此処はアジア支部。此処は長い歴史を持つ。
そんなアジア支部のある部屋。
「結論から言いましょう。イノセンスじゃないですね。」
「・・・やはりな。」
科学班班長、リーバー・ウェンハムはヴォンから貰ったお茶を啜り飲む。バク支部長は呟き、机の上にある光る鉱石を見る。
「でも、こんな鉱石は見た事はありません。これは黒の教団で預かります。」
「分った。」
リーバーは光る鉱石を見つめる。最近、この鉱石が中国の北部で発見された。イノセンスではないか?と思われたが、データがイノセンスと異なったのだ。しかし、力はある。そこでリーバーが出張でアジア支部に来たのだ。
イノセンスではなかったが、これもまだ違う力を持っている。研究する価値があるモノとなる。
「バク支部長、さすがにお腹減りました。」
「そりゃあそうだろうな。来てから2食位抜いてるだろ?」
リーバーが来たのは早朝。リーバーは光る鉱石を見て、興味が酷く沸き、研究室に篭っていたのだ。入って太陽は傾き、消えた。今は月が姿を現していた。
「ヴォン。李桂達を呼べ。」
「はい!」
そう言うとヴォンは出て行く。
「スイマセン。」
「いや、良い。・・・アジア支部は初めてだろ?迷子になる方が困る。」
「そんな、バク支部長じゃないんですから。」
「俺様は迷子になってない!!」
そう叫ぶとバク支部長の顔にブツブツと蕁麻疹が浮き出た。
【Friend】
少し経ち、現れたのは漆黒の髪に瞳を持つ青年少女達。李桂に蝋花にシィフ。
「宜しく。」
そう言うとリーバーは立ち上がる。
「迷子になるなよ。」
「ははっ、案内されるのに迷子なんでなりませんよ。」
「いや、お前、テンションが高いから、そこら中の機材に興味を持って、そのまま迷子になりそうだからな。」
「・・・俺はそこまで子供じゃありません。」
リーバーは苦笑して部屋から出る。
此処はアジア支部の食堂。
「おいしい。」
「本部の科学班ってどんな感じなんですか?」
「んー。睡眠時間に食事時間を削ってでも仕事をし続ける、仕事熱心な奴等が集う所だよ。」
「やっぱし、科学班班長とか目指してるんですか?」
「・・・班長にはなりたくない。なったら過労死しそうだしな。」
どうやら気を使ったのか、リーバーが科学班班長である事を黙っていたらしい。班長だと知れば、きっとこんなにフレンドリーにならないし、リーバーも年齢より老けて見られるが、それでも若い。周りから冷ややかな目を向けられるだろう。
リーバーは李桂と同じあんかけ炒飯を食べる。余談。後にあんかけ炒飯は一週間は続いたらしい。
「班長はそんな大変なんですか?」
「上司に恵まれてないんだ。上司は仕事をしないし、逃げるし、シスコンだしな。」
「あれ?科学班の上司は班長じゃないんですか?」
リーバーの密かに零す愚痴に疑問を覚えたシィフが問う。リーバーは苦笑いを浮かべる。
「科学班の書類とか研究とかは室長に判を押して貰わないと駄目なんだ。」
「かーっ!やっぱし科学班スゲー!!」
李桂は拳を握り、そう言う。リーバーは心の中で、凄いけど、上司がもっと良かったらなー、と思った。
「おい。あれが科学班班長なのか?」
「間違いない。リーバー・ウェンハムって名は学者の中じゃ名が通っているからな。」
そう言うと遠く、リーバーを見る。リーバーは楽しそうに話している。会話まで分らない。
「気に入らないな。」
食べ終わり、人気の無い廊下を歩いていた。
「リーバーさんは何時まで?」
「命令にもよるが、明後日ぐらいだろうな。」
出きれば町に出て観光したい、とも思ったがリーバーはあえて言わなかった。教団から早朝から帰って欲しいと言われるかもしれないからだ。
バンッ
その時、銃声に似た音が鳴り響いた。そう思った時、煙が包む。
「ぎゃっ!」
「な、何だ?!ゲホッ」
「ゲホッゲホッうわっ!」
少し経ち、煙は晴れた。
「何なのよ!」
「ゲホッ、煙玉なんで、忍者か?さすがアジア支部。」
「忍者は日本限定です。・・・あれ?李桂は?」
シィフの一言にリーバーと蝋花は周りを見る。李桂の姿が無いのだ。
「・・・まさか。」
リーバーは嫌な汗が流れた。
「んー!んんっ!」
「お前は馬鹿か!何間違えている!」
「す、すいません!」
男性は溜息を吐き、李桂を改めて見る。李桂は手と足を縛られている。声を出したかったが、口には猿轡(さるぐつわ)をされており、声が出せなかった。
「まぁ良いか。コイツも気に入らない奴の一人だからな。」
そう言うと男性は李桂の顎に手をかける。李桂の顔は必然的に上がり、男性と目が合う。李桂は男性と目を合わせたくないと思い、目を深く瞑る。
それを見て男性はゆっくりと笑みを浮ばせた。そして李桂の顎を掴んでない手を大きく上げ、李桂の頬に向かった。
