秋。


 スポーツの秋。読書の秋。芸術の秋。食欲の秋。


 今日はスポーツの秋の話。


 ただ、一方的な勝負。



【An Athletic Meet】



 黒の教団を覆う森。そこから花火に似た音が鳴り響いた。

 森の中はワイワイとテントが張っており、多くの者がいた。その内数十名は赤・緑・青・オレンジのジャージを着ていた。


「似合ってるさ。ユウw」

「ファーストネームで言うんじゃねぇ!殺すぞ!」

「ははっ、そうですよwその台詞を言って良いのは、僕だけですからねw」

「うるせぇよ、モヤシ。」

「心外ですね。」


 神田とアレンは火花を散らす。ラビが納めようとする、が、ラビの声など聞こえない。

そんな神田とアレンを収めたのは、ツインテールの女の子、リナリー・リーだった。リナリーは両手を腰にあてながら言う。


「もぅ、止めなさいよ。折角の運動会なんだから。」


 そう。今日はコムイ提案の、黒の教団の運動会☆、なのだ。最近運動不足の方様に。交流が疎かになってる方様へ。参加するメンバーはコムイが選んだのだ。

 チームは、エクソシスト・ファインダー・科学班・その他、である。その他は、食事係、放送係、医療係、と別れる為、人数が限りなく少ない。

 後、係・選手では無い人以外は黒の教団でモニター越しの観戦となっている。

 そしていよいよ開会式。コムイが朝礼台に見せかけた切り株に乗る。


「えーこれから運動会を始めます。此処で二つ、注意を言う。一つは怪我せず頑張っていただきたい事。」


 一応医療班が居るとは言え、これで大怪我をしたら中央に何を言われるか・・・。


「最後の一つは・・・リナリーに何かあったら、ね?」


 コムイはドス黒いオーラーを出しながら言う。そのオーラーに選手は身を引く。怪我をさせたら、殺される。例え、事故だとしても、だ。


「それじゃぁ、怪我をせず、力いっぱい頑張って。リナリー!頑張ってね!お兄ちゃん、応援してるよvV」


 ハートを撒き散らしながら言う。そしてジェリーによって強制的に切り株から降ろされる。

 リナリーは毎度ながらのシスコン兄に顔を紅潮させるしか出来なかった。




 4チームにそれぞれ4人。それぞれ代表者が一種目に出る。順位事に点数があり、より高いチームが優勝で賞品有り。最下位は罰ゲームだと言う。


第一種目:150m走


 最初に走るのは、リナリー・バズ・マービン・医療班A。


「リナリー頑張れ!!」

「もぅ、兄さんだったら・・・。」

「頑張れ!マービン!」

「おう!(野郎に応援されてもなー。)」


 そして選手は位置に付く。審判は方耳を塞ぎ、玉の入ってない銃を上に上げる。


「位置に付いて。用意、」


 パンッ!!

 銃声が鳴り響き、走り出す選手。だが、銃声が鳴ってすぐにコールをした。そう、リナリー・リーだ。リナリーはイノセンスを使ってしまったのだ。


「あ、ごめんなさい!」

「やり直しを望みます!」


 マービンがそう言うと後二人も続けて言う。リナリーは困ったような顔をしながらマービン等に近づく。そしてマービンの両肩に手を置く。

 その手には力が篭っている。マービンは激痛が走る。痛がるマービンを無視し、リナリーは笑みを浮かべながら、吐息のように呟く。


「何か問題でもありますか?」

「い、いえ!あ、ありません!」


 マービンがそう言うとリナリーは肩から手を離す。


「今度批判をしたら・・・ね?」


 その一言で反論する気力などない。リナリーに勉強を教えたのは、あの部下思いとドSの二面を持つリーバーだ。それ+シスコンコムイの兄妹だ。逆らえば、何が起きるか・・・命は無いかもしれない。

 そしてその場は丸く収まった。否、収まらないとイケナイのだ。




第二種目:リレー


 神田・ジョニー・トマ・料理人A


 それでジョニーはフッと疑問に思った。


「一人なのに、リレー?」


 この運動会は、その日になるまで、何の種目か分らないのだ。放送のコムイは嬉しそうに、にっっっこりvVと笑う。


「そう。42.195Kmを10分で走ってもらうから。10分に間に合わなかったら、失格でw」

「はぁ?!」


 コムイは無理難題をスラッと言った。12.195Kmの距離を10分で?そんなの無理に決まっている。それと、12.195Kmはリレーではなく、フルマラソンだ。大体、一人で長距離走る時点で、リレーではない。


