【Acting】
此処はスパナの研究室。俺は毎回のように壁に背を預け、スパナの作業風景をボーッと見つめる。
スパナは気にせず作業を続ける。
「・・・。」
「・・・。」
沈黙が流れ、もう一時間は経つ。が、俺とスパナは止めようとしない。そして、スパナは作業が区切りよく、かけていた保護眼鏡を外し、俺の方を振り向く。
「何?」
スパナが短く聞くと、俺は笑みを浮ばせ、スパナを見る。
「恋人が会いに来ちゃ駄目か?」
「恋人なら、仕事の邪魔しないてくれる?」
「仕事って言うか、もはや趣味だろ。」
「モスカ創りはウチの人生。趣味で片付けて欲しくない。」
「いや、仕事、で一瞬片付けようとしたお前はどうなんだ?」
「・・・最近、反論多くなったね。」
「お前と付き合えば、言葉のバリエーションが増えるからな。」
俺はそう言うとスパナは無表情のまま飴を、ガリッ、と齧る。これは、小さな怒り、を示している。モスカが上手く出来なかった時に行う仕種の一つだ。
【Acting】
一応お茶は出して貰ったが、スパナはずっと飴をガリガリッと齧っている。相当さっきの言葉が嫌だったようだ。正直、何が嫌なのか分らない。まぁ、それがスパナなのだが・・・。
恐らく、屁理屈、だと思われる言い方をしたからだろう。スパナはそう言われるのが嫌いらしい。何故か。あれだ。天然の人に天然と言って、不機嫌になるのと一緒だ。多分な。
俺は渋いお茶をズズッと飲みながらスパナをチラッと見つめる。スパナはあいも変わらず、ガリガリッとしている。
「まだ怒ってるのか?」
「・・・怒ってない・・・。」
「怒ってるだろ。」
俺がそう言うとスパナは飴を齧るのを止め、俺の方を向く。機嫌が直ったのか?そう思ったとき、飴を左から右に移動させ、まだガリガリッとする。これは、かなり怒ってる、だ。
どうやら、火に油のようだ。
「んな嫌な顔するなよ。」
「・・・してない。」
「折角会ってるんだし。」
「・・・だから、してないって。」
スパナはハの字眉を眉間に寄せる。どうやら、俺は機嫌を取れてないらしい。スパナのご機嫌取りは好きじゃない。てか、スパナは俺とは別世界にいる。だから最初から取るつもりはない。それに、怒ったスパナの顔は新鮮で、好きだ。
それでも、不機嫌のままじゃ後々困るからな。部屋の中の金属を全部モスカの部品になりかねないからな。
「機嫌直せよ。」
「・・・だから、悪くない。」
「でも、喜んで無いでしょ?俺はお前の喜んだ姿が見たいんだ。」
俺はそう言うとスパナの頬に触れ、擦る。スパナはガリガリガリガリッと飴をかじる。これでおさまるなんで最初から思ってないさ。
俺はスパナの口から飴を無理矢理奪い、寂しくなった口にキスを落とす。
甘い甘いイチゴ味が口の中いっばいに広がる。
俺は離れ、舌で口の周りを拭う。
「美味しい。」
「・・・変態。」
スパナは俺をギッと睨む。俺は苦笑しながら飴をスパナに返す。そしたら、スパナを抱き寄せる。
「そうだな。俺はスパナだけの変態だ。」
「・・・変態の意味分かってる?」
「さぁ。ジャポネーゼの言葉は全然分らねぇ。だから、スパナ教えて。」
そう言うと、後頭部を撫でる。
モゴッ
俺の耳に飴を移動させる音が聞こえた。これは、嬉しい、の仕種だ。
「・・・変態さんには教えない。関わらない。それがウチのポリシー。」
「おいおいっ。」
どんなに仕種が分かっても、本当の心まで届かない。
「恋人だろ?」
「そうだっけ?」
スパナはそう言うとクスクスッと笑う。
一つ一つの仕種。
何故そうするか、分れば飽きる。
でも、どんなに知っても、分かっても、飽きる事は無い。
「・・・嘘だよ。」
スパナはそう言うと俺の背に腕を回し、ギュウウッと抱きしめる。
スパナと言う人間は、測りきれず、楽しい。
もしも、スパナの全てを知っても、飽きないだろう。
ずっとスパナの可愛らしい仕種とか笑顔とか、見ていたい。
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@言い訳@
何が書きたいの?という今更な突っ込みは無しの方向で!(ド殴)ヘタレγさんじゃないですね!それだけで満足ですが、やっぱしヘタレγさん×子供スパナさんの方が好きだな・・・(ド殴)
色々とスイマセン。失礼します。平成20年9月15日
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