楽しい。


 コイツが怒る姿が。


 コイツは滅多に怒らないから、より楽しい。


 今日は何をしようか?



【Make Fun Of】



 此処は黒の教団本部の食堂。

 俺は基本、食事は部屋でするのだが俺の恋人のリーバーは此処で食べるのが好きらしい。俺は仕方なく食堂に来て、一緒に食べることにした。そうしないとコイツと一緒に居る時間は少ないからな。机の上には高級ステーキに高級酒が並んでいる。

 なのにリーバーは気まずそうにソッポを向き、炭酸水をストローで飲んでやがる。


「何か不満か?」

「不満で言うか・・・この状況下に耐え切れないだけです。」

「お前が食堂が良いと言ったんだろ?食堂貸切は出来ないからな。」

「んなの分かってます。だからって、机一つ貸切にする事は無いですよね?しかも、こんだけ高級料理・・・今梅干にハマってるのに・・・。」

「お前のハマってる料理など知らん。それ以前に、梅干は料理じゃねぇからな?」


 俺は高級肉を口に含む。今の状況は一番端の机を貸切にし、高級ステーキやら酒やらが乗っている状態だ。野郎共が俺とリーバーを見ているが、見たい奴は見てれば良い。

 俺はタバコに火を付けた。そして吐き出す。リーバーはタバコ嫌いだからだろう、眉間にしわを寄せる。


「クロス元帥、タバコ消してください。油に引火したらどうするんスか?」

「何処に引火するんだよ。」


 肉の脂にでも引火するってか?はっ、なわけないだろ?確かに質が良い油だが引火するほどじゃない。大体、どういう状態だ?インテリって奴は屁理屈を言い出す。それは仮説で、それから本番に行くだろう。

 まぁ、今の発言は仮説にも満たないだろうけどな。

 リーバーはムスッとしたまま高級肉ステーキを手馴れないナイフさばきで切る。こいつは仕事のやりすぎて、こう言うマナーは慣れてないのだろう。コイツのハマる料理もナイフを使うのは無い。

 俺は笑みを浮べ、タバコでリーバーのおどおどしい手を指す。


「何だ?ナイフの一つも操れないのか?教えてやろうか?」

「っ。要りません!」


 リーバーはムスッとしながら応えると、ナイフをのこぎりの様に動かす。コイツは・・・全然なってない;こりゃぁ、料理も出来ないだろう。

 しかし、我が恋人だからこそ、これくらい普通に出来て欲しい。


「見ていて苛つく。お前は26にして未だに使えないのか?餓鬼か。」

「うっ;んな事言わないでくださいよ。高級レストランとか行った事無いんですから;此処でも、マナーとか気にしないですし。ましてやステーキなんで・・・何時振りですかねー。」

「単刀直入に言おう。食生活変えろ。」


 俺はそう言うとタバコを灰皿に押し付け、立ち上がる。そしてリーバーの後ろに行き、リーバーの両手を掴む。


「教えてやるよ。」


 俺はそう言うとリーバーの手を操り、肉を切っていく。


「ナイフは傾ける。そう。力をあんまり入れるな。そこはフォークで押さえて。」


 俺は指導をする。そして数枚切り終り、手を離す。


「一人でやってみろ。」

「は、はい。」


 リーバーは返事をすると俺がやってみたように肉を切る。優雅、とはいえないがそれなりに切れるようになった。


「何だ?そんなに嬉しいのか?手に触れて。」


 俺は笑みを浮かべながらそう言う。リーバーはムスッとしながら俺を睨む。だが、その頬や目の周りはほんのりと赤い。恥かしさから・・・あるいは、違う理由からか。


「どうしたんだ?」


 俺は笑みに意地悪さを含ませる。


「アンタはずるいですよね。こんなに密着して、何も感じなくて。」


 リーバーはそれだけ言うと、分けた肉を食べる。


 何も感じない?


 そう思うなら、お前はまた俺を知らない。

「そう思うなら、勝手に思ってろ。」


 俺はそう言うとリーバーの手を掴み、肉が刺さったフォークを俺の口に運ばせる。リーバーの耳元で吐息の様に呟く。



「今度、ベットのマナーを教えてやるよ。」


「ちょっ、クロス元帥、何言っているんスか!」


 リーバーの頬や耳はより一層紅く染まる。


 怒りから?


 恥かしさから?


 嬉しさから?



「じゃ、また今度な。」


 俺はそう言うとリーバーに背を向け、食堂から出口に向かう。リーバーは振り向く。


「今度もっと、しょ・く・じ、のマナーを教えてくださいよ。」

「何でお前の非常識を直さないといけないんだ?めんどくさい。」


 俺はそう言う去る。


 コイツをからかうと楽しい。


 生真面目なコイツを、な。


 生真面目の部分を奪い去れば、何があるか・・・。


 結論など出ない。


 そんな所も好きなんだけどな。



「アイツには色々とマナーを教え込まないとな。」


 アイツの優しさに誰かが付け込む前に、な。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『クロリバでクロス元帥にからかわれる班長』

 スイマセンスイマセン><全然なってませんよねorz甘くもないし・・・本当にスイマセン><未だに、からかい、の定理が分かってないらしいです!(ド殴)班長はテーブルマナーが苦手だったら良いなーとか・・・てか、自分も苦手です。いつも皆よりも食べるのが遅かったですorz(殴:知るか!)
 気に入らなかったら申しててください。
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年10月26日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様