「んな事出来るか。」

「あれれ?神田君なら出きると思うよ?」

「チッ。誰がやるかよ。こんな事。」


 神田は最初からこの運動会に参加することに興味もないし、嫌がっていた。リナリーも出て、やろうよvV、となり、自然の流れで、こうなったのだ。時間と言うのは早いものだ、と言う事である。

 そんな神田を見て、料理長のジェリーが出てくる。そして神田に向かい、叫ぶ。


「ちゃんと参加しないと、蕎麦、二週間禁止だからねっ!!」


「な?!お前、卑怯だぞ!!蕎麦を人質に取るなんで!」


 神田がそう叫ぶと、ジェリーはクスクスッと笑う。


「じゃぁ、走らないとね。」

「絶対阻止してやる!」


 神田はやる気を出す、が、周りは神田を冷たい目で見る。何故、蕎麦で乗る?と。それでも神田は気にしない。

 だって、愛しい愛しい蕎麦が待ってるんですから☆


バンッ!!


 銃声に似た音が響くのと同時に、神田は一気に走り出す。それは、草原を走る、獅子のようだ。


「凄いさ!ユウ!」


 普段なら、ファーストネームで呼ぶな、と突っ込みそうなラビの言葉だが、神田はそれ所じゃない。土煙を出しながら走る。何回、何十回ジョニー等を抜かしたのだろうか?



 約10分後。


「神田君、ギリギリゴール!!」


 そして神田は奇跡の、ゴールをする。さすがの神田も息切れをしていた。ジェリーは感動のあまり、涙を流しながらピンクのハンカチを神田に振る。


「良くやったわ。神田ちゃん。」


 そして見事に神田の勝利!やったね☆




第3種目:プレイ


 ラビ・ロブ・探索隊A・通信班A


「つーか、プレイ、ってなんさ;始めて聞く競技名だけど・・・。」

「此処で悲しい知らせです!ロブが猫とじゃれあってる為、選手交代です!」

「ええええっ!!ちょっ、あの人頭大丈夫さ?!」


 ラビは猫と同じ目線になりながらじゃれあうロブを見て突っ込む。てか、それで選手交代って・・・とラビは思った。

 そして代役でまさかのリーバー班長が出る事になる。


「何で、班長出るんさ?科学班は大丈夫か?」

「本当は出ない筈だったんだけどな。まぁ、ストレス発散で。」

「ス、ストレス?」


 ラビはその言葉に大量の汗を流す。まさか、リーバーが代役を任せられた理由って・・・。


「プレイゲーム。ルールは簡単!10分以内に周りをMにすれば勝ちのSMプレイ!」

「やっぱし!!!」


 ラビは頭を抱える。ラビはリーバーのドSを知っている。いや、クロス元帥に比べたらドSじゃないかもしれない。それでも、いつもと違うキャップで、心をズタズタッにするのだ。

 それに、リーバーは悪くない。悪いのは彼のストレスを溜めさせるコムイなのだ。だから誰も恨まず、受け入れる。


「室長。」


 リーバーは言い出す。何さ?まさか、道具要求とかしないよな?てか、もっと時間を増やせとか無いよね?!とラビは思った。

 たが、リーバーは綺麗な笑みを浮かべながら信じられない事をしれっと言う。


「10分もいりませんよ。6分でこのブタ以下の下衆野郎を快楽に溺れさせますよ。」

「え、えええ?!ちょっ、スラッと酷い事が!」

「分った。6分ね。」


 そう叫ぶラビだが、コムイは気にもせずすぐに離れる。そして銃声に似た音がすぐになった。何となく、気持ちが分かるような・・・リーバーのドSはクロス元帥と違い、かなり柔軟性があり、その人にあったSぷりをする。

だからトラウマを植えつけず、それところかMに化させる恐ろしさがある。ラビは違うが・・・。

 始まってすぐに探索隊Aはリーバーに近づく。これは、いけるか?!そう思ったが、リーバーの目の前で土下座をする。ラビはその姿を見て、え?、と固まる。


「リーバー様!貴方の噂はかねかね聞いてます!どうか、わたしめの頭を踏んでください。」

「フフッ、中々のドMだな。」


 リーバーはそう言うと探索隊Aの頭に足を乗せ、クリクリと動かす。それに興奮しているのか、探索隊Aは息を荒くし、頬を赤く染める。


「リーバー様!有り難き幸せ。」


 どんだけリーバーのドS化が教団内に響いてるのか・・・普段は良い人なんです。普段は皆に従われる、素晴らしい方なんです。

 そんなドSを見て、反応をしてる人がもう一人。通信班A、である。通信班AはSMとか興味は無いが、目の前で残酷な場面を見て、動けずに居るのだ。リーバーはその者を見つめると、手を上下に振り、来い、とチェスチャーをした。

