僕とスパナは職業上一緒に休みになる事は少ない。

 僕はこの基地のトップだが・・・それでも、勝手に休暇を動かすことは出来ない。いや、スパナは大丈夫かもしれないが、僕のは無理だ。研究も指令もあるからだ。

 それでも、一緒に居たくて。

 そして、スパナと一緒に外に出て買い物などをしたい。


 だから約束をしたんだ。


『ねぇ、今度休みが一緒になったら一緒に出かけようか。』

『ん?それって、デートって言うものか?』

『デ、デート?!』


 僕はつい顔を紅く染めた。確かにデートだが・・・あえて言われて慌てたのだ。スパナはクスクスと笑った。


『日にちが合ったら、デート。』


 スパナはそう言うと頬を紅く染め、小刻みに震える。スパナは酷く喜んでいるよだった。


 次の一緒の休み。楽しみだ。そう思っていた。



【Acquata】



 ザーーーー。


 僕はミルフィオーレ日本支部の一般出入り口のフロアに居る。そして先客が居た。

 スパナだ。スパナは唯一の窓から外を見ている。外は運悪く雨が降っていた。しかも、台風突入中と言う、最悪な展開だ。・・・つくづく僕は雨男の様だ;今思えば遠足も運動会も雨が降っていた。

 僕はスパナに近づく。

 スパナはジーと幼い子供の様に窓の先を見ていた。


「スパナ、戻ろう。折角の休みなんだから。」

「・・・・・いや、雨が止むまで待つ。これもあるしな。」


 そう言うとスパナは両手で握っていた白い物体を見る。僕は首を傾げながらその白い物体を見る。それはディッシュで作られたてるてる坊主だ。ちゃんとくニコニコ笑顔が書いてある。


「てるてる坊主・・・。」

「・・・これで雨も止む。」


 そんな子供染みたスパナを見て、僕はつい笑みが浮ぶ。本当に幼い子供のようだ。

 それでも、使い方が間違ってる。恐らくそれは、今日作ったのだろう。てるてる坊主は次の日の天気を晴れにするのであって、これからの天気を晴れにする訳ではない。

 それに、てるてる坊主は十字架などと違い、手に持って、お祈りをするのではない。軒先に飾るのだ。まぁ、首が攣ってる様で見れた物じゃないが;

 スパナを置いて部屋に戻る訳にはいかない。僕はスパナの隣で腰を降ろす。そして窓の先を見る。


 ザーーーッ


 雨は音を立てて振り続ける。


「・・・・雨、止まないな。」

「そりゃぁそうだろうな。てれてれ坊主は悪まで、まじないみたいなものだからね。」


 まじないは人を安心させる・・・信教のようなモノだ。したからって、絶対に報われるとは限らない。

 スパナはてれてれ坊主を遠ざけ、見る。


「雨にならないから、首を切ろうか?」

「え?いやいや、駄目だから!」


 確か、聞いた事ある。てれてれ坊主の歌の三番歌詞に、雨が降ったら首をちょん切るって!でも、それは駄目だ。そのてれてれ坊主は何の罪も無い。本来は明日、晴れにする為だからね。

 スパナは僕の否定を聞くと、ムスッとし、窓を見る。怒ったのだろう。それでも、少し経てば機嫌が直る。そう思った。

 だから僕も窓を見つめる。


 ザーーーッ


 雨の歌が子守唄かの様だ。ウトウトし始めるが、頑張って頭を左右に振る。此処で寝たら駄目だ。

 そう思ったとき、肩に何かが乗っかる。それはスパナの頭。スパナは目を瞑っていた。


「・・・スパナ?」

「・・・んー、眠い。」

「・・・肩・・・貸すよ。」

「・・・・ありがとう。」


 そう言い、少し経つとスパナの規則正しい寝息が聞こえてくる。

 誰も来ず、雨の音だけが響き渡る。


 僕はつい、眠ってしまった。




「正一。正一。」


 僕はスパナの声に、揺すりに目をゆっくりと開ける。茜色の光が射していた。夕焼け?てか僕、寝ッ転がってしまったのか・・・。僕はそう思いながら目を擦りながら上半身を起こす。

 気付けば、さっきまで降っていた雨の音が聞こえない。


「・・・晴れた、のか?」

「うん。こいつのおかげてな。」


 そう言うとてるてる坊主を左頬に当てる。効いたのかー。首を切られたくないから晴れさせたのか・・・なんで、キャラに無い事を思っているなんでな。僕はそう思いながら笑みを浮かべる。


「正一、夕日。」

「そうだな。」


 夕日が僕とスパナを紅く照らす。


「スパナの髪、オレンジ色だ。」

「正一は真っ赤だな。」


 そう言うと僕とスパナは笑った。


 君と見る夕日は酷く綺麗だった。


「スパナ。」


 僕はそう言うと額を隠すスパナの前髪を指で退かし、露になった額にキスをする。


「夕日よりも、美しいよ。」


 そう言えばスパナは夕日に負けないように頬を紅く染める。


「くさいよ。台詞。」

「ごめん;」


 別に良いよ、スパナはそう言うと倒れ込むように僕の胸に飛び込み、抱きつく。僕はつい目を見開いてしまった。まさか、スパナがこんな行動をするとは・・・。


「今日のデート・・・楽しかった。」

「デートは行ってないよ?」

「・・・正一と一緒に居るだけで、デートだよ。」


 一緒に居るだけでデート・・・か。デートの意味合いを間違ってる気がするけど、それでも、そんな事を言うスパナは可愛い。僕はスパナの背に手を回す。


「僕も、楽しかったよ。」


 寝ていただけなんだけどね・・・。それでも、君の寝顔とか、可愛くて、愛しかった。


「まだ、デートをしようね。」


 今度は外で。笑顔を交し合おうか。


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@良い訳@リクエスト内容⇒『白スパor正スパ』

 遅れてスイマセン><そして、ぐだぐだでキャラ崩壊話でスイマセン!(ド殴:本当だ!)てれてれ坊主を信じてるスパナさんとか可愛いなーとは思いましたが、上手く書けずorz
 気に入らなかったら申しててください。
 色々とスイマセン。失礼します。平成20年10月8日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様