此処はあいも変わらぬ眠さが漂う科学班フロア。


「眠い・・・。蒸し暑い・・・。」

「班長・・・。此処は眠らせない&涼しくなる事をしましょ。」


 マービンがニヤニヤしながら言う。リーバーは眉間にしわを寄せる。


「んなのがあったら苦労しねぇよ。」


 科学班は日々眠さと暑さ・寒さの戦いだ。ちなみに、今冷房はコムリンにより破壊されている。

 マービンはククッと笑う。


「それがあるんですよ。」

「・・・変な薬じゃないだろうな?」

「薬じゃないですよ。・・・怪談です。」

「え?階段?」

「ジョニー違うだろ。マービンが言っているのは恐い話の方。」


 そう言うとジョニーは一気に顔を強張る。恐い話が嫌いなのだろう。確かに、恐さのあまり眠れないだろう。恐怖で涼しくなるだろ。

 でも、それなら黙ってやった方が仕事が終る。


「ぐだらん。ほら、仕事をやれ。」

「・・・恐いんだ。」

「はぁ?!違うに決まってるだろ!」

「まだまだvV怖くてトイレにも行けなくなるから、そんな事を言うんでしょ?」

「違う。」

「じゃぁ、やりますか?恐くないならやりましょうよ。」


 そして巻き込まれるような形で怪談話会が開かれたのは、深夜の事。



【A Gost Story】



 話す人は書類をやらず、聞いてる人は書類をやる、と言う事になった。最初は勿論言い出したマービンから話す。


「それじゃぁ始めますか。」

「どうぞ。」


 マービンはニヤニヤしながら話をする。



 これは知人から聞いた話。知人は家を売買する仕事についていたんだ。

ある日、ある家に泥棒が入り、そのまま家族を殺したそうだ。それで空き家になった家の片付けを担当になったらしい。知人の他に後二人居た。

知人が床掃除をしていた時だった。誰かに髪を引っ張られたんだ。それでその手を払ったがまだ引っ張られる。払っても払っても引っ張るんだ。それで我慢の限界を来た知人は『止めろよ!』と叫びながら振り向いたんだ。

でも、後ろには誰も居なかった。

その時だった。急に扉が閉まったのだ。知人は悪戯だと思い、扉に向かい、扉を開けようとした。しかし、どんなに開けようとしても開かない。そしてある事に気付く。

その扉は知人の居る部屋からじゃないと、鍵は閉められない。合鍵は知人本人しか持っていないから後の二人が閉められる訳が無いのだ。

知人は何度何度も扉を叩いたりドアノブを回したりした。たが、扉はピクともしなかった。


『お兄ちゃん』その時、明らかに二人とは違う、子供の声がした。


 知人は恐る恐る後ろを振り向いた。そこには誰も居なかった。知人はホッとした、時だった。


『あーそーびーまーしょ。』


 その後の事は覚えてないらしい。扉付近で倒れていたらしい。

 そして知人の腕や足や首には、締め付けられた跡があったそうな・・・。



「うわああああっ!!恐い!!」

「ジョニー五月蝿い!」


 珍しく真面目に話したマービンの話にジョニーは絶叫をする。確かにそれなりに恐かった。

 リーバーはペンを走らせていた。そんなリーバーを見て首を傾げた。


「恐くなかったんですか?」

「話的に繋がってないだろ。最初の殺された設定が要らない。そんな作り話、誰が信じるか。」

「友人から聞いたんだけどなー。それにあれは、どんな家、かを言う為の殺人の話で、霊がそれとは限りませんよ。まぁ、実際はどうか知りませんが。」

「大体、俺は霊魂を信じても、霊、の存在は信じない。」

「信じてるんじゃないスか。」


 リーバーは学者であり黒の教団の科学班班長だ。AKUMAの材料の霊魂の存在を信じるしかない。だが、その霊魂と言うのは霊と同じだろう。まぁ、ある学者は、違う、とは言ってるが・・・。


