何も知らないで。 何も知らねぇで。
何も気付かなくて。 何も気付かねぇで。
それが苦しい。 それが苦しいんだよ。
知ってるだろうに。 知っているだろ。
でも、でもね。 でもな。
伝えられないんだ。 伝えられない。
またアンタは此処に居る。 いつになってもお前は振り向かない。
気付いてよ。 気付けよ。
―――恋焦がれている事に―――
【想い+シンクロ】
いつもの作業場。スパナが作業をしていると鋼鉄の普通よりも重い扉が開いた。
入ってきたのは電光のγ。γは扉を閉め、扉の横の壁に寄りかかる。よりかかり、スパナを見る。スパナはγに背を向け作業をしていた。
スパナはγが入ってきた事に気付いていた。だが後ろを振り向かず、モスカの細かな部品調整をしていた。
聞こえる音はスパナがモスカを調整する音だけだった。
(・・・何で言わないんだろう?) (気付いてるんだろ?)
((こんなの、居ないと同じじゃないか・・・))
スパナは持っていた器具を床に置き、γの方へ振り向いた。γは振り向いたスパナの顔を見て顔が微かながら緩んだ。
(・・・あぁ、やっぱし居るんだ) (気付いてくれた)
γは壁から離れ、スパナに近づく。スパナは飴を口の中で動かした。γはスパナの前でしゃがみ込み、スパナの頭を撫でる。スパナは頭を撫でられ、猫の様に目を細めた。
スパナの愛らしい姿にγは笑みを浮かべた。スパナは上目使いでそんなγを見て口端を少し上げた。
(・・・笑った・・・) (本当に可愛いなー)
スパナは頭を撫でるγの黒い袖を掴む。γは掴むスパナの腕を見た瞬間に、ピンク色の飴が視界いっぱいに入った。スパナが飴を差し出したのだ。
γは飴を受け取った。飴の包みを開け、口に含んだ。相変わらず甘ったるい飴だ。甘たるい飴は正直好きじゃないγ。
スパナはγにあげた飴の行方を見つめていた。飴から包みを開け、口に含む。確か甘い物が好きじゃない筈なのにいつも目の前で食べてくれる。
(飴、食べた) (飴、ゲロ甘)
二人はその後ずっと飴を舐める。ちょっとした休憩時間。静かな、空間。だが二人の思考は五月蝿く鳴り響いていた。
(・・・何か喋ってよ) (何か喋れ)
(見られるの恥かしい・・・) (見ているくせに、何で喋らねぇんだ・・・)
(・・・この空気重すぎる) (静か過ぎるだろ・・・)
(何でも良いから) (どんな会話でも良いから)
((そうしないと壊れそうだ))
二人の鼓動は壊れるのではないか?と思うほどに激しい。耳に入るのは己の鼓動の音だけ。相手の鼓動など聞こえない。室温が高いだからなのか、お互いの顔はほんのりと紅く染まる。
舐める飴は次第に溶け、唾液と交じり合う。
「・・・飴、有難う」
γは絞り上げた声でそう言った。この部屋に来て初めての言葉だ。
「・・・どういたしまして」
スパナはそう言ったが声は微かに震えていた。
ぎこちない二人の会話。その声が部屋中に響き、吸い込まれた。
「・・・俺、もうそろそろ帰るな」
「・・・分った」
そう言いγはスパナに背を向け去る。
(・・・どうしよう・・・) (・・・ヤバイ・・・)
扉を閉めれば、涼しい風がγの頭も体も冷やされる。
スパナはジッと閉まった扉を見つめていた。
((本当に、どうしようも無いほどに、好きかもしれない))
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@言い訳@
未満が大好きな自分です!(ド殴)両思いです!両思いだけど、二人して言葉に出来ないと言う・・・γさんは以外に奥手だと思います!恋と愛とか、だからボスにも言ってないと思います!だと良いなー(ド殴)
では色々とスイマセン。失礼します。平成21年3月21日
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