まだリーバーが班長になる前のある日。


 愛らしい風が吹いていた。



【Senior And Junior】



 此処は科学班フロア。

 そんな中泥色の髪を持つ男性、マービン・ハスキンは書類が区きり良く終わり、固まった筋をほぐしながら時計を見る。時計は昼を示していた。

 マービンは立ち上がり、書類しか見えてない後輩に近づく。後輩は明るい茶色髪に色素の薄い青い瞳を持つ青年、リーバー・ウェンハム。

 マービンはそっと近づき、リーバーの真後ろまで行く。そして勢い良くリーバーの両肩を掴む。


「リーバー、君!」

「うわっ!」


 リーバーは本気で気付かなかったのだろう、肩を掴まれ、大きい声を出され驚いてしまった。リーバーは心臓にらへんを握る。そしてすぐにマービンの方を振り向く。


「驚かすのは止めてください!」

「科学班は何時声をかけられるか分らない。だから俺が練習相手をしてるんだ。」

「いや、そんな声のかけかたはありませんから!」


 リーバーは頬を膨らませながらインクで汚れた書類を見る。間違い無くやり直した。やり直しをさせた本人マービンは笑みを浮かべながらリーバーの背を叩く。


「昼なんだからさ、食べに行こう!」

「まだ仕事が・・・」

「そんなのまだ後で良いだろ。早く行かないと席が無くなる!」


 そう言うとマービンはリーバーの手を引く。



 そして着いたのは食堂。


「えーっと、シュークリームと・・・ハヤシカレーで。」

「俺は(最近コムイが頼んでいるのを見て食べてハマった)蟹炒飯で。」

「了解。」


 ジェリーはそう言うと厨房に引っ込む。マービンとリーバーは待つ事になる。

 マービンはニヤニヤしながらリーバーの顔を覗き込む。


「今度は蟹炒飯にハマったのか?」

「マービン先輩はあいも変わらずシュークリームですか。」

「シュークリームは世界一美味しい料理だ!あのふわふわ生地にドロ〜リカスタードクリームで〜」


 まだ始まった、とリーバーは左から右に受け流す。マービンのシュークリームへの愛は計りきれないのだ。なのに、シュークリームよりも酒とタバコが好き。でもそんなに酒とタバコは語らない。

 食事が来て、空いてる席に向き合い座る。さすがにシュークリームは最初に食べないらしい。ハヤシカレーから食べる。



 一品しか頼んでないのに二品頼んでいるマービンよりも食べ終わるのが遅いリーバー。


「スイマセン、いつも遅くで。」

「いや、良い。俺が早いだけだ。」


 マービンはクスクス笑う。リーバーは最後の一口を口に入れる。


「美味しかった。」

「リーバー、付いてる。」


 マービンはそう言うと手を伸ばしリーバーの頬に付いていたご飯粒を取る。そしてそのままご飯粒を食べる。


「うん。美味しい。」


 リーバーは何故か気恥ずかしくて、頬を紅く染める。マービンはそんなリーバーを見て悪戯が成功した子供のように笑いながらリーバーの頭を撫でる。


「それじゃぁ、仕事に戻ろうか。リーバーは今の仕事が終ればそのまま上がりで明日休みなんだろ?」

「はい。」

「んじゃぁ、頑張ろう。」


 そう言うと手を頭から離し、科学班フロアに向かう。



 科学班フロア。時間は深夜を示していた。

 ほどんとの者が力尽き、倒れていた。マービンはそんな中書類に向かっていた。リーバーはもう既に終わり、上がっている。明日は休みで町に出るだろう。

 マービンは加えていた小さくなったた箱を灰皿に押し付ける。そしてもう一本を出そうとした時だった。


「駄目ですよ。タバコは体に悪いんですから。」


 そしてタバコは取られる。マービンはタバコを取った主を見て目を見開いた。リーバーだったのだ。リーバーは溜息を吐き、コーヒーを机の上に置く。コーヒーは淹れたてなのか、湯気が立っていた。


「わざわざ入れたのか?」

「入れないと無いでしょ?」

「仕事終ったんだから、休めば良いだろ。」


 そう言いながらマービンは淹れたてのコーヒーを飲む。リーバーはマービンの言葉を聞いて苦笑いをする。


「ギリギリまで仕事をする事が多いからでしょうかね?眠れなくて。」


 リーバーはマービンから見ても優秀で、実際はマービンよりも仕事はこなしている。そんなリーバーは比較的ギリギリまで仕事する事が多い。


「そんな事を言ってると婦長に入院されて毎日太い注射だぞ。」

「うっ、それは嫌です・・・。」


 リーバーは婦長と太い注射を想像し冷や汗を掻く。マービンはそんなリーバーを見てニヤニヤと笑みを浮かべながらリーバーの頭を撫でる。


「コーヒー有難う。」


 愛らしい風が吹いた。


 愛らしい風は沈む空気を飛ばす。


「いえ。」


 その笑顔を見てマービンは笑った。




 いつかこの後輩は班長となり誰にも信頼される、人、となった。



 そして成長した後輩を見て先輩は自分のように喜んだ。



 笑って笑われて。そんな記憶を持って、未来(まえ)を向いて歩いた。




 確かにそこに記憶(しあわせ)があった事を忘れずに。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『マービンさんになつく班長』

 本当にスイマセン!甘々にしようとしたのですが、出来ずorz(ド殴)マービンはリーバーにメロメロだったら良いなー。ちなみに付き合ってないです。が、マービン×リーバーのつもりで書きました☆それが悪かったんでしょうね・・・orz
 気に入らなかったら申しててください。
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月21日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様