアクマの血を大量に入れる。リーバーはそれを見て悪感を覚えた。
そして次にマービンは神田の所に行く。神田は慌てる素振りをせず、優雅に調理をしていた。
「良い臭いだな。どうですか?順調ですか?」
「・・・まぁな。」
「以外に神田選手は料理が出来るそうです!」
それがかなり意外で周りはどよめきが走った。そりゃあ、神田の慌てる所を見たかったんだろう。それが、間逆の事になっている。人は見かけによらず、だ。
マービンは次にコムイの所に行く。コムイの何故かドス黒い煙が漂っていた。マービンは少し身を離し、マイクを持つ手をコムイに差し出す。
「どうですか?」
「うん。今の所は順調だよ。とても上手く出来てる。」
「そうには見えないのですが・・・。」
「え?そう?」
「そうに決まってるでしょ?後、俺の所にも煙行ってますから。」
リーバーは咳き込みながら言う。マービンは煙の中に入り、今度はリーバーの所へ行く。
「調子はどうですか?ゲホッゴホッ」
「この煙がなければ、ね。ゲホッ。」
咳き込む二人。それでも、今の所リーバーVS神田になっていた。
「終了!」
そして終了の時間になって、味見の時間になる。
「ちなみにクロウリー選手はアクマの血を入れたので、失格。」
「な、何故であるか!?」
「間違い無く死ぬからだ!」
クロウリーは大丈夫でも生身の体では間違いなく死んでしまう。ジェリーが死んでしまったら、美味しいご飯が食べれなくなる。だから却下されたのだ。
クロウリーはショックを受け、自分で作った料理を自棄食いする。
「それでは改めて神田選手!」
神田は仏頂面のままジェリーにおわんを出す。だが、それを見たジェリーは固まる。マービンは不信に思い料理を覗き込む。琥珀色の液体の中に砂浜色の麺・・・。
「あのー神田さん?」
「何だ。」
「俺の記憶が正しかったら、それは、蕎麦、と言う奴なのでは?」
「そうだ。」
神田はキッパリと言う。
周りは静まり返る。マービンは苦笑いをしながら神田に言う。
「えーっと、お題は『スープ』ですが?」
「飲めるだろ。」
「いや、それは『スープ』じゃなくで『麺料理』だから。」
「お前は蕎麦の事を分かって無い!麺だけが蕎麦だと思うが!!良いか、麺汁も美味しくなくではイケナイのだ!」
「はい。アウトで。」
「でも、プロ級に美味しいわ。」
ジェリーは美味しそうに蕎麦を食べる。神田は得意そうに微かに笑った。
「何か、班長VS神田だと思ったんだけどなー。まぁ良いや。班長は立て込んでるので次はコムイ選手!」
「はーいvV」
そう言うとジェリーの前にカップを置く。ジェリーもマービンも中身を見て青ざめる。
それもその筈。漆黒の液体に目玉や爬虫類の頭が顔を出していたのだ。より漆黒の世界へ。フフフッ、と言ってそうなほどグロイのだ。
ジェリーは勇気を出してスプーンを持つが、マービンは止めた。
「死にます。」
「だよね。」
「えー何でさ!」
「室長、それ、画像や動画だったら絶対にモザイクかかってるような料理スよ。」
リーバーは戻ってきて、そう言う。リーバーはコムイの作った料理、鍋の中を覗き込んだのだ。そのグロ・・・R15と言っても良いほどのグロさに吐き気が襲ったのだ。
「それではリーバー選手、もはや優勝は決まってそうですが、どうぞ!」
「はい。」
リーバーは自分の作ったスープを出す。
透明感のある液体に野菜にすみれ団子が入っていた。臭いも完璧だ。
ジェリーはスプーンで掬い、食べる。
「少ししょっばいけど良いと思うわ。」
「おおっ!!、と言う事は文句なしにリーバー選手の優勝!!って、あれ?リーバー選手何処に行くんですか?プレゼントがありますよー。」
「いや、悪感が・・・。」
「(無視)それではプレゼント授与です!」
マービンが強くリーバーを片手で抱き寄せ、逃げられ無いようにしながら後片手でコムイを差す。
コムイはリーバーに近づく。リーバーは逃げようとするがマービンが全力で阻止する。
コムイはリーバーの両頬に触れ、顔を近づける。
唇と唇が触れ、舌を入れられる。勿論、コムイとリーバーは恋人ではない。
「プレゼントは室長直々のあつ〜いキスでーす☆」
「あんらvVお熱いはねw」
「んん、んんん――――――っ!!!」
それからリーバーは料理が出来ると証明された。そんなリーバーはマービンにコムイが作ったスープを無理矢理飲ませ、コムイには大量の仕事をさせたらしい。
それは鬼のよだったと言う。
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@言い訳@リクエスト内容⇒『室長提案の料理対決で最終的に班長優勝!(班長+科学班+エクソシスト)』
本当にスイマセンm(_ _)mリーバーさんは簡単なモノは作れそうですね^^;コムイさんは完璧アウト。食べたら死なないけど、体中の内臓が鉛が入ったように重くなり、蠢いてるような錯覚がするとかしないとか(ド殴)
気に入らなかったら申しててください。
色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月20日
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