【悪魔でも天使でも無い者】
Side:Masu Hughes
俺、マース・ヒューズは久々に東方へ来た。
皆の変わらない顔を見て安堵しながら資料室に閉じこもる。
そしてあっと言う間に定時の時間になる。
俺は大部屋に行くと仕事を終えた俺の愛しい愛しい恋人、ジャン・ハボックは帰りの準備をしていた。
まぁ、恋人だって言っても付き合い始めてまだそんなに経たない。
実際にハボックと恋人になって東方に来たのは片手で数えるぐらいしか無い。
俺は準備をするハボックを待つ。
「お待たせしました。それでは護衛致します。」
「おう。頼む。」
そんな会話が飛び交う。
周りはそんなウソくさい俺とハボックの演技を見てクスクスッと笑う。
俺とハボックはそんな大部屋を後にし肩を並べて黙って廊下を歩く。
そんな時、前の曲がり角から二人飛び出してきた。
その二人はハボックの昔からの友人のハイマンス・ブレタ少尉とハボックが率いている隊の副官―その時は分からなかったけど―だった。
「ん?どうしたんだ?」
「隊長、少し時間を割いてくれませんか?実は前に起きた事件についてで聞きたい事があるんです。」
そう言われるとハボックは俺の方をチラリと見る。
いや、仕事の話だから仕方ないって。だから話せ。俺は待っている。
そんな事を言おうとした時にブレタが
「ヒューズ中佐。少し話があるんですが、宜しいですか。」
「おう良いぜ・・。」
「あっ!!」
「ん?どうした?」
ハボックが急に声を出す。
俺はビックリしてハボックの方を見る。
ハボックは何かを思い出したように口を開けばなしにしている。そんでもって顔が密かに青くなっている。
ハボックは頭を下げる。そして下げながら
「ごめん!今日、お前と飲みに行く約束忘れてた!」
飲みに・・ねぇ・・いや、俺は別にハボックと居なくでも良いんだが・・。
いや、そりゃ一緒に居たいけどさ。やっばし友達は大切にしないと駄目だしな。
「良いよハボック少尉。ブレタ少尉と一緒に飲みに行けよ。約束してたんだろ。」
「で・・・でも・・。」
「大丈夫。護衛ならいらねぇから。」
ハボックはションボリと下を向く。
いや、今この俺とハボックは護衛をする側と護衛して貰っている側の関係だ。
別に断ってどうも無い。どうせ俺がハボックの家で待ってれば良いだけだ。
「いえ。良いんです。飲みに行くのは何時でも出来るので。」
「しかしたが・・」
「本当に気にしないでぐださい。それより話ですが・・此処ではちょっと・・。」
そう言ってブレタ少尉は俺の腕を掴みさっき歩いた道を少し戻った所にある曲がり角に行く。
勿論ハボックはあそこにいるまま。きっと副官の質問を聞いているのだろう。
しかし・・・ブレタ少尉が俺に話?一体何だ?
ブレタ少尉は周りを見渡した後に
「非常に言い憎いんですが・・・ヒューズ中佐はこれからハボック少尉とお食事に行くんでしょうか?」
非常に小さな声で言う。
まぁ確かに聞かれじゃ不味い事だよな。
きっとあの副官は俺とハボックの関係を知らない訳だし。
「いや、別にそんな予定は無かったな。多分、家に帰ってハボックの手料理を食べる予定だとは思うけどな。」
確か前に電話で『安かったんで卵をいっばい買いました。』と言っていたからオムライスだろうな。ハボックが作るオムライスは好きだ。
「ハボックは食わんですかい?」
「まだそこまで行ってない。」
そりゃぁ、まだ恋人になって片手で数えるぐらいしか東方には来てない。
やっばしそう言う事には順序と言うモノがあると思う。
ブレタ少尉はつまんなそうな顔をする。
もしかして、ブレタ少尉も結構気になるのか?
確かにブレタ少尉とハボックは幼い時からの大親友とは聞いていたからな。
結構そう言うのは気になるのだろうな。
「実は飲みに行こうとした所は『owl-light』と言う飲み屋です。そこに新しく出来たメニューがありまして、それをハボックに食べさせようとしで誘ったんです。」
そう淡々と言う。
なるほどねー。新メニューか・・。
食べさせてやろうって事はハボックの好きな料理?
俺はハボックの好きな料理とか嫌いな料理とか知らんからな。
コレってブレタ少尉の助け舟?
