少し前まで町は赤と緑で染まっていたのに・・・たっだ2日でこんなにも変わるものなのか?
クリスマスを祝うライトは無くなり、町は新年に向けて大忙しだ。
そんな中、僕は久しぶりの休みで、スパナを無理矢理外に連れ出した。スパナは気の早い門松を見て、子供の様に突っついたり色々な角度から見ていた。
クリスマスと言う大人の雰囲気から一片。新年への浮かれた雰囲気に変わっている。僕は2日遅れのクリスマスデートをしようとした訳だが・・・出来無そうだな。
だからと言って、正月デートは早すぎな気もする。僕は大きい溜息を吐いて、門松に目を輝かす恋人を見た。また溜息が吐きたくなったが、なんとか堪えた。
【Buon Natale Shyouichi Spana】
此処は喫茶店。机の上には紅茶二つとケーキ二つ。クリスマス限定ケーキはさすがに無かった。まぁ、それでもケーキがあるだけで雰囲気は出るだろう。
「ごめんね。2日も遅れて。」
僕は既にケーキを頬張っているスパナに向かってそう言うと。スパナは手を止め、僕をジーと見つめる。少し経ち、また手を動かし始めた。
「・・・別に正一が謝る必要は無い。」
スパナは一言、そう言った。まぁ、スパナにとってクリスマスなどどうだって良いんだから、呆気なくそう言うのは当たり前だろう。逆にケーキを奢って貰えて喜んでいるだろう。
モスカを弄れる。それだけで幸せなのだから。純粋すぎて、悲しく思える・・・。僕はフォークで小さく掬ったケーキを口に入れた。うん。甘い。
「・・・あ、今ならまだあそこに小さいクリスマスツリーがあるかもしれない。」
「あーツリーか。って、何でツリーの事を知っているんだ?!」
僕はツリーの事を知らない。スパナなんで、興味が無い為、普通に知らないだろう。なのに、知っている?
「昨日、野猿と見に行った。」
スパナは素っ気無くそう言う。野猿・・・。
「二人だけ?」
「・・・否、γと太猿も居た。」
γと・・・・γ・・・・γと!?
僕は勢いのまま机を叩き、立ち上がった。コップが揺れたが、零れなかった。でも、コップの中の水は波紋をいくつも作っていた。
「・・・?正一?」
「何もされてないだろうな!」
「へ?」
あのγだ!スパナに卑劣な行為をしている可能性がある!あんな事やこんな事・・・はっ!まさか、4Pとか無いだろうな!僕のスパナがっ!!スパナは純粋な人間なんだ。純粋で、機械を見つめている。そんな男性なんだ!そんな、卑劣な行為を・・・そんなの、許されない!それでどれだけスパナが苦しんだか・・・フフッ、生き地獄を見せてやる!!あはははっ!
「・・・黒いオーラー・・・。」
そして、僕の笑い声に、店員さんが来て、止められた。なんとか強制撤去を避けれた。
僕は紅茶を一口飲み、自分自身を落ち着かせる。スパナはそんな僕を頬杖をつきながら見ていた。
「・・・ウチ、犯されていないよ。」
スパナのその一言に紅茶を噴出してしまった。スパナは、汚いな、と言いながらスパナ印のハンカチで顔を拭いた。
それは置いといて。さっきスパナはなんと言った?そんな、犯され、と言う単語を平気に!
開いた口が閉まらない僕を見てスパナは言葉を続ける。
「野猿に誘われたんだ。γと太猿と一緒にツリーを見に行くから、一緒に行こう、って。だから行っただけだ。ずっと野猿と居たから、γと二人きりにはなっていない。」
スパナの一言に僕は安堵の息を漏らす。まぁ、あのγだし、まさかスパナを犯したりはしないだろう。
「でも、迷子にはなった。」
「なっ?!迷子だと?!」
スパナが迷子?!僕が居ない間にそんな大事故が!
「でも、サンタが助けてくれた。」
スパナはほのぼのとそう答えた。昨日って、一日遅れだけど、サンタが居るのか。
「まぁ、それがγだったんだけどね。」
がんまぁぁぁぁぁぁっ!!!!サンタプレイをしようとしたのか?あぁ?!サンタプレイで、プレゼントは俺だぜ、ベイビー☆、と言うプレイか?!
「でも、トナカイの姿をした太猿も居たから大丈夫☆」
そうか・・・太猿は僕が知ってる限りあっち系じゃない。
が、しかし。
何でトナカイ?!ブラックスペルを真剣に見直すことにしよう・・・。
僕は一度深呼吸し、改めて前を向く。大丈夫。こんな純粋なスパナを犯す訳が無い。犯したら、死以上の苦しみを味あわしてやる☆
「じゃぁ、その小さいクリスマスツリーに行こうか。あー早く見たいなー。」
小さくでも、少しでもクリスマス雰囲気を感じてロマンチックで帰りたい。
そう思い僕は言った。だが、スパナはその言葉を聞いて目を見開いていた。僕はつい首を傾げてしまった。
「・・・・え、さっき見たでしょ?」
「え?見た?」
さっき?此処に来る途中にツリーらしきものは無かった・・・と、待て・・・まさか・・・・;
「家の前に小さなツリーがあったでしょ?。」
「あれは、クリスマスツリーじゃない!!門松だからねっ!!」
「お客様!他のお客様の邪魔になります!」
そして、僕は―代金は払って―追い出された。そして、スパナと一緒に門松を見つめた。
あははっ、あの馬鹿なイタリア男達が☆何で言う格好で見てるんだよ☆あと、何で迷子になるんだよ☆
僕の中で色々な突っ込みが現れては、消えた。
「・・・門松・・・何で風流な。」
スパナは身を震わせ、門松を見る。あぁ、この家の人は迷惑だろうな・・・。もう、スパナと一緒に外に出ると何故かロマンチックにならない・・・何故だろう?
ギュッ
え?
僕は手を見る。スパナが僕の手を握っていて・・・。スパナは顔が赤くなっているだろう、僕の顔を見る。
「・・・今日、クリスマスでしょ?恋人同士はこうして手を繋ぐ。」
スパナはそれだけ言うと、また門松に目を向けた。手はそのまま。僕はそれだけで快楽が走る。
スパナが!スパナが、恋人同士がする事、を自ら行った!それだけ成果だ。
僕は繋ぐ手に力を入れた。
「メリークリスマス。スパナ。」
僕はそう言うと、スパナはまた僕を見て、口端をあげた。
「メリークリスマス。正一。」
2日後のクリスマス。門松の前のデートだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
@言い訳@
あ、甘くないですね!本当にスイマセン><しかも、正一さんが壊れて?!(ド殴)これで5つ目ですが、普通にクリスマスネタが無くなってますが・・・orz
では色々とスイマセン。失礼します。平成20年12月27日
背景画像提供者: