気付けば、受け入れ。


 流され。


 気付けば、側に居て。


 愛され。



 なのに俺はただ、貴方を追いかける事しか出来ない。



【Side】



 此処はロイ・マスタングの部屋。ハボックはつい息を飲んでしまった。

 ハボックがロイの部屋に来たのは初めてじゃない。だが、ロイの部屋はハボックの住む部屋よりも広く、部屋の内装もどれもこれもブランド物で埋め尽くされている。

 今ハボックが座っているソファーだって上等の皮で出来ている。


「ハボック、そんな畏まるな」


 部屋の主であるロイが淹れたての紅茶と一緒に来た。ハボックは顔をあげると、女子(おなご)達がキュンvVとなる様な美男子が居た。ハボックは自然と顔が紅く染まる。

 ハボックの初々しさにロイは自然に笑みが浮かび上がる。両手を塞ぐカップを机の上に置き、ソファーの背もたれ、ハボックの両端に両手を置く。

 ロイはハボックの顔を覗き込む。ハボックはロイの顔を見れずについ下を向いてしまった。それをも面白く感じてしまいロイの口元は弧を描く。


「ジャンは可愛いな」

「〜っ!可愛いって言わんといてください!」


 ジャンは下を向いたまま叫ぶ。だが、顔がさっきよりも真っ赤に染まったハボックは、ロイを煽るだけだった。

 ロイはさっきよりも近く、吐息を感じるほどハボックの顔に近づく。


「ジャン」


 吐息交じりの声。その声にハボックはただただ顔を紅く染め上げながら、ブルブルと快楽に痺れてしまう。


 名前を呼ばれるだけで。


 吐息を感じるだけで。


 顔が紅く染まり、直視できない。こんなにも、乙女だったのだろうか?とハボックは内心自分らしくない事を考えてしまった。

 あぁ、この世の女子(おなご)達の気持ちが今、分かる・・・・・・。真っ白になって行く思考でそんな事をぼんやりと考えた。

 ロイはソファーの背もたれに腕を付け、こめかみをハボックの胸に押し付けた。ハボックはロイの行動に、ドックン、と心臓が跳ねた。跳ねた後は自分の耳にも聞こえるほどに、鼓動が激しく鳴り響いた。


「ジャン、愛している」


 ハボックの鼓動が壊れるのではないかと思うほどに激しい。


 気付けば、恋している。


 心臓が壊れそう。


 気付けば、貴方が居る。


 全てが壊れそう。


 気付けば、貴方に侵される。


 壊れたら―――


 否、これ以上言ったら完璧なる乙女だ。


 ハボックは目を瞑り、己の両手をロイの背にまわした。ロイの体がハボックに近づく。

 ハボックはゆっくりと目を開ければ、ユラユラと上がる紅茶の湯気。微かに香る紅茶の香り。そんな癒される飲み物だが、今は。

 ハボックは強く、ロイのワイシャツを握る。


 この温もりが癒しであり、全て。


 気付けば貴方が居る。


 でも。


 俺は何もしていない。


 ずっと追いつこうと手を伸ばしている。


(こんなにも愛しているのに・・・)


 なんで届かないのかな?


「ジャン 愛している」


 それが呪文の様になり響く。いつになったら、追いつき、交わるんですかね。


 ねぇ、ロイ。

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@言い訳@
 鋼復興しようと微かに思ってますが・・・無理ぽい(ド殴)何も考えずに打ったら、何だろう、この微妙な話は!シリアスですかね?こんな話ばっかしです。乙女ハボさん・・・うん。真剣のカップを書こうとしたら、どうしても乙女になってしまいますorz
 では色々とスイマセン。失礼します。平成21年3月20日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様