何処が、良いだろうな?


 私はお前と一緒に居たいのだ。


 ずっと話して。


 ずっと触れ合って。


 それなのに、私とお前の間に障害が多くある。




 何処が良いんだろうな?



【A Place】



 東方。中央と比べて田舎の町。それでも人口が多く、テロが多い。東方軍本部。此処に私が居る。

 私は焔の錬金術師、ロイ・マスタング。位は大佐。イケメンの分類に入り、しかも優秀・・・。そんな私は、女性がつきない・・・。

 そんな私には一般的に知らされていないが、恋人が居る。恋人だからって、女性ではない。野郎だ。皮肉も私は、士官学校で彼を見た時、一目惚れをした訳だが・・・彼がこれまた、かなりのツンテレでな・・・私も一苦労だ。


 “軍内、外では恋人としてしないでくださいよ。”


 “うわーウザッ。今すぐ溺死してくださいよ。”


・ ・・今思えば、ツンだけかもしれないな。それでも、私は彼を愛している。

彼、ジャン・ハボックを。ハボックは少尉だ。遊撃者。実戦の腕はかなり優秀。

書類仕事などでは・・・最近ではなかなか優秀にはなってきたな。


「大佐―。」

「何かね。少尉。」

「さっきから五月蝿いです。何、自己紹介を言ってるんスか?てか、誰に言ってるんスか?」


 ブレタ少尉が棒読みで言う。此処は私の仕事場、大部屋だ。今はハボック以外居ない。ハボックは隊の訓練に行っている。また20代と言うのに、隊長だ。若いからって、嫌われてる訳ではない。

 ハボックは自前の明るさと人懐っこさで部下に信頼がある。

 ただ、それはそれで良いが・・・ハボックは野郎にモテる傾向がある。私はそれが心配なのだ。もしもハボックが私以外の野郎にやられ・・・やられ―――


「ぬおおっ!!ハボック!!」


 バンバンッ


「五月蝿いです。黙って仕事をしてください。」


 リザ・ホークアイ中尉は容赦なく私の周りを撃つ。ハラハラと髪が数本落ちる。下手すれば死んでいた所だ・・・。

 それより、ハボック少尉が!仕事なんでしてる時ではない。私のハボック少尉がもしもあの下衆野郎達に襲われたら・・・考えただけで冷や汗が止まらない。

 私は立ち上がり行こうとした。中尉が私に近づき、(仕事をしろっ!!)アックスボンバーをする。

 そして今、私は痛みに耐えながら自分の席で机に突っ伏しながら書類にサインをしている。

 中尉は暴力的だ・・・。


 その時、扉が開けられた。入ってきたのはヤマブキ色をした髪と紺碧色の瞳を持つ男性、ジャン・ハボック少尉だ。私はスクッと立ち上がり、ハボック少尉に向かう。

 さぁ、抱きつく準備は出来ている!さぁ、今から胸に飛び込むからな!そしてハボック少尉と私の間に少尉が入ってきた。(大佐が飛び込むんですか!)アッパーをする。腹にグリーンヒット・・・ぐはっ。

 そして私はまた机の上で突っ伏す。


「大佐―大丈夫スか?」

「う、うむ・・・大丈夫・・・だ・・・。」


 私は痛む腹を抱えながらハボックを見上げる。ハボックは心配そうな顔はせず、タバコを蒸かしている。コイツは・・・本当に私の恋人なのか?

 私はそう思い、立ち上がる。そしてハボックのタバコを取り上げた。


「罰だ。」

「何のスか?」

「恋人である私を無視した罰だ。」


 私はそう言うと、タバコを自分の口に運ぶ。ハボックは露骨に眉間に皺を寄せる。


「何だ?その顔は!」

「いや、ウザイなーと思いまして・・・。」

「私たちは恋人だろ!」

「恋人?何時の間に恋人のポジションに居ました?うわーメチャ引くんスけどー」

「え、えぇ?!」


 待て待て!私とハボックが付き合っていたのは全部、私の妄想だと言うのか?!いや、恋人なのは真実だからな!断じて妄想ではない!本当だからな!

 ハボックは新しいタバコを取り出そうとしている。タバコの箱を持つ手の上に手を置く。


「恋人だろ?」

「そうでしだっけ?」

「否定出来ないようにしてやろうか?」

「出来ないと思いますけどねー。」

「私をナメないで欲しいな。」


 私はそう言うとハボックの顔に近づく、その口に口をくっ付ける。タバコの臭いが微かにした。離れれば、頬を紅く染める我が恋人の姿がある。

 ハボックは腕の裾で口を拭う。


「これでも、恋人じゃないと言うか?」

「・・・アンタは場所を選びませんよね。」

「まぁな。恋人として認めてくれるか?」


 私はクスッと笑いながら聞く。


 仕事なんで知らない。


 私はただお前と一緒に居たいだけなんだ。



「わざわざ確かめないとイケナイほど、俺を信じてくれないんスか?」


 私はつい目を見開いてしまった。私はそう言うつもりで言った訳ではないのだ。ただ、お前の口から聞きたかっただけなのだ。


 “愛してますよ”って。


 私は立ち上がり、ハボックを抱きしめる。



「違う。私は、お前を愛している。愛しているんだ。お前を信用してないとかじゃない。私は、自分自身に自信が無いのだ。」


 私が勝手に愛して・・・ハボックは?本当は愛してないのかもしれない。そう思うだけで、心が痛む。



「馬鹿ですね。俺も愛してますよ。そうさせたのは、アンタですよね?」


 笑い混じりに言うハボック。私はその言葉にホッとした。私のエゴじゃない。私はキュウッと抱きしめる。


 あぁ、私はハボックを愛している。


 ハボックは、私を愛している。


 このもどかしい、心の底から溢れる震えが心地良い。





「お取り込み中スイマセン。此処は職場です。仕事をしてください。」



 割って入ってきたのはリザ・ホークアイ中尉だった。

 確かに彼女の言ってることは正しい。此処は職場で、私は上司だ。此処で仕事をしないと、書類が溜まる一方だ。

 それでも・・・。


「良いところだったのに・・・。」


 これが本音だ。やってもやっても終る気配が無い書類達。正義と言う名の仮面を被るテロリスト。ハボックと一緒にいる時間が少なすぎる。

 だが、中尉にこの気持ちが届く・・・否、届いてるが、あえて無視しているのだ。そして仕事をやらそうとしているのだ。


「仕事してください。」


 それでも、引く気などない。


「えーやだ!」


 否定すれば、中尉の銃弾の嵐が降った。

 そして私は机に突っ伏しながらサインをした。


「ハボック〜私を愛しているか?」

「さぁ、どうですかね。」

「えー。」


 場所など関係ない。でも、やっぱし、誰も邪魔しない場所が良い。


 そう思った。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『ロイハボで大部屋で甘々』

 全然甘々じゃないですね!スイマセン><でも、久々のテレハボックさんが書けて幸せでしたwそして中尉が最強の人に・・・。中尉は最強です☆
 気に入りませんでしたら、申しててください。
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年10月25日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様