久々の東方司令部。俺は心跳ねる気分でロイ達が居る扉を開けた。

 だがいつもの、のほほ〜んとした空気は無かった。何故だろうか、そう思ったとき、罵声が聞こえた。


「だぁーれぇーがぁーウルトラドチビだぁぁっ!!!」


 俺は大部屋の奥をソッと覗き込む。そこには、ピン、と立っている金糸のアンテナが見えた。

 エドワード・エルリック。エドを必死に止めている、鎧のアルも居る。

 どうやら、帰ってきたらしい。あの兄弟が。

 俺はつい、ククッ、と笑ってしまう。


「今回は色々と楽しそうだな♪」



【It Make Fun Of Lover】



 エドは膨れ面でソファーに座り、出されたコーヒーをズズッと飲む。本当に可愛いねー。ジャン程じゃないけど。ジャンは世界一可愛い奴だvV

 と、それは置いといて、俺は持っていたコーヒーを置く。


「珍しいな。エドが此処に寄るなんで。」

「銀行の金を止められてな。仕方なく来たんだ。」


 そう言うとエドはロイをキッと睨む。ロイは動揺せず、綺麗な笑みを浮かべながらエドを見下ろした。


「そうしないと、お前は此処に来ないだろ?」

「当たり前だ。誰が大佐の所に来るかよ!」

「もう、兄さんだったら;」


 アルはエドの言葉に、必死にロイに謝る。ロイは笑みを浮かべたまま、大丈夫だ、と言う。本当にコイツらは可愛いなー。ジャン程じゃないけど。


「大佐は容赦ないスからね。」


 そう言って、資料を持って入ってきたのは俺の恋人、ジャン・ハボックだった。ハボックは周りに気付かれないように、俺に向け緩んだ笑みを向けた。その笑顔も5秒経つ前に仕事の顔になる。

 変わらないジャンを見て、俺は安堵の息を漏らす。

 その時、そんな数秒のやり取りを見ていたエドが口を開く。



「そう言えば、中佐と少尉って付き合ってるんだよな?」


 その言葉に俺は目を見開き、エドを見た。エドは膨れ面のまま俺とジャンを見る。


「見てれば分るよ。ねぇ、お互い何処が好きなの?」

「おおっ、それは私も是非とも聞きたいな。」

「なっ!」


 お互いの好きな所ねー。言えば、間違い無くキリが無いだろう。エドも暇潰しに聞くだけだろう。今は書類待ちで、暇だ。中尉も暇潰しにジャンを出しただろうしな。

 ジャンは両手を振り、拒否をする。


「大将、大佐勘弁してくださいよ。俺はまた仕事中ですから。」

「えー良いじゃん!な、アル!」

「え、何で僕に振るのさ!・・・でも、何となく聞きたい気も・・・。」

「アルに言われると、言わないと駄目だよなvVジャンvV」

「・・・中佐・・・。」


 最後の頼りだった俺やアルに言われればジャンでも嫌でも言わなければならないだろう。

 ジャンは諦めの溜息を吐く。本当に可愛いなvVジャンは。エドは笑みを浮かべながらカッツボーズをする。


「えーっと、何だっけ?中佐の好きな所?」

「そう!」


 ジャンは目線を上に向けながら、考える。その頬や顔は淡々紅く染まっていく。それだけでも、愛らしい。


「優しいところ、とか?」

「えー以外に普通だなー。」

「でも、確かに中佐優しいですからね!」


 批判するエドにアルがフォローをする。


「まぁ、俺が優しいのはジャン限定だけどな。」

「ヒューズ、普通はそこは否定するもんだぞ?」


 ロイは苦笑交じりにそう言う。俺はオーバーに肩を竦める。

 エドの目線は気付けば、ジャンから俺に移っていた。俺はニヤッと笑みを浮かべる。


「何?聞きたいわけ?」

「勿論!少尉は勇気を絞って言ったぜ?」


 エドはどうやら、俺が恥かしがって言わないと思ったらしい。フフッ、またまた甘いな。俺はソファーに背を預け、余裕のある笑みを浮かべた。


「ジャンの好きな所は、仕事上では見せない、本当の笑みを俺に見せくれる所だな。後、料理もあんまし作れないけど俺の為に作ってくれる所かな。後、頬や耳が紅く染まる顔とかも良いなー。意外に恥ずかしなりやな所も―――」


