今日は仕事が少なく、皆は時間通りに昼食を食べに食堂に行く。
僕も仕事が区きりが良いから、食堂へ行くために廊下を歩いていた。
僕はフッと窓の外を見た。
外には、リーバー君がしゃがみ込んでいた。
【New life】
僕は、リーバー君の側に近寄った。
たがその途中でリーバー君は僕に気付き、ひさし指を口元に当てて、
「しー。静かに来て下さい。」
そう言われた。
僕は言われた通りに、ゆっくりとリーバー君に近づいてきた。
そして、リーバー君の後ろで止まる。
「何を見ているの?」
僕は疑問に思っていた事を聞く。
リーバー君はさっきまで見ていたモノに指を差しながら僕の方を向き、
「蝶です。これから羽化するらしいので、ずっと見ていました。」
そう言うとリーバー君は指を差すのを止めて、蝶をまだ見始めた。
僕も、連なって蝶のさなぎを見る。
さなぎにはもう切れ目が出来、そこから白い羽が出ていた。
そして少しずつさなぎの切れ目が大きくなり、体が出てくる。
これは本当のついさっき、羽化が始まったのだろう。
しかし・・久しぶりだ。
何かが産まれる所を見るのは・・・。
リナリー以来だからな〜こんな生命に関わるのは。
そう考えると、人間だけじゃ無い。こんな小さな生命も産まれるんだなーっと温かな気持ちになる。
「美しいね。生命ってやぱし・・・すごいね・・。」
「そうですね。」
蝶はそんな僕たちに気付いていないのか、羽化を続けている。
「ねぇ、この蝶はこの後、何も教わらずに外に出るんだよね?」
「まぁ、そうでしょうね。俺たちが蝶の世界なんで知らないですし。」
「それって、凄い事だよね。」
僕達は誰かに教わらないと、何も出来ない。
教わって理解して、初めて自分で出来るようになる。
なのに蝶は誰に教わる事無く、この世に産まれて生きるのだ。
野性的本能なのだろう。自分で食べるモノは何かを知っている。
そしてソレを、体の一部であるストローで吸い上げ食べる。
その一連は誰に教わった訳では無いのにできる。
それは、凄い事だ。
「俺たちも持ってるんじゃぁ無いですか?『生きる』っと言う本能が。」
「うん。そうだね。でも、それは結局は硬い意思での行為じゃ無いじゃない?実際問題、人は自分で自分を殺せる。そうでしょ?」
僕がそう言うと、リーバー君は溜息を吐く。
「そんなロマンチックじゃ無い事を言わんといてください。そんな事を言ったら、全の事が否定されますよ?『人が生まれでも意味が無い』とか『その計算は間違ってないか?』とか『結局は死ぬ』とか。」
そう言われればそうかも知れない。
深く真実に近づいてはならない。
近づいたら、真実のモノが無くなるからだ。全てが偽者になる。全てが作られたモノになる。
「そうだね。」
僕は少し笑いながら言う。
どうしても生命を見ていると、そんな暗い事を考えてしまう。
ソレは誰かが亡くなると、死の行方を考えるのと一緒。
この蝶は今日始まって、終わりが来る。
リーバー君も僕も。
「ただ、今あるモノだけを見てれば良いんじゃないですか?今此処に、一つの生命がこの世界を羽ばたこうとしで頑張っている。それだけで良いんじゃ無いです?答えとしでは、コレだけで充分です。」
リーバー君は真剣な顔で言う。
でも、リーバー君の言う事は合っているかもしれない。
今の蝶に『世界を羽ばたくために羽化を頑張っている』以外に答えなんで無い。
この世は答えなんでほどんと無い。
「うん。そうだね。」
僕は笑顔で言う。
僕達はこの蝶の行方なんで分からない。
僕達がこの蝶の行方を知り、どうのこうのする気は無い。
完璧に羽化をした蝶は、濡れた体を乾かしている。
そして蝶の羽は色づき、飛び立つ。
この先、この蝶にどういう最後になるか分からない。
それでも、僕は見て行きたい。
確かにいたこの蝶の始まりを。
僕とリーバー君は
蝶が飛ぶのをただじっと眺めていた。
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@言い訳@
久々のコムリバです。
甘い?何か・・甘いの全然書けませんね・・・。甘くしようとは思っているんですが・・。
私は蝶が好きです。美しいくで儚いと言う感じで・・・でも、全てのモノが美しく儚いんですよね。
例え、それがソバカスだらけの女子制服を着たおじさんだとしでも!(←おいっ!!)
色々とスイマセン・・。
では失礼します。 平成19年 7月11日
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