今日は珍しく休みのリーバー。しかし、やる事なく、談話室で紅茶を飲んでる。そこにやってきたのは、エクソシストのアレン・ウォーカーと神田ユウとラビだ。


「あ、リーバーさん。今日は休みなんですか?」

「ん?あぁ、まぁな。」

「残念だったな。せっかくの休みなのに、大雨で。町に出れないんだろ?」

「まぁな。まぁ、仕方ないさ。」


 リーバーはそう言うと紅茶をすすり飲む。アレンは笑みを浮ばせる。


「それじゃぁ、一緒に遊びましょ!僕等、これから東の国の遊び、王様ゲームをするんです!」

「王様ゲーム?」


 リーバーは首を傾げる。


 王様ゲーム。それは、人数分の割り箸を用意する。その端に人数分引く1の数字と一つの王冠マークを書く。そしてそれが見えないようにし、皆選び、抜き取る。
王冠マークがついた割り箸を手に取った人が数字を言い、命令が出来る。
例「1番の人が3番の人にビンタ!」「1番の人と2番の人がキス!」など。


「やりますか?」

「王様ゲームねー。暇だし、やるか。」


 これが悲劇の始まり。悲劇王子はこの悲劇を乗り越えることが出きるのだろうか?



【King Game】



 早速アレンは片手に割り箸を握る。それを一斉に掴む。


「王様だーれだ!」

「はい!」


 手を挙げたのはアレンだった。アレンはニヤニヤと笑みを浮ばせながら三人を見る。リーバーとラビはゾゾゾッと鳥肌が立つ。神田は仏頂面のまま、早くしろ、と睨みながら言う。


「2番の人が王様の借金の一部を引き受ける。」

「えー!!そんな、重い奴良いのか?」


 ラビが非難の声を漏らす。そんなラビをアレンはニッコリと笑みを浮ばせながら見つめる。その頭には幻の角が伸びる。


「何か文句でもありますか?王様の言う事は絶対ですよね?」

「いや、限度があるって言ってるんさ!」

「まぁまぁ。喧嘩するなって。」


 二人の喧嘩を割って入ったのはリーバーだった。


「てか、2って俺だし;」

「え?そうなんですか。ラビが言ってるからラビかと思いました。」

「いや、俺だ。えーっと、今持ち合わせないから後で。」

「リーバーはやらなくで良いだろ。」


 神田は仏頂面で言う。アレンはそれが癇に障り、神田と火花を散らす。リーバーは苦笑いをしながら割り箸を集め、強制させる。


「ほら、次次!」


 リーバーがそう言うと皆割り箸を抜く。


「王様だーれ、って、俺か。」


 リーバーの手を握る割り箸には王冠があった。リーバーは何をするか考える。


「えーっと、それじゃぁ・・・1番の人が2番の人に愛の告白・・・とか?」


 リーバーの提案に神田とアレンの顔が青ざめる。そして二人は顔を見合わせる。その行動を見て、リーバーは嫌な汗が流れた。


「えーっと、もしかして・・・。」

「僕が2番です。」

「・・・俺が1番だ。」

「おー☆リーバースゲェーな!!」


 さっき喧嘩したばかっしの二人。確かに確率的には3/2だ。高確率だ。それでも、まさか出るとは・・・。

 沈黙。アレンと神田は向き合っている。


「・・・モヤシ。」

「何ですか?」

「・・・アマーレ。」

「・・・はい?」

「ふん。終ったぞ。」

「あの、え?え?」


 リーバーは、お疲れ様、と言いながら神田の割り箸を受け取る。その内心では、神田に感謝をする。

 アマーレ=Amare=イタリア語で愛してる。

 それと同時に、何で知ってるんだ?とも思った。


「それじゃぁ、やるか。」


 そんな疑問を諦める。聞いてはイケナイ領域だと思ったからだ。三人は割り箸を取る。


「王様だーれ。」

「あ、また僕だ。」


 アレンはニッコリと笑う。神田は眉間にしわを寄せる。


「これ、何か仕掛けがあるんじゃないのか?」

「嫌だなー。僕はそんな事しません。」


 確かにアレンが王様ゲームを始めただろう。エクソシストになる前はクロス元帥の借金のために詐欺師をしていただろう。それでも、王様ゲームで王様になってどうする?

 いや、もしかしたら先ほどのリーバーみたいに借金を少しでも払ってくれるのを期待しているのかもしれない。


「えーっと、それじゃぁ・・・。」


 アレンはリーバーの持っている割り箸を見る。そしてニヤリと笑みを浮ばせる。リーバーはその笑みに気付かない。いや、気付いてもそれは良い案を思いついたから、と思うだろう。


