あの禍々しい戦争から、2年・・・・・・
【年長的男人】
千年伯爵との戦争から2年後・・・俺、李桂は今黒の教団に居る。戦争から2年も経っているんだからもう黒の教団も無いだろう、と思うだろ?
でも、またイノセンスやAKUMAが残っているんだ。だから、黒の教団は動き続けているんだ。
「李桂!!」
遠くから聞こえる声。明るい茶色髪に水色の瞳を持つ男性、リーバー班長だ。俺はリーバー班長に向かう。
リーバー班長は俺の恋人だったり・・・と言うよりも、ほどんと強制です・・はい。だからってリーバー班長は俺に甘い事はない。逆にちょっと厳しい気が・・・俺に対してドSだったりする。
「考え事をしてる暇があれば、歩け!」
俺はハハッと笑う。俺とリーバー班長の腕には多くの資料を抱えている。それを倉庫に持って行くらしい。
俺はあんまし背の差が無いリーバー班長の後を付いて行く。班長と俺の年齢の差は7つで、年代が違う。それでも班長は部下に従われていて・・・だから心が若々しい。
よくいる上司と違って部下思いで、権力横暴しないで・・・とにかく素晴らしい人間って事だな。
でも、リーバー班長も良い年なんだから結婚して欲しい気持ちが・・・俺と恋人になる前に・・・子供とか、さ。欲しくないのかな?リーバー班長なら絶対に良い父親になるのになー。
リーバー班長は止まり、顔だけ振り向く。
「おい、早く歩けー今日も残業だろうがー」
「ははっ、毎日じゃないスか;」
「文句を言うな!」
リーバーはツカツカと歩き出した。俺はいそいそとリーバー班長と肩を並べる。リーバー班長ってひげを剃って、十分に睡眠を取れば俺と同い年に見えるよなー。
リーバー班長は俺の視線に気付き、眉を顰めながら俺を見る。
「何?」
「あ、いや・・・班長は結婚しないのかなーって・・・」
聞いた事がある。班長に結婚を約束した人が居るって。いつも来ている白衣のポケットに結婚指輪があるって・・・その約束した人は今どうなってるか知らない。
ただ、指輪を白衣に仕舞っているから・・・。それに、リーバー班長は律儀の人だから俺と付き合っている時点でそうなんだろうな。
リーバーはニヤけ笑う。
「何?お前俺と結婚したい訳か?」
「ぶっ!!そんな訳無いじゃないですか!!」
ヤバイ、凄い顔が熱い・・・そんな俺を見たからだろう、リーバー班長は、あははっ、と笑った。よくそんなに笑っても手に持つ紙が落ちないなー。さすがはプロだな(遠い目)
「結婚するならオランダとかかな?そこなら此処から近いし・・・でも中国と離れてるしなー」
「ちょっ、話進んでません?!」
大体男同士って結婚できませんよね?!
「ははっ、冗談だ。その前に、お前もんな冗談を言うなよ。30代のおじさんが本気にするだろうが」
あなたはまた31ですよね?俺はリーバー班長に必死に肩を並べる。リーバー班長足長いし歩くスピートが速いから肩を並べるのに必死だ。
「・・・・班長は俺以外に結婚相手とか居ないんですか?」
「んー?あー・・居たけど、相手がどっかに行った。」
「どっかって;」
リーバー班長は片膝と片手を器用に使って今持っている資料を支えるともう片方の手で白衣のポケットに手を突っ込む。
そして取り出したのは、青い宝石がついた指輪。
「不思議だよなーあれからもう、5年なんでな」
「5年って・・・」
リーバー班長は目を細め、俺を見る。その顔には痛々しいほど笑みが浮かび上がっていて・・・。
「そいつは死んだよ。死体は見てないけど、死んだってさ」
リーバー班長は何処か遠く見つめながら言った。きっと、それは触れじゃイケナイ事だったんだろうな・・・。
「あの・・・ごめんなさい・・・」
「何で謝るんだ?」
「否、だって・・・聞いちゃイケナイ事だと思って・・・」
リーバー班長はそれを聞いたらぷっと笑った。
「何?お仕置きして欲しいのか?」
「いやいや、そうじゃなくで!」
お仕置きって;お仕置き=ドSプレイ・・・絶対に嫌です!!
「ははっ、冗談だよ」
「冗談って―――」
俺が言いかけた時、リーバー班長の顔が近づいて・・・そして俺の唇に触れて・・・。
離れた。
「それに、もう終った話だからな」
そう言えばリーバー班長は俺を通り過ぎ、窓の前に立つ。手に持っていた資料を床に置き、窓を開けた。
まさか・・・
開いた窓に指輪を投げつけた。青い空に一瞬キラ〜ンと光った。
「・・・バイバイ・・・」
俺の耳にリーバー班長の小さな呟きが聞こえた。
リーバー班長は床に置く資料を手に持ち、俺の方へ振り向く。そこにはいつものリーバー班長がいた。
「ほら、もう寄り道は終わりだ!さっさと行くぞ」
「は、はい!」
歩き出したリーバー班長に俺は必死で追いかけて行った。
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@言い訳@
リバ李・・・書いてしまった!(ド殴)是非、リバ李のリーバーさんはドSで!(ド殴:知るか!)この話は、ある話と繋がる予定・・・てか、あの指輪の語り?さぁ、誰でしょう!多分分るはず・・・。
でも、その話はまた書いてません。後で書きます!
では色々とスイマセン。失礼します。平成21年3月24日
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