好きだ。


 好きだ。


 好きだ。


 愛している。


 愛している。


 愛している。



ジャン



「・・・頭が痛い」



【Teething fever】



 東方司令部の医療室の中、一番奥にある窓の近くのベットに仰向けになる人が一人いた。

 ヤマブキ色の髪に晴れ渡った空の様な瞳を持つ男性・・・ジャン・ハボック。

 ハボックはボーッと薄汚れた白い天井を見ていた。



――――好きだ。



 不意にそんな言葉を思い出し、ハボックの顔が一気に紅潮する。慌てて右を向いて大きい体を丸める。




 昨日のあれは反則だろう、そう思う。


 昨日ハボックはロイに呼び出され、大佐の仕事部屋に行った。

 正直最近テロなどはなく、重要書類もなかったから何で呼ばれたか分らないでいた。

 いや、誰も想像などつかないだろう。


『ハボック少尉』


 いつもにまして低く、何処か深刻そうに聞こえた。ハボックはその声を聞き改めて体をピンとさせた。

 それを見てロイは苦笑を浮かべた。その苦笑いの意味に気付く前にロイは口を開いたのだ。




『好きだ』




 その言葉は何処か震えていて、頼りなく感じた。

 でも確かにハボックの耳に聞こえた。

 ロイはさっきの言葉に勢いを持ったのか、今度はハッキリと力強く言った。



『愛している』



 その二つの意味は知っている筈なのに、ハボックの頭の中で中々受理できない。まるで難問の数学をしている様だった。

 ロイは「ふー」と息を吐くと改めてハボックを見上げる。そこにはいつもの『マスタング大佐』の顔があった。


『もう行っても良いぞ』





 意味が分らない。

 何であんな事を言ったのだろうか?

 分らないままだった。


 好きだ


 好きだ


 好きだ


 愛している


 愛している


 愛している


・・・どんなに言葉を呟いても全然答えが見つからない。

否、はなから分かっていたのかもしれない。

でもそれは、つまり・・・。




 大佐が・・・


『好きだ』


 俺の事を・・・


『愛している』


 ズキッ


 頭が痛む。ハボックは毛布を顔まで被った。

 こんなに頭が痛むのは士官学校で卒業試験の勉強をした時以来だ。

 それ程難しくて、疲れる。


『もう行って良いぞ』


「言うだけ言って、それで終わりなんスか・・・」


 告白するなら、もっと分りやすく言ってくださいよ。


 告白するなら、俺の気持ちを確かめてくださいよ。


 じゃないと―――


「本気になって良いんスかぁ?」



 好きだ。


 好きだ。


 好きだ。


 愛している。


 愛している。


 愛している。


 いつのまにか復唱する声が、己自身の声へと変わっていた。


 あぁやっぱし。


 相手の言葉を必死に考えるのは頭が痛む。


 今度は俺の言葉にアンタが悩んで頭を痛ませれば良い。


 ハボックは頭の痛みを堪えながらそう思った。

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@言い訳@
 何の話でしょうか?(殴:知るか!)ただ『考えすぎの知恵熱』を出すハボックさんの話を書きたかっただけです―w―(殴)意味はなかったのですが・・・。未満が好きでたまりませんね・・・自分はorz
 色々とスイマセン。失礼します。平成22年7月24日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様