世界に踏み込む者へ。
此処は立ち入り禁止だ。
なのに。
何で踏み込む?
『此処から立ち入り禁止 Proibizione di ingresso』
【世界土足禁止注意報】
いつもの様にγは任務帰りにスパナの作業場に来た。別に恋人同士と言う訳ではない。逆に恋人同士だったら吐き気がする。でも、何故か分らないがスパナは毎回の様にγを受け入れた。
それは出会いからだろう。出会いはモスカに閉じ込められたスパナをγが助けた時だ。その日からγはこの作業場に来ている。
いつもは、仕方ない、と言いスパナは受け入れている。だが、今日は違った。
「・・・γ、出て行け」
スパナは機械を弄りながら、γに背を向けながら言った。γはスパナの拒絶に眉間にしわを寄せた。
「いつもは文句一つ言わなかったのにな」
「・・・今日はウチ、機嫌が悪い」
「何で?」
「・・・」
スパナは言葉に詰まる。それが手に連動してしまい、作業をする手が止まった。聞こえる音は換気扇が回る音だけになった。
γはスパナの言葉を気ままに待った。スパナは機嫌差が激しいのを知っていたし、喋るのを苦手としている。言葉のチョイスに時間がかかる。
かかる割りにはその場に合ってないのがほどんとだが・・・。
「・・・機嫌が悪い事を他人に言う必要は無い」
「そうだな」
珍しく話しの流れに合った会話にγはつい笑みを浮かべてしまった。スパナはγとそれなりに会話をしているが、本当に興味がある事しか話さない。
スパナはγの方へ振り向いた。γは目をゆっくりと見開く。
「出て行ってくれ。電光のγ」
スパナの右頬に痛々しいほど晴れていた。それはかなり時間が経っているのだろう、青くなっていた。
「殴られたのか?」
「アンタには関係ない」
スパナは突き飛ばす様に言った。その声は怒鳴り声とは違う。なのに、作業場に響いた。γはその声に深く眉間にしわを寄せた。
スパナはBランクの人間だ。マフィアでは実力がある者が生き残り、それ相応の順位を得る。勿論、その順位を得ずフラフラとしている者も居る訳だが・・・。
スパナの場合キングモスカの開発により得たのだ。だが、ボックスも指輪も持っていないスパナがBランクに不満を持つ者は多い。
この傷はその輩が付けたのだ。
スパナはもう慣れていた。仲が良いのは、正一だけだ。それでも、この顔では当分正一に会えない。会えば正一の腹が痛くなるからだ。
「そうだな。関係ないな」
「・・・」
「でもよ、関係ない奴だからこそ、吐き出せるんじゃねぇのか?」
γの最後の一言にスパナは顔をあげた。γは不器用に笑顔を向けていた。
「関係ない奴だからこそ、話せば良い。不快だと思えば去るし、去ればお前だって関係ない俺に、あぁ居なくなった、しか思わないだろ?」
スパナはγの変換につい押さえた笑いを零してしまった。γはそれを咎める事をせずに一緒に笑った。
「本当に変わった奴だ」
「まぁな」
何だって、もう無くすモノを失ったのだから。もう無くすモノが無い。そう思った時、違うモノを見つけた。決して無くさない。それ。
今から気付けば、無くすモノなど最初(はな)からなかったのだ。無くなっても、思い出が残る。ただ、それに縛られていただけ。
スパナの作業場に来る度γは思った。結局考え方が違う人間に同意を求めても意味が無い。
スパナの世界とγの世界は違う。世界の激突をしても意味が無い。世界で重なり合う所だけ見つければ良い。あるいは―――
「大丈夫。俺は口が硬いからな」
「嘘ぽいな」
共有する世界を作る。
世界に踏み込みやしない。それこそが幸せなのだから。
「γ」
この空間は二人だけのモノ。気付けば。
「有難う」
スパナは出来る限りの笑顔で言った。青い頬をした痛々しい顔なのに、輝きがあった。
関係ない関係。いつか離れでも、関係ないと言って切り離せば良い。でも、そんなの不可能だ。
関係ない関係、でもスパナとγは会ってしまったのだから。
「いえいえ」
此処から先は立ち入り禁止。
でも、会員であれば可能。
今のところ二人だけ。
正一とγ
中はモスカだらけ。
それでも良いですか?
「お前は笑うと可愛いな」
「変態」
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@言い訳@
何の話?!しかも、題名が全部漢字!でも、こう言う感じのタイトルも好きだなーとか・・・結構キャグチックの題名とか良いですよね。ただ苛められスパナさんをγさんが密かに救うと言う話を書きたかったと言う・・・相変わらずですねorzしかも、またもや未満だし。γスパならず全体的に私は未満が好きですから。
本当に意味不明でスイマセンorz泥甘とか書いてみたいが、無理の様だ(ド殴)
では色々とスイマセン。失礼します。平成21年3月14日
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