ジャポーネは奥が深い。


 知れば知るほど未知に近づいていくのを感じる。


 そして今日、また一つ未知に近づいた。



【BLACKSPEL Love】



 日頃から意味が分らない奴だと思っていた。前だって『ジャポネーゼは最後に一つだけ食べ物を残す!』とか言っていた。

 だが、実際はそれは親しくない人達が集まった場合だった。確かにそれも微妙に考えられない事だが、でも、人見知りならイタリアの人だってする。

 とにかくもう振り回されない、そう思っていた。



 思っていたけど、なぁ。




 任務が終り、少し疲れた足取りでスパナの作業部屋に向かった。スパナはいつも通りにモスカを創っていた。それを俺はいつもの様に入口近くの壁に寄りかかって見ていた。

 今日は早く、20分で作業を止めた。そして俺の方へと向かった。珍しいこともあるのだな、そう思っていた時だった。

 スパナが俺に抱きついたのだ。しかもそれに思考が対応する前に、スパナからキスをしてきたのだ。


 スパナから、だぞ?スパナから、だぞ?!


 有り得ない。スパナからキスなど付き合ってから一度もない。いつも俺からだったし、たまにキスをスパナは嫌がるし・・・これ・・・どういう状況だ!?

 スパナはすぐに口を離す。スパナの顔は少し紅い。まさか、変な薬を飲まされたか?可能性はある・・・何だってスパナは俺の上司にあたる入江と仲が良い。

 それを妬んだホワイトスペル(絶対にプラックスペルはない。あったら俺が殺す。)がスパナに変な薬を与えたかもしれない。

 俺は慌ててスパナの両にのうでを掴んだ。


「誰にどんな薬を飲まされた!?いや、脅されたのか?とにかく許さねぇー!」

「・・・何を言っている、γ」

「だってそうだろ!スパナからキスをする訳がねぇ!」


 スパナは飴を加え、その棒を人差し指と親指で掴んだまま瞬きせずに俺を見つめている。これは対象物の観察をしている時のくせだ。

 つまり今、俺は観察されている訳だ。


「言えば、その時によるが・・・ウチからしても良い」

「・・・マジか?」


 スパナは顔を更に紅く染めて、頷いた。

 じゃぁこれからは、たまにヤる時に・・・スパナからやって貰おうかな・・・とか思ったり・・・。

 って、そう言う事じゃない!俺は慌てて首を横に振る。今はそんな淫らな事を考えてる場合じゃねぇ!


「お前からキスするなんで、どうしたんだ?」

「・・・実はジャポーネにはある文化がある事に気付いて、それを実行した」


 スパナのその言葉に俺は勢いよく落胆する。また・・か・・・;スパナは飴をモゴと移動させてから、人差し指を上げた。


「ジャポーネではBLという文化があるらしい」

「・・・BL?」

「Boys Loveの略で、男同士の恋愛の事だ」

「え、マジで!?」


 まさしく俺達の事ではないか?!ジャポーネは確か男同士の結婚を認めてない筈だ・・・なのに、何でそれがジャポーネの文化なんだ?

 俺はそれを疑問に思い、それをそのままスパナに訊いた。スパナは一つ頷いて答えを口にする。


「BL自体はジャポーネ文化じゃないんだ」

「はぁ?違うのか?じゃ何が文化なんだ?」

「一部のジャポネーゼはそのBLを愛し、それを全力で応援し、漫画や小説にしたりしている。それがいつしか文化になっている」


 ジャポネーゼすげぇ!さすがは物造りのジャポーネ!