「霊魂と霊は違う。確かに冥界もある。それも仕事上認める。だが、何でソイツ等は人間界にいる?」

「仮説では、死んだ事に気付いてない・・・あるいは未練や恨みがあるから。」

「髪が引っ張られた、それは恐怖心から生まれた錯覚だ。幽霊の声も、姿も恐怖心からだろう。扉を急に閉められれば混乱し、余計に錯乱状態になる。」

「屁理屈ですね。そんな屁理屈な人ほど幽霊が恐いんですよ。」


 マービンが嘲笑うとリーバーはマービンをキッと睨む。そんなリーバーとマービンをジョニーが宥める。


「えーっと、じゃぁ、俺が恐い話をします!」

「ビビらないでくださいよ。」

「ビビるかよ。」


 ジョニーはマービンとリーバーを見てハラハラしながら話す。



 これは友達から聞いた話。

 ある町のある教会でお化けが出ると言う噂がありました。噂では3階の窓から女性の霊が出ると言う事でした。 それを聞いた男性はその噂が嘘だと証明する為に教会に一人で入りました。

 教会はもう人が居らず、無人でした。男性は3階の、幽霊が出る窓に着ました。しかし、誰も居なかったのです。結局は噂か。そう思ったときでした。

 ゴッ    ゴッ   ゴッ

 何処となく足音が鳴り響いたのです。男性は恐怖心が溢れました。その足跡は近づいてきているのです。

誰かが噂を確かめに来たのだろう。そう思いたいのですが、第六感がそうしてくれません。

そして足音は男性の真後ろで止まりました。まだ夏なのに、口から出る息は白くなってしまいます。

男性はゆっくりと後ろを振り向きます。そこに居たのは―――



「わあああああっ!!」

「わーっ!!」


 マービンの絶叫に触りにピックリし、リーバーも叫んでしまった。そして、我に返り、マービンを見る。マービンはニヤニヤと悪戯が成功した子供の様な笑みを浮かべた。


「何をして!」

「ビビった〜。やっぱし恐かったんですね。」

「違う!」

「大丈夫。最初から知っていた。昔、班長になる前も恐がっていたからな。」

「っ?!」


 昔の記憶が甦ったリーバーは羞恥心が襲った。リーバー自身、恐い話は得意じゃない。いや、幽霊は信じないが、話し手が上手すぎて恐がってしまうのだ。

 それでも、怪談で大声を出した自分がムカついたのでリーバーは話題を変えた。


「もう、良い。書類、室長に渡してくる。」

「あ、これも宜しくお願いします。」

「―――て。」

「分った。」


 リーバーはそう言うとマービンの書類を貰う。


「どうして―――」

「え?」


 女性の声がした。しかし、今は女性団員は居ない。マービンは首を傾げながら、扉に向かうリーバーを見る。足元は何処か暗いとは言え、物も少なく転び難くかった。たが、何故かリーバーは派手に転んだ。そして書類をパラ巻いてしまう。

 科学班班員はリーバーに近づき、散らばった書類等を拾う。


「いたた・・・。」

「もう、班長疲れてるんですよー。」

「なんか、足を掴まれたようなー。」

「ははっ。恐怖心からの錯覚ですよ。」

「そうだよなー。あるいは疲労からか。」


 周りは笑っていたが、マービンは固まっていた。

 見てしまったのだ。リーバーの転ぶ前、リーバーの足に白い固まりがあった事を。


「どうして―――」


 マービンは後ろを振り向いたが、誰も居ない。マービンは背筋が凍った。そして、俺も疲れてるのかな、と思い、静かに自分の仕事場に戻った。


「どうして―――気付かないの?」


 その後、リーバーの足首には当分手跡に似た痣が出来ていたとか・・・。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『科学班で怪談話』

 あえて教団壊滅事件の話は避けましたーwー(ド殴)本当にスイマセンorzリーバーさんは恐がりだけど、強がってれば良いなーとか☆(殴)・・・全然恐くなくてスイマセン><(ド殴)
 気に入らなかったら申しててくださいm(_ _)m
 色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月27日


背景画像提供者:MECHANICAL
 asagi様