晴れ渡った空。


 青い。とにかく青い空。


 そんな空から液体が零れ落ちる。


 こんな時毎回思う。


 あぁ、裏切られた・・・と。


 天気雨


 青。青。青。


 空が青で染まっていた。


「今日も良い天気スねぇー」


 そんな呑気な声が横から聞こえてきた。ヤマブキ色の髪に青空の瞳を持つ男性、ジャン・ハボックだ。

 漆黒の髪に瞳を持つロイ・マスタングは「そうだな」と言いながら上を見上げた。

 青い空が広がっている。ところところ白い雲がある。でも青い空しか見えなかった。

 ハボックは横で両手を広げた。


「こんな日は幸せな気分になるんスよねー」

「そうか」

「そうスよ!」


 そうなんだなーとロイは改めて青い空を見上げる。小鳥が二羽じゃれ合いながら飛んでいる。


「なんか今日は行ける気がするんスよねー」


 何が?そう思うが言葉に出ない。分かっているから。聞きたくないから。



「こんな日に女性を口説いたらOKしてくれそうな気がするッス!」



 ほら、な。


 ロイは目をゆっくりと瞑る。こんなにも心の臓がキュゥゥと締め付ける。

 目をゆっくりと開けた時にはロイの口元には笑みが浮ばれていた。


「相変わらずだな」


 どっちが?

 そんな己の疑問を無視してロイはハボックの少し高いむねくらを掴んだ。


「お前は俺だけを見ていれば良い」


 ハボックはゆっくりと目を見開く。


「大佐?」


 ハボックのマヌケな声にロイは喉から「クククッ」と笑った。

 むねくらを掴む手を離し、ハボックに背を向ける。

 その時何かを読み取ったのか青い空から雨がボツボツと降り始めた。


「天気雨ッスねー」

「・・・そうだな」


 上を見上げれば青い空のまま。青い空から白く雨が降り落ちるのが見える。


「それと」


 青い空を見つめているとあの青空の瞳を思い出す――――



「俺、大佐の事を愛していますから」



 その言葉にロイは勢いよく振り向く。

 ハボックは笑っていた。

 でもその目から紅く染まる頬にかけて一滴液体が流れていた。

 それは雨なのか?それとも――――


 青。青。青。

 青い空から透明な液体が落ちていく。




――――裏切られた。
          初めから私達は――――



「最初からそうなら言え」


 ハボックはムスっとして距離をより縮ませた。


「大佐こそ早く言ってくださいよー」


 雨はもう止んだ。


 青空も、その瞳も。


 ただ青空が広がっているだけ。

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@言い訳@
 同じく更新したヒュハボの【おててをつないであるきましょう】で『青空の瞳』と書いた時に思いついた話です。青空の瞳と言えば天気雨だなーと。なんかお粗末な話になりましたがorz
 では色々とスイマセン。失礼します。平成22年7月24日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様