味噌の香る匂い。


 豆腐や豚肉が入っている。


 それを啜れば、今日もハッピー。



【ミソシル】



 本来なら俺は昼か夜にスパナの作業場に来るのだが、任務が入ってしまい、朝になってしまった。朝だと眠ぃから眠っている。だが今は眠くない。マフィアを長年やっている俺でも連日続けば精神が狂う。

 だから眠っているであろう、スパナの寝顔を見て癒されたいのだ。うん。我ながらみみちいとは思うが、7時であのスパナが起きてる事は無いだろう。俺だっていつも寝ている時間だ。

 俺はスパナの作業場に入った途端、嗅いだ事の無い匂いがした。


「・・・γ?」


 スパナがひょっこりとモスカの裏から出てきた。手にはカップを持っていた。それは確か・・・チャワンと言うんだっけか?それを持っていた。

 と、言う事は食事中か。しかし、意外だな。スパナが起きてるとは。

 スパナはモスカから離れ、俺に近づき―――って?!


「お前・・・」

「・・・裸エプロンではない」

「見りゃ分る!てか、それだったら襲っている!」


 俺は紳士だと言う事を忘れつい叫んでしまう。いやいや、スパナの今の姿を見れば誰だってそうなる。

 今のスパナの姿はピンクのフリフリ付きのエプロン姿。何処のプリティ奥様デスカ?(←こんなγさん、γさんじゃない!(殴 )

 スパナはミスモスカが掲げるお盆にチャワンを置き、隣にある土色の液体が入った容器を取り、俺に差し出す。


「何?」

「これ、ジャポーネの伝統的料理、味噌汁。」

「ミソシル?」


 俺は首を傾げた。スパナは口端を上げ、俺にハシと一緒に渡す。ハシで土色の液体を掻き混ぜてみては上にあげた。ねぎを掬った。


「味噌汁はだしに野菜や魚類などを入れ、味噌で味付けした料理だ」

「ミソ?」

「穀物を発行さて作る日本の発酵食品だ」


 スパナは自慢げに言う。うん。スパナは無駄に凄い。本当にジャポーネが好きなんだな。こんなにベラベラ喋るって事は。


「吸ってみたら?」

「吸うって、飲むんじゃなくて?」


 話の流れ的に味噌汁だろう。そう。味噌汁だ。俺、味噌汁の話しだぞ!スパナから、ウチの体を吸ってvV、と言うわけが無いし、逆に引く。

 スパナは自慢げな笑みを浮かべたまま人差し指を上げる。


「味噌汁は、飲む、じゃなくで、吸う、と言うらしい」

「吸うねー・・・エロい言葉だな」

「γ、ジャポーネを馬鹿にするな」


 スパナは一気に無表情になり、俺を睨む。俺は苦笑いを浮かべ、はいはい、と呟く。本当に怒った顔も可愛いな。


「吸わないなら、返せ」

「吸います;」


 任務帰りで食事をする前にこっちに来たからな。お腹がかなり空いている。ミソシルが入っている容器に口を付け、飲むじゃなくで、吸う。


「・・・おいしい」

「当たり前だ。ジャポーネの料理だからな」


 俺は土色の液体を改めて見る。俺は正直ジャポーネが好きじゃなかった。ジャポーネはややこしい文化で、色々な日にちを作るし、観光客はやたらカメラを持っていたり、綺麗好きだし。

 でも、このミソシルは良い。美味しい。


「具は豆腐と豚肉を入れた。奮発した」

「豚肉か、確かにスパナにしては奮発したな」


 トウフは正直分らなかったが、まぁぶた肉は知ってるからな。俺はそう思いながらミソシルをまた飲―――じゃなくで、吸った。


「ジャポーネの朝は白いごはんと味噌汁と漬物で始まる」

「へぇー。結構豪華って言うか・・・」

「健康的だ。さすがはジャポネーゼ」


 スパナは目を輝かせながら言った。俺も正直ジャポーネを見直した。こんなにも美味しい料理があるとは・・・街中にあるタコヤキを食べた事がある。結構美味しかった。


「何処の国も一緒だけど・・・誰かと一緒に食べるのは美味しい」


 スパナは顔を紅く染めながら言った。その瞳は何処かうっとりと揺れていた。

昔は分らなかった。ずっとジッリョネロファミリーだった俺は毎日ファミリーの奴等と食べては飲んでいたから。でも、今になってそれが、幸せ、だと気付いた。

誰かと一緒に居て、一緒に食べて、それは幸せだよなー。ほのぼの家族みたいで。


「今度、野猿や太猿を呼んでみんなで食べようか」


 俺がそう提案すればスパナは俺の顔を見上げた。その顔はスパナなりの満面の笑顔になった。


「有難う」

「いえいえ」


 だって、その時は俺も幸せだから。




おまけ


「γ、味噌汁でも食べた?」

「お、良く分かったな。さすがはジャポネーゼ」

「いや、なんとなくアンタにしじゃ酒の匂いやタバコの臭いがしなかったからな」

「そりゃぁ、どういう意味だ?」

「そのままだ。・・・味噌汁かー懐かしいな・・・具は何だったんだい?」

「確か、トウフと豚肉だった」

「豚肉?!」

「(ピクッ!!)な、何だ?」

「それは味噌汁じゃない!!!誰がなんと言おうとそれは味噌汁じゃない!!」

「・・・は?」

「それはトン汁だ!豚肉の豚は『とん』とも言うんだ。豚が入ったら、トン汁になる!」

「・・・何で?スパナ言っていたぞ?だしと具を入れで味噌に味付けしたモノが味噌汁だって」

「違うんだ!それでも違うんだよ!!なんでいうか、ほら!君たちが言う、レアチーズとマルチーズの違いだ!」

「いや、マルチーズって・・・(犬だよな?)」

「とにかく、それはトン汁だ!スパナにも伝えてくれたまえ!」

「・・・わぁったよ・・・」


 γは呆れの溜息を吐く。やっぱしジャポネーゼはめんどくせぇ、と思うγであった。


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@言い訳@
 毎回ながら、ただの『味噌汁は飲むと言わずに吸うと言う』を書きたかっただけと言う(ド殴)γさんのキャラぶっ壊れ。てか、スパナさんも・・・仕方ない。その前に、何の話だ!?ただの味噌汁の説明じゃないか!!(ド殴)しかもトン汁も・・・トン汁は豚肉と大根としいたけが入ってないとトン汁じゃない!(殴:お前の考えだろ!!)
 では色々とスイマセン。失礼します。平成21年3月9日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様