 もはや視点が凄い・・・その視点の凄さが性能の良い機械を作るのか?っと褒めてみるが、何処かで気色悪さも感じる・・・応援って・・・。


「どう応援するんだ?」

「・・・実際は応援する事は少ない。基本的な活動はサイトや本屋にあるBLのモノを読んだり見たりしている。それじゃ満足が行かなかったら、己の想像のモノをサイトに乗せたりイペンドで売ったりするらしい」

「・・・意外に奥が深いんだな」


 もはやBLという文化は経済力を補っているんだな。

 スパナは少し満足気に頷く。


「最近ではBL好きの人が増加され、一般的に認識される様になっているらいし」

「・・・凄いな・・・漫画や小説にするって言ってたけど、まさか俺等の関係もそうなのか?」

「基本的に漫画や小説になっているのは、己が考えたオリジナルの場合があるが、ほどんとが保護されていない少年漫画などのキャラで描いているのがほどんとらしい」


・ ・・と、とりあえず、安心?(でも実際にこの話もその内の一つなのだが・・・orz)


「じゃ、俺等はBL中って事か・・・」

「そうだな。だからBLという文化をする為に漫画を描き始めた」


 そう言うとスパナはつなぎの胸元から一冊のノートを取り出した。

 おいおい、それって・・・俺はスパナからノートを奪おうとしたが、さらり避けられた。


「どうも上手く描けないからさっきキスをしてみた」

「おいおい、その漫画俺とスパナの事じゃないだろうな?」

「大丈夫だ。名前は変えてある」

「全然大丈夫じゃない!」


 ジャポネーゼ文化はんたーい!

 俺は必死にスパナからノートを奪おうとする。だが、上手く取れない。俺は気が長い訳じゃないから、スパナを押し倒してやった。

 スパナの両手首を押さえつけ、スパナの頭の上でまとめあげる。顔をクイとスパナに近づけた。


「そんなにその漫画を完成させたいなら、今からお前を襲ってやろうか?」

「・・・たまにやってると思う」

「いつも以上に激しく、痛ませてやるよ」


 お仕置き気分で、な。俺はスパナの首筋を舌で舐める。そうすればスパナはピクと体を振るわせた。少し上でノートが落ちる音がした。

 だが今それはどうでもいい。もうスイッチ入っちまった。


「これからR18指定のBLをしようぜ?」

「・・・γには繊細さがない」


 スパナは不服そうに口をへの字にしたが、すぐに口端をクイとあげた。俺は飴をスパナの口から外すと、その口にキスを――――


「スパナ、どうだい?漫画はできあが――――」


 後ろを振り向けば、出入り口に入江が青い顔をして立っていた。まさにバットタイミング・・・。

 きっと入江もそう思っているだろう。だが『さすがは』と言うべきか・・・スパナは何事もない様に入江を見上げて、これまた何事もない様に言葉を交わす。


「あ、正一。また漫画は出来上がっていない。今、体験をしてよりリアルティを追求する所だ」


 まぁ、体験だな。


「・・・そ、そうなんだ・・・が、頑張ってね」


 入江は顔を青くしたまま作業室の扉をゆっくりと閉めた。閉まる少し前に入江の顔が真っ赤になっているのが見えた。

 ヤバイ、顔が熱い・・・きっと俺も顔が紅いだろうな。

 スパナは俺の肩に手を乗せる。


「・・・やる?」


 スパナの顔は薄っすらと紅い。

 もう色々と反則だ。そう思いながらも、止める言葉を発しない自分が憎たらしく感じる。


「・・・こうなったら自棄だろうな」


 そう呟いて返事代わりにスパナとキスをした。


 その後入江と会う度に、入江は顔を真っ赤にして逃げられる。

 何処かで『入江は兄貴が好きなんだ!』という噂が立った。・・・最悪だ。

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@言い訳@
 R18ギリギリです・・・(殴)とりあえず、久々にBLぽいBLの話を書いた気がします・・・そして完璧に二人の性格が壊れてますねorz本当にスイマセン!そして、BL文化の事を書いていて、私もそのBL好きで、それは日本の全体の少数で、その中の少数で、その好き同士が会うって凄いなーと思ったり。マイナー好きですからね。γスパ少ないですからね・・・増えないかな?未来編終わった聞くし・・・無理かな(遠い目)
 では色々とスイマセン。失礼します。平成23年1月12日