「それでは。失礼します。」
そう言ってブレタ少尉は俺が通った道を通る。
大部屋に戻るのだろう。
俺はそんなブレタ少尉の後ろ姿を少し見た後にハボックの所へ行く。
ちょうど話が終わっていてハボックの隊の副官は俺に敬礼した後にブレタ少尉と同じ道を通る。
俺とハボックはブレタ少尉と副官が歩く方向と逆の方向を歩く。
歩きながら、『楽転』と言うお店に行こうと提案する。
Side:Heymans Breda
俺はヒューズ中佐にハボックと行く予定だった場所を教える。
その後俺は大部屋に戻ろうとしだ時に後ろからハボックの副官が来た。
そして副官は俺の少し後ろで同じ速度歩きながら
「残念でしたね。ブレタ少尉・・・最近テロやら殺人事件やら痴漢事件やらでハボック少尉と飲みに行ってなかったのに・・。」
確かに最近ハボックと行ってない。
が、別に俺は気にし出なかった。
「別に。実はな、ヒューズ中佐がコッチに来ると言う電話が大佐に来た時俺はその場に居たんだ。」
だからこうなる事を知っていた。
「ソレを知った時に俺はハボックに飲みに行く約束を取付けた。」
「・・・えっ?」
そりゃぁ驚くだろうな。『約束を取付けてから来る事を知る』のが普通だ。
なのに『知ってから約束を取り付ける』のは普通有り得ない。
だって、結構の高い確率で飲みに行くのが叶わない約束なんじゃする意味ねぇだろ?
「それじゃぁ、何で?」
「『俺が行く予定だった飲み屋の新メニューをハボックに食べさせたかった。』それをさっき中佐に言って来た。」
「はぁ・・・。」
コイツはハボックと中佐の関係を知っている。
そして、密かに男にモテるハボックを野獣から守っていたりしている。
そんなハボックの副官に言葉を続ける。
「でもな、その新メニューの料理はハボックが嫌いな料理なんだ。」
「えっ!!」
意味が分かったみたいだな。
元からコレが目的で今日と言う日にハボックと飲みに行く約束をしたんだ。
「まぁ俺は悪魔でも天使でも無い、だたの人間だからな。」
そうだたの人間だ。人を苦しめるのが好きでもねぇ。だからと言って人を幸せにするのを楽しむ訳でもねぇ。
俺は人間だ。人間は自分のためにいる。自分がこうしたい。それをやっているだけだ。
「ブレタ少尉って・・・以外とSなんですね・・。」
「それは侵害だな。」
俺はクスッと笑いながらある曲がり角当たりで止まる。
ハボックの副官はこの曲がり角を曲がった場所に配属されている。
此処でお別れだ。
「それでは私は此処で。」
「良いこと一つ教えてあげようか?」
「えっ?何でしょうか?」
「ヒューズ中佐も嫌いなんだ。新メニューの料理が。」
「・・・・本当にブレタ少尉は酷いお方ですね。」
「ハハッ・・それだったら、Sの方がまだマシだったな。」
俺はそう言うとハボックの副官に手をヒラヒラッと振る。
あぁ、今頃のヒューズ中佐の顔が目に浮かぶ。
俺は軽い足取りで大部屋に向かう。
Side:Masu Hughes
今の心境を一言で言おう。
『やられた。』
俺はブレタ少尉がハボックと行く予定だったお店にいる。
そしてブレタ少尉が食べさせたかったと言う料理を頼むが、ハボック少尉の顔が少し暗くなり言い出した言葉とは、
「言い難いんですが・・俺、この料理苦手・・て言うか・・嫌いです・・。」
そう言われた。
確かに『食べさせたい』とは言ったが別に『好きだから』とは一言も言ってない。だから騙される俺も俺だが・・。
いや正直俺もこの料理は苦手って言うか、嫌いだ。
でも、頼んだ以上残す事はできねぇ。まぁ残しでも構わないとは思うけど・・今この時、食えなくで苦しんでいる奴がいる。コレを残すのは俺の見勝手だ。
だから俺は食う事した。でもやっばし不味い・・。
俺はハボックとブレタの約束を成立させなかった。
これは罰なのか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
@言い訳@
ヒュハボ+ブレタです。ヒュハボ←ブレタでは無いです!私的には、ですが《汗》
ぶれたさん・・何か酷い人になっちゃいました《汗》そして騙されるヒューズ。
何か私のヒューズは微妙にヘタレですね《滝汗》そんなつもりは無いのに・・。
そして無駄に話が長い。
色々とスイマセン。 では失礼します。
平成19年 7月23日
背景画像提供者: