俺の恋人、スパナは野猿と仲が良い。二人でゲームをしたりしている。

 たまに俺は、恋人か?とも思う時がある。

 モスカに野猿・・・下手すれば太猿。何か知らんが、俺には壁が多い。



【A Password】



 此処はスパナの作業場。俺はあいも変わらず壁に寄りかかりスパナの作業風景を見ている。やってる事は変わらないが、何か、落ち着く。機械の音とか、スパナの後ろ姿とか。

 スパナはキリが良いのか汗を腕の裾で拭い、創っていた機材にキスをする。いつもの儀式。それから俺に振り向き、俺に近づいてくる。珍しい・・・。

 そう思った時だった。


「ショア!!!」

「ん??」


 急に大きな声で両手をあげ、そう言う。それは野猿がよくやるかけ声だ。まさかスパナが大きな声を出すとは思わなかった、しかも無表情のまま大きな声で・・・そんな俺は目を見開く事しか出来なかった。

 スパナは不思議そうに俺の顔を覗き込む。俺はスパナから目線をずらし、頭を掻きながら。


「えーーーっと、何だ。どうした?」


 と言う。まぁ、野猿の影響って事は分かっている。でも、俺に何を求めているか分らない。喜んでるのか?喜びの表現か?俺もやった方が良いのか?

 スパナはムスとする。


「これは挨拶。」

「挨拶?」


 かけ声の筈のモノは挨拶になっていた。でも、野猿はしてこないよな?


「野猿と決めたのか?」

「うん。お互いの挨拶にしよう、って。」

「おいおい、それって野猿とスパナだけの挨拶じゃないか?」


 間違い無くそうだろう。あれだろ?子供同士の合言葉みたいな奴だろう。それを俺に言って良いのか?

 スパナは気付いたように、手をポンと鳴らす。気付かなかったのかよ。俺は溜息を吐く。


「じゃぁ、俺とスパナだけの合言葉を作ろうか?」


 俺がそう言うとスパナは加えていた飴をもごと動かす。どうやら嬉しいらしい。


「取り合えず、どんな合言葉が居るか・・・だよな?」

「んー。まずは、人前だからイチャつくな、と言う合言葉とか。」

「おいおい、俺はそんなにイチャついてないぞ?だったら俺は、モスカよりも俺だろ、とかの合言葉を作るぞ?いや、それ以前にそれは合言葉か?」


 間違い無く合言葉じゃない。合言葉って言うのはジャポネーゼで言う、阿、吽、だろ?(←それも違う気が・・・)明らかに間違ってる。


「取り合えず、本物を確かめるモノを、さ。」

「確かめるものか・・・。」


 スパナはんーと考える。俺も考える。スパナは何だ?モスカの事だろうけど・・・モスカの事そんなに知らないしな。後はジャポネーゼ?ジンジャ?トリイ?ナットウ?


「やっぱし合言葉はいらないんじゃない?」

「え?」


 スパナはそう呟く。俺はマヌケな声で聞き返してしまった。スパナは飴の柄を持ってクルクル動かしながら続ける。


「だって、γはγでしょ?偽者なんで居ないでしょ?」

「でも、擬態とか、可能性は無くない、気がする・・・。」


 ボックスが作られた。可能性はある。

 スパナは口端をクイとあげる。


「だって、偽者にはウチに対しての、愛、は無いでしょ?」


 俺はただただ目を見開く事しか出来なかった。まさかスパナがそう思っていたんで・・・。


「スパナもそうなのか?」

「ん?何が?」

「スパナも俺の事が一番好きなのか?」


 俺が問うとスパナは目をパチクリと開ける。次第に顔が紅く色付く。そして少し経ち、ゴクと頷く。本当に可愛いなー。

 俺は笑みを浮かべながらスパナを抱きしめる。


「そうだな。合言葉なんでいらなよな。」


 いや、最初からあったのかもしれない。


 お互いが、愛している。その気持ちが合言葉。


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@言い訳@
 合言葉と言う言葉を一番理解してない馬鹿幸ですw(ド殴)合言葉じゃないですよね?ただ単に『ショア!!!』のネタを書きたかっただけと言u(ド殴)
 色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月24日

背景画像提供者:Atelier Black/White 氷室夕霧様