神が人として生まれた日。


そんな日だと言う事を忘れ、町はクリスマス色に染まっていた、のは2日前の事だ。

俺はクリスマスの日、大人しく部屋に居た。クリスマスとか、宗教の日は外に出たくない。まるで、陽を嫌う吸血の様に窓を閉め切った。

クリスマスが終って、二日後。さすがに、クリスマス気分な奴は居ないだろう。



そう思っていた。



 バンッ!!



「シャマル!!メリークリスマスっ!!!」


 クラッカーから大量の細長い紙テープが俺にかかった。そして目の前に居たのは、ジャポーネから帰ってきた、沢田家光・・・。

 そうだ。コイツにとってクリスマスとかの行事はどれだけ過ぎようと、会ったその日が行事になるんだ。

 俺は頭を抱えたが家光は、悩む時間は与えない、と言うかの様に俺の部屋へ俺を引っ張り、入った。



【Buon Natale Iemitu Dr.】



 そんでもって、此処は俺の部屋。俺はげんなりしながらカップにコーヒーを入れる。勿論、俺の分だ。ソファーに呑気に座ってるアイツに入れる気など毛頭も無い。

 家光は淹れ立ての香ばしいコーヒーの臭いに気付いたのだろう、俺にも宜しく☆、と言う。だから俺は、ねぇよ。ばーか、と言ってやった。家光は、いけずー、と言った。


「じゃぁ、コーヒーは諦めるからさ、皿二つ用意してくれねぇか?」

「はっ?お前は勝手に人ン家に入り込んで命令だ?何様だよ。」

「ははっ、お前の恋人様だ。」

「死ね。」


 俺がそう言ったら家光は、ひどーい!!、と嘘泣きをしながら立ち上がり、キッチンに入り込んだ。そのまま食器棚の前に行き、皿を二枚取り、戻ろうとした。


「おい。何勝手に人の皿を持っていてるんだ?」

「えーだって、皿の上にケーキ置かないと机汚れるだろ?それとも、俺の腹の上で食べるか?てか、俺がお前を食おうか?」

「黙れ。この変態。」


 家光は、あははっ、と笑いながら結局リビングへ戻った。机の上に皿を置き、箱を開けた。


「チョコとショートどっちが良い?」

「ショート」


 そう聞かれたから、こいつが好きな方を言ってやった。だが、家光は嫌な顔一つせず、ショートを皿の上に乗せた。そこは良い。何故か二つの皿にショートで埋まった。


「じゃぁ、俺もショート食おう。」

「チョコは?」

「あ、チョコとショートを二つずつ買ってきたんだ。」


 先に言えよ、と心に突っ込んだ。口にすると色々とメンドイから。俺はコーヒーを持ったまま机へ向かった。

 白いクリームの上、赤い苺が乗っている典型的なショートケーキが皿の上にあった。家光はショートケーキの周りのビニールを外した。そしてある事に気付いた。


「あ、フォーク忘れた。」


 やはり、コイツは何処か抜けている。任務とかの時はんな事は無い―あったら今頃お星様だ。―のにプライベートだと抜ける。

 安心しきってやがる。まぁ、俺もプライベートは気を抜いてるけどな。それでも、コイツもそうだろうが、何処かで糸を張っている。

 それでも、やっぱし、コイツはその糸さえ緩んでる様だな。


「お願い取って。」

「何で俺が。」

「だって、一番キッチンに近いじゃん!」


家光はそう言うと可愛く顎の下で合わせた手を横にした。気色悪いだけだよ、と言いたかったが、先に溜息を吐いてしまった。仕方なく俺はフォークを二つ取り、戻った。

そしてフォークを家光に渡す。


「はい。」

「有難う。」


 クイ


「っ!!」


家光はフォークじゃなくで、俺の腕を掴んで、引っ張った。俺はそのまま家光の方へ倒れた。運が良いのか、悪いのか、家光の胸板に顔が当たった。俺は顔をあげる、そこには吐き気がする様な笑顔があった。


「メリークリスマス。・・・ってお前の事だからクリスマス一人で過ごしていただろ?」


 普通なら女性と一緒に過ごすのに、シャマルはそうしない。だって、今日は神様が生まれた日だから。この汚れた人間世界に生まれた日だから。

 神なんで信じてないが、何故か恐怖心が煽る。

家光は俺の体を抱きしめる。家光の鼓動が激しく聞こえる。

いつも、抱きしめる家光の鼓動は激しい。


「だからさ、今年は一緒に過ごそう、と思って。そしたら、任務が入るんだもん。」


家光は天井に向いてそう言う。


「お前は、何で俺なんだよ。」

「ははっ、だって、大切な人だからさ。大切な人とクリスマスを祝いたいと思うのは、当たり前だろ?」


家光は笑い混じりにそう言った。そしてより強く、抱きしめた。


「知ってる?クリスマスは、神様が人に生まれた日なんだってさ。」


 知ってる。知らないと思ったのか?と言い返そうと思ったが、締め付ける腕が強すぎて、苦しい。

家光は俺の頬に頬をこすり付ける。鳥肌が立つ。虫唾が走る。兎に角、良い、の言葉は出ない。


「お前は、俺の天使だな。」

「気色悪い!」


 俺は家光の腹を思い切り殴った。そしたら、もろヒットしたらしく、家光は俺を離し、今度は自分の腹を抱えた。


「酷い!シャマルちゃん酷すぎる!」

「ははっ!お前が気色悪い事を言うからだろ!」


 俺は、嘲笑う様に笑ってやった。それが、心からの笑いと言うのはあえて言わない。


「来年は・・・来年こそは一緒に祝おうな!」

「嫌だね。誰が好き転んでお前と!」


 笑い声が絶えず、響き渡った、2日後のクリスマスの日

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@言い訳@
 最初、可笑しい展開じゃない!と思ってたら、最後の最後にorz自分は比較的最後が下手なタイプですorz(ド殴:今更!)イチャイチャのおっさん二人組み☆やっぱし、大人風味です。
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年12月27日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様