「それじゃぁ、2番の人が王様の口にキスをする。」

「え;」


 リーバーはマヌケな声を出す。それもその筈。リーバーが持つ割り箸の端には、2、と書かれていたのだ。


「これって、ある意味王様も罰ゲームのような・・・。」

「大丈夫ですwリーバーさんなら大歓迎ですよvV」

「アレン・・・お前ってそう言うキャラなんさ?」

「・・・ホモモヤシ。」


 二人の言葉を無視し、アレンはリーバーに顔をグイッと近づく。そして人差し指で唇を軽く叩く。

 リーバーの鼓動が激しい。男同士だって分かっていても、アレンは15歳で女顔だ。もしかしたら、ファーストキスかもしれない。

 それでもこれはゲームだ。ゲームはカウントされない。

 リーバーはそう思い、アレンの口に軽く押し付ける。そしてすぐに離れる。


「つぎ行こう!次!」


 リーバーは頬を赤らめさせながら言うと割り箸を集め、次を促す。3人は割り箸を取る。


「あ、また僕が王様ですね。」


 ニッコリと笑みを浮ばせるアレン。確かに4/1の確率だ。しかし、4回の内3回当たるとは、かなりの高率だ。


「それじゃぁ、3番の人が王様にハグをしてください。」


 そう言われ、リーバーは少し青ざめる。


「・・・ゲームだけど、駄目ですか?」

「え?いやいや、そんな事ない。ゲームだしな。偶然とかあるからな。」


 リーバーは自分に言い聞かせるようにそう言うとアレンに近づき、抱きしめる。アレンもリーバーに抱きしめる。そしてアレンはリーバーの首に甘噛みをする。

 リーバーは刺す様な痛みを感じ、首筋を手で押さえながらアレンから離れる。


「どうしたんですか?」

「い、いや・・・。」

「よし!それじゃぁ続きをやりましょw」


 そう言うとアレンは割り箸を集める。白けた空気が漂う。

 もしかしたら神田が言うように何か仕掛けがあるのだろうか?そう言う考えが脳裏に浮ぶ。だがすぐにリーバーは頭を左右に振る。

 アレンがそんな事をする訳が無い!アレンはそんな奴じゃない!と。


「それじゃ、どうぞ。」


 そう言うとリーバーは割り箸を引く。


「王様は誰だ。」

「また僕ですね。」


 そう言うとリーバーの方を向く。リーバーの脳裏に嫌な予感が走る。


「じゃぁ、2番の人が王様に犯される。」


 アレンはニコッと笑みを浮ばせる。そして2番の人は・・・。


「また俺;」

「おいモヤシ。絶対にズルしているだろ。」

「てか、明らかに命令が危険さ!何、犯される、って!単刀直入すぎるさ!」

「王様の言う事は絶対、ですよね?」


 ニッコリと笑みを浮ばせながらリーバーに近づく。さすがのリーバーも、身を引いてしまう。

 アレンはそんなリーバーを見てムッとする。その時、アレンの首筋に黒刀が現れる。神田が六幻を抜いたのだ。


「お前、絶対にズルしただろ。」

「あ、ユウ!リーバー!この割り箸の先に傷があるさ!」


 ラビが見つけたのはさっきまで使われていた割り箸だ。割り箸の数字じゃない端に微かに傷があった。節約の為、暗闇の中に居たアレンにとって、その傷を見つける事は安易の事だろう。


「アレン、何でこんな事を?」

「・・・リーバーさんを見てるとマナを思い出すんです。だから、愛したいと思ったんです。」


 アレンの過去。リーバーは知っていた。どんなに辛い思いをしていたか。全部を無くす事は出来なくでも、少しでも減らしたい。そうも願った。


「アレン・・・」

「だから、だから・・・。」


 アレンの口から出る声は震えている。アレンは寂しかったんだ。まだ15歳だ。親が恋しいだろう。それなのに、神の使徒やら呪いやら・・・。息が詰まるだろう。


「だから・・・」

「もう良―――」


「だから、犯させて下さいっ!!!ぐはっ!」

「このモヤシが!!」


 神田は六幻でアレンを切りつける。そして神田は刀をもう一度斬りつけようと振り下ろす。それをイノセンス発動した手の爪で受け止める。


「あれれ?神田もリーバーの事が好きなんですか?」

「なっ!なわけないだろ!!」

「じゃぁ僕とリーバーさんの恋愛を邪魔しないでくれませんか?」

「いや、恋愛じゃなくで、レイプさ。」


 ラビが突っ込むが、アレンと神田には聞こえない。

 リーバーはとにかくこの喧嘩を止めさせる為にオロオロと周りを見る。そして目が付いたのは、割り箸。リーバーは割り箸を手に取り、アレンと神田に見せる。


「王様の命令で、喧嘩は止めろ!」


 リーバーがそう言うとアレンと神田は喧嘩を止め、リーバーを見る。良い歳のおっさんがこんな馬鹿げた事をすれば誰もが突っ込むだろう。それで喧嘩は止まるだろう。そう思ったのだ。

 たが、違った。アレンと神田はリーバーに近づき、アレンはリーバーの左腕を、神田は右腕を掴む。


「え?え?神田?アレン?」

「何ですか?結局神田もリーバーさんの事が好きなんじゃないんですか。」

「好きって、え?え?」

「うるせぇ。モヤシには言われたくない。」


 どうやらアレンと神田はさっきのリーバーの言動にストライクを出した模様。あのいつもは真面目なリーバーが天然で可愛いことをしたからそのギャップが神田にももたらしたのだ。

 そのままリーバーは引きずられ、談話室から去る。


「え?え?ちょ、マジで?!ラビ!ラビ助けて――って、何手を合わせてるんだ?!ちょっ、わー。」


 そのままラビに見送られ、リーバーは人通りが少ない、アレンの部屋に引き込まれ・・・その後の事は記録にない。


 次の日、リーバーは休日だったにも関わらず、疲労が溜まっている様だった。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『王様ゲーム(班長+エクソシスト)』

 スイマセン!やっぱし、アレリバに・・・それは諦めたとしても、神リバとか《笑》(ド殴)やっぱし王様ゲームの被害者はリーバーさんでw
 気に入らなかったら申しててください。
 色々とスイマセン。失礼します。平成20年9月20日

背景画像提供者:skyward 崇様