 通信班は勇気を出してリーバーに近づくと、リーバーは通信班を抱きしめ、耳をレロッと舐める。それにピクッとした。そしてリーバーは通信班に吐息のように呟く。


「別に恐い事だけじゃない。だから、一緒に溺れる?」


 そう言うと、リーバーは通信班Aの首筋を甘噛みをする。探索隊Aでは、飽きが来ないように、頭から手に移動し、擦ったり踏みつけたりする。かなりの高技術だ。

 リーバーは慣れたら、ラビを見る。


「ラビ。」

「俺、棄権するさ!絶っっっっっ対に、棄権するさ!!」


 リーバーはニコッと笑みを浮かべながら二人を置いて(別の名を放置プレー)ラビに近づく。そして頬をプニッと掴む。そして真上から見下ろす。


「そんな事が許されると思っているか?」


「お、思ってません;」


 そして予告通り、勝負は6分で付いた。


 勝者、文句無しでリーバー班長!



 途中経過。トップはエクソシストチームで、二位探索隊チーム、三位科学班チーム(リーバー班長のおかげで)、ビリその他チーム。


最終種目:買い物競争


 アレン・タップ・探索隊B・通信班B


「それじゃぁ、買い物レース!時間押してるから、早く終わりにしようね。」

「いや、1時間もしない内に終るんですか?」


 押してるとか言いながら、実際は全然やってない。まぁ、コムイには仕事がある。許された時間は短い。


「まぁ、ルールは簡単。途中に置いてある封筒に指令の紙が入っているから、その指令通りのモノを持ち、ゴールをしてねw」


 これは今までの、運動神経やドS技術ではない。運、だ。アンラッキーボーイのアレンは息を飲む。

 そして銃声に近い音が鳴り響く。

 アレンは勢い良く走る。一位のチームは賞品が貰える=借金が減る。

 だからアレンは走った。そして問題の、指令カード。アレンは恐る恐る見る。


『リナリーなら、そのままゴール☆それ以外は・・・テキトーな筋肉モリモリの人を背負ってゴールで良いんじゃないかな?』


「え、えええ?!」


 恐らく、誰がどれをやるか分からなかったのだろう。てか、ひいきすぎるでしょ!!もしプレイやリレーだったらどうするつもりだったんですか?てか、アバウトすぎるって!てか、何故に筋肉モリモリ?!んなの、この場所にはいねぇし、何処までが筋肉モリモリだか分らないですけど!!とアレンは心の中で突っ込む。


「何だよコレ?!筋肉モリモリの人って!」


 どうやら全員が同じ指令だったらしい。アレンはそれを聞き、身近に居る筋肉もりもりのジェリーの所に行く。探索隊は筋肉質のため、すぐにゴールする確率が高い。


「ジェリーさん!一緒に来てもらえませんか?」

「まぁ、良いわよvV」


 そしてジェリーはアレンに背負われ、ゴールに向かう。アレンの前には探索隊が居た。しかも、後少しでゴール。それを見たアレンはイノセンスを発動をし、探索隊に向け、撃つ。


時間にして、0.5秒の事。


 探索隊は悲鳴を出しながら黒焦げとなる。アレンはイノセンスをすぐに解除し、ゴールをする。


「優勝、エクソシストチーム☆」

「わーいw皆さんのおかげです!」


 そして無事(?)運動会は終った。


 優勝はエクソシストチーム!ビリは科学班。


「わーいw一位です!」

「何で、最後の競技スルーになってるんさ;」

「賞品!賞品は?!」


 アレンは目を輝かせながらコムイに近寄る。コムイは苦笑しながらエクソシストチームにプレゼンの箱を渡す。

 アレンは幼い子供のように赤いリボンを解き、中身を見る。が、その中に入っていたモノを見て、顔を青ざめる。


「こ、これは・・・。」

「僕が作った、僕自身の人形さ☆これで夜寂しい時でも大丈夫だねvVリナリーw」


 こんな不器用に作られた人形、誰が買うか・・・。誰も買わないだろう。てか、誰もいらないだろう。

 アレンは涙が無残に流れる。


「僕は何の為に頑張ったんですか!」

「アレン、それは皆一緒さ。あのドSとドM以外はな。」


 ラビは遠い目で言う。


 そして科学班チームの罰ゲーム、コムイの実験体にされたとか・・・。それでゾンビ化になり、結局教団メチャクチャになったのは、まだ違う話。


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@良い訳@リクエスト内容⇒『黒の教団運動会!・出るキャラ自由』

 かなり遅れてスイマセン><そしてリーバーさんならず、多くの人の性格を崩したり(ド殴)落ちが無いorz本当にスイマセンm(_ _)m
 気に入らなかったら申しててください。
 色々とスイマセン。失礼します。平成20年10月4日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様