その時、扉が開けられた。
「そこまでだ。」
頬に向かっていた手は殴りつける前に止まった。そして後ろを振り向く。
そこには長身の男性が立っていた。
明るい茶色髪に色素の薄い青い瞳。
「まさかこんなにも早く出会えるとは。科学班班長、リーバー・ウェンハム。」
男性はそう呟くと銃を懐から取り出し、李桂にくっつける。
「だが、残念だったな。」
そう言うと男性はニタァと笑う。そしてもう一人の男性はリーバーに銃口を向ける。
絶望的光景だ。
なのに、リーバーは笑みを浮かべた。
「何が可笑しい?」
「ディセブン。アバタ。ウラ。マリラカト。」
そう呟くとリーバーは手を下から上へ勢い良く動かす。
「火式。」
ボッ
その時、火が上がった。火は床に落ち、燃え続ける。
「なっ?!」
男性は何が起きたのか分からず混乱する。そして銃口をリーバーに向ける。
「貴方がたの失敗した点は、この場所を選んだ事です。」
「覚悟っ!!」
天井から青年少女が飛び降りてきた。天井の上には管が通っており、人が入れるほど隙間があった。天井に穴を開け、下に下りたのだ。
青年、シィフは男性から銃を奪う。少女、蝋花は李桂を縛っている縄を解く。
「ふざけるな!」
男性はこの状況に激怒をし、シィフを突き飛ばし、落ちた銃を手にしようとした。
と、その時、手ごと踏みつけられる。
男性は上を見上げる。リーバーは笑みを浮かべながら男性を見ていた。
男性はもう一人の男性の方を見るが、もう一人の男性は気絶をしていた。
「残念だったな。」
その後男性は取り押さえられた。
「取り合えず言いたい事はいっばいあるんですが、班長だったんですね!」
「あぁ。ごめんな。嘘付いて。」
「いえ!コチラこそ無礼スイマセン!」
李桂は怪我が無く、目の前に起きた事に興奮していた。
「後、何で火が急に付いたんですか!それが不思議です!」
「あぁ、それは僕も気になります。」
一番の謎。火気の無い場所で火が付いた事だ。あれで相手を混乱状態になり、より危険なリーバーに注意を向かせたのだ。
「あれは、これのお陰さ。」
そう言うとリーバーは光る鉱物を見せる。それはリーバーを此処に呼び寄せた本体。
「原理は分かって無いが、これは自ら光を放出している。その中には微かながらの熱エネルギーをも持っている。」
リーバーは笑みを浮ばせながら続ける。
俺は今日で大体研究をさせて貰った。
この物体に光を当てれば、跳ね返る。ただ跳ね返るだけじゃない。自ら持つ熱エネルギーと加算して、跳ね返しているんだ。
「そして俺はあの時、ある物を投げた。」
「ある、物?」
「シリコンの塊だ。」
リーバーはニコッと笑みを浮ばせる。
「その熱エネルギーはシリコンを燃やすほど熱い。それで燃えたんだ。」
リーバーが言うと三人はあーと呟く。ちなみに、光を跳ね返していたのはヴォンさんだ。
後あえて呪文を言う事でこれが、魔法、と言う非科学的モノだと教え込んだのだ。それと当時に、シィフと蝋花に李桂の居る場所を教えたのだ。
ディセブンはd7を示していた。d7とはチェスでの駒の置き場所の一つ。上のタイルをチェス盤に見立てたのだ。
その後、室長の命令で帰国をする事になった。
「色々と有難うな。」
「コチラこそ、迷惑をかけてスイマセン。」
リーバーはそれを言うと、一礼をし、出て行こうとした。
その時、後ろから声がした。
「リーバーさん!」
「おう。どうした?」
「これ、どうぞ。」
来たのは息を切らす李桂にシィフに蝋花だ。
李桂は錠剤の入ったビンをリーバーに渡した。
「これ、胃に効く薬です!これからも頑張ってください!」
「おいおい、胃薬って;」
「だって、疲労死しそうなほど忙しいんでしょ?」
「俺らが来た時に、疲労死でこの世に居ないとか、嫌ですし。」
そう言うとニコッと笑った。それは食堂の時話した事だった。
「ははっ、そりゃあどうも。」
苦笑いを浮かべながら薬を鞄の中にしまって、外に出る。
外は紺碧の空だったのに、4人の顔は酷く濡れていた。
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@言い訳@リクエスト内容⇒『アジア支部に班長が出張』
最初は班長が迷子になる話が書きたかったのにorz(ド殴)本当にスイマセン><ガ○レオのドラマを見ていたら、こんな話にorz(ド殴)あ、理論メチャクチャです(ド殴)
気に入らなかったら申しててください。
色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月29日
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