何で世界は争うんだろうな?
分らないで居た。
でも、何となく分る気がした。
【ライバル】
俺は久々に東方司令部へと来た。東方司令部は相変わらずの忙しさで机の上には書類の塔が出来ていた。
当たり前だ。
俺が来る時はテロやら大きな事件の時だけだからな。皆動き回っている。その中には愛しい愛しい、超愛しいハボックの姿がなかった。
きっとカレキ撤去か何かだろう。仕方ないな。そう思いながら俺は書類仕事に励んでいるロイの所へと向かう。
「よぉ、元気かぁ?ロイ?」
「お前は、この状況を見て元気そうに見えるのか?」
「見えねぇな〈キララ〜ン〉」
俺は冗談に言えばロイは青筋を浮かべながらも溜息一つ零すだけだった。こりゃぁ相当疲れてるな。
俺はニヤニヤと笑みを浮かべていると男性が一人、近づいてきた。軍人にしては小太りな男性。
「来てだんスか?」
「おう!久しぶりだな〜!ブレタ少、尉!」
俺は声を弾ませながらハイマンス・ブレタの方を叩いた。それにブレタ少尉は相変わらず膨れ面で「はぁ」と短く曖昧に答える。
ブレタは少尉はハボックと仲が良い、てか、士官学校の同級生だった。ハボックも何度も助けられたりしたらしい。ハボックも良い友達持ったな。うん。
「アンタも相変わらず暇ですね」
「暇じゃないぞ!これから20枚以上30枚以下の書類を片付けないとイケナイんだ」
「俺らよりは良いじゃないスか」
「まぁな」と俺はハッキリと返事をした。それに俺の書類の半分くらいは会議の書類だ。来たばかりの俺はそんなに仕事はない。
ブレタは不意に不気味な笑みを浮かべた。
「アンタも大変ですねー」
とブレタは溜息交じりに言う。その言葉に俺は首を傾げる。さっきは『俺らよりも書類少ないんだから良いんじゃないスか』とかなんとか言っていたのに、今度は『大変』になっていた。
ブレタは俺の事を目先だけ見上げた。
「ハボック、モテますからね〜。あっちには」
その言葉に俺は目を見開く。だけど俺は悟られない様に口元だけ笑みを浮かべるが、もう遅いだろうな。
「モテるね〜まぁ良いんじゃないか」
「軍内でファンがいっぱいですよ。特に、誰かさんと付き合い始めてからハボックの色気が上がって、余計に増えましたよ」
「ヴ;」俺は声にならぬ唸りを上げた。その『誰かさん』は『俺』の事だ。間違いない。
確かにハボックは俺と会う度、何処か色気を感じる気がする・・・何で言うんだろうな?遠距離の俺と会うのが楽しみって感じだ。あれ?色気じゃねぇな。
まぁ、そのウキウキ感が『色気』に感じたんだろうな。まぁ餓えた野郎ならそう思うのも仕方ない。
俺は「そうか」とただ認めた。鼓動が激しい。それは自分が一番知っている。だから無理矢理作った苦笑いに集中した。
「俺は―――未だに貴方を認めてませんから」
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そう。ブレタは一番愛しいハボックを取られて、俺を良い様に思っていないのだ。まぁ、その『良い様に思ってない』も『全部』じゃないけどな。
ただ『俺とハボックが付き合っている』と言う重大な事を認めなていないだけだ。それでもブレタは俺を煽るだけで、ハボックにはそんな事をしないし、別れさせよう、ともしない。
多分『邪魔』と言うよりも『じゃじゃを入れる』つもりなのだろう。だから嫉妬させようとしたり、やきもちをかけようとしたりしているのだろう。
今の様に、な。
「相変わらず色々なネタを持ってきてるな」
「増えてるのは真実ですがね」
「なるほどな。うん。まぁ、ハボックが仮に襲われる事があったら、その時は――――」
俺は今までのぎごちない笑みから、黒い笑みへと変えた。
「―――刺す」
俺はそう言いながら袖からナイフを取り出した。特注だ〈キララ〜ン〉
ブレタのゴクッという唾を飲み込む音が聞こえてきた。
「終えないですから仕事を増やさないでくださいね」
「頑張ってみるけどな」
俺は笑い混じりにそう。勿論頭の片隅では『冗談』じゃない、と言っている。まぁ、それが真実だけどな←
ブレタは歩き出しだ。そして俺の隣来た時だった。
「ハボックを大事にしてくださいよ」
と呟きが聞こえてきた。
俺はさっきまで黒い笑みじゃなく、自然に笑みを浮かべる。
傷つける訳がない。
俺の大切な、愛しい ジャン・ハボック だぞ?
俺は言葉の変わりに手を肩まで挙げて、手をゆっくりと振った。
争うのは駄目だって分かっている。
でも、こんなゆったりとした争いはちょっと楽しいかもしれない。
だって、ハボックが大切にされている事を知れるから。
それだけで満足だ。
ただ。
(『愛している』とか『好きだ』って言う輩は)
刺す!!
俺はまた黒い笑みを浮かべながら資料室へと向かった。
@オマケ(なんかどーでも良い話なので)@
ハボ「あー腰がイテー」
ブレ「やったのかぁ?」
ハボ「まぁーな。遠距離だからなのかな?来る度激しい気がする。まぁやっている以外も「危ない」っつてるのに後ろから抱きしめたりするしさー」
ブレ「うんうん。良い事だ。(あの人は煽らないと実行しなそうだからな;)ハボックも大切にしろよ」
ハボ「?お、おう・・・」
おわり!(結局オチなし)
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@言い訳@
ハボックさんは愛されてます。そしてすっかり忘れていた『ブレタさんヒューズ中佐好きじゃない説』。好きじゃないって言うか、お母さんを弟に奪われて拗ねる兄みたいな?良いですねー。ただそれを小説に書けないだけです(ド殴)
では色々とスイマセン。失礼します。平成21年6月25日
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