「もう、良いでしょ!」


 ジャンは顔を真っ赤にしながらそう言う。これはかなり恥かしいプレーだな。自分の良い所を言われる事など少ないから、大切な人に言われたら、かなり恥かしいだろう。

 俺はそう思いながらエドを見ると、ニヤニヤと笑みを浮かべながらジャンを見上げる。本当に、ガキのくせに悪趣味な奴だな。


「でも、やっぱし、ジャンの全てが好きだな。順位が付けられない程に、な。」


 俺はそう言うと真後ろに立つ、ジャンの腕を掴み、俺の方に引っ張る。ジャンは体を押さえるため、両手をソファーにつく。俺は近づいたジャンの唇に触れるだけのキスをする。見せびらかすように、前の三人に見れる様にキスをした。

 離した時には、皆顔を紅潮させていた。ジャンなんで、茹でたこの様だった。沈黙が続き、ジャンはようやく、言葉を出す、と言う選択肢が出てくる。


「ちょっ、中佐何やってるんスか!」

「別に良いだろ?ずっと会えなかったんだから。」


 俺とジャンは遠距離恋愛だ。だから滅多に会えない。それにこいつ等に、ジャンは俺のだ、と示したかったのだ。

 ジャンは無自覚だから困る。ジャンはとても可愛いから、襲われる可能性があるんだ。


「だからって!」

「いやーヒューズ、お前もやるようになったな。」


 ロイは呆気に取られながらそう言うと、何故か拍手をする。エドとアルもつられて拍手をする。

 俺は何故か鼻が高くなる感覚がした。


「何拍手してるんスか!」

「いやー結婚出来る勢いだなーと思って。」

「なっ!そこまでは!」

「ん?そこまでイケナイほど、俺の事が好きじゃないのか?」


 俺は笑みをしまい、そう言うとジャンの顔を見上げる。ジャンは言おうとしていた言葉を喉に詰まらす。その顔は戦場で死体を見た時の様に歪んでいた。


「そ、そんな事はないですけど・・・。」

「なら、このまま結婚しようかvV」

「男同士は結婚できませんから!!」


 ジャンはそう言うと俺は不適に笑みを浮かべながら、冗談だよ、と呟く。本当にこの国の条約を恨む。結婚できるなら、今すぐでも婚約届けを出したい。


「しかし、本当にラブラブだな。」

「とても感動しました!」


 エドとアルの言葉にジャンは複雑な笑みを浮かべる。その言葉、喜んで良いのか、悪いのか・・・。だから俺が変わり言った。


「結婚式は、ジャンに手を出さなかったら呼んでやるよ。」

「手出せねぇよ!」

「だから、結婚出来ないんですって!」


 そんなやり取りに、皆笑った。


 知ってるよ。



 それに、結婚しなくでもこの絆は切れないだろ?




「あぁ、結婚出来る条約があればなー。」

「ははっ、大佐が大総統になったら、そんな法律作るだろ?」

「あぁ、作ってやるよ。だから、私の忠実なる狗になれ。」

「それは嬉しいが、言い方がムカつくな。」


 広い部屋、温かい笑い声が響いた。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『エドとアルとヒュハボ』

 本当にスイマセン><全然アルさんが出てませんねorz(ド殴)中佐はエドさんも可愛いと思ってるけど、ハボックさんその方が可愛いと思ってると良いなーとか。密かに真っ当なロイさんが出てるのは内緒の話ですw(殴)
 改めてリクエスト有難うございますw
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年11月17日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様