寒い。なのにうっすらと汗が出る。


 揺れてる感覚がする。でも地震ではない。


 定まらない視界。


 吐き気が、咳が、関節痛が、する。

 そして、なった時に思い出す。



 バサバサッ、ドタッ!!!!


俺はウィルス―室長が作った薬は何故か除く―に掛かりやすい事に―――


「班長っ!!!」


 ウィルスは俺の体を侵す。


【Cold】


 目を覚ました時には、お約束の白い天井。毎度毎度180を余裕で越える俺を運んでくれる仲間に本気で感謝です・・・はい。

 俺はボーッしながら左手で自分に額を触る。汗でビッショリだった。自分でも何となく熱い気がした。


 あぁ、こんな時に何やってるんだろ。休む時間あった筈なのに。


 完全なる自己管理不足だ。

最近、科学班の中で風邪が流行っていた。4分の1はその風邪でぶっ倒れた。これはかなりヤバイ事だ。仕事をしなくでは、と思っていた俺まで風邪を引くとは・・・。


「最悪だー。俺。」

「本当に最悪だよ。ぶっ倒れるまで仕事をするなんでね。」

「・・・・・室長?!」


 俺は一瞬、誰か分らなかった。室長はベットの横にある椅子に座る。俺は上半身を起こそうとしたが、しなくでいい、と言われ、俺はそのまま室長を見上げる。

 室長は俺の汗ばんだ髪を優しく撫でる。風邪のせいか、室長の手が冷たくて気持ち良い。


「本当に君は、無茶ばっかしだな。」


 確かにそうかもしれない。それで図体のでかい俺を誰かが運んでいると考えれば、それは迷惑以外の何者でもない。本当に・・・俺は何やってるんだか。

 俺は室長の眼差しから目線をずらした。撫でる手が、重く、苦しかった。

 室長はそんな俺を見て、溜息を吐く。


「自分を責めないでよ。リーバー班長。別に説教は・・・してるけど、君を攻め立てているわけじゃないんだよ?」

「分かってます。それに、今回の事は俺の自己管理不足ですから。」


 俺は笑みを浮かべる。室長は眉間にしわを寄せる。凄い言いたい事が分る。俺がんな言動をしたからだろう。俺は自分を責めてる気はしないが、知らず知らずの内に自分を責めているらしい。室長の思い込みだと思うが、それでも、心配してくれるのは嬉しい。

 室長は髪を撫でていた手を頬に移す。まだ撫で始めだ。


「室長としての僕ならそう言うかもね。リーバー班長の自己管理不足だ、って。」

「っ。」


 んなの知ってますよ。室長のアンタならそういう。でも、今の室長は違うんでしょ?俺を心配して。俺の髪や頬に触ってくれる。シスコンで、変な発明で皆を巻き添えにするドラブルメーカー。それでも、黒の教団一、部下思いの、コムイさんでしょ?

 あぁ。なんだ。俺、馬鹿に室長に甘えたがっている。言って欲しいんだ。


そんな事ないよ、と。


 好きだから無理しないで欲しい、と。


 俺はこんなに、女々しかったか?と心の中で苦笑した。

俺は上半身を起こし、室長に抱きついた。

 室長は何も変わらず、頭を撫で始めた。


「でもね。コムイ・リーとしての僕は違うよ。リーバー君が風邪を引いて。自己管理がどうのこうのでは切り離さない。」

「じゃぁ、何で言うんスか?」


 汗が、頬を伝って流れる感覚がする。コムイさんの体温が熱い。

冷たいと思っていた手が、何時の間にか熱くて・・・。


「僕のリーバー君だから倒れる何で心臓に悪い、って言ってだよ。」

「誰が室長のモノなんスか。」


 熱い。


汗が噴く。


鼓動が激しい。


全てが壊れそうに。


「リーバー君は僕のだよ。誰にも渡さない。」


 俺は抱きしめる手を強める。


 風邪を引くと、心が弱くなる。


 誰かを求めたくなる。


 そして、ずっと離せなくなる。


「リーバー君、何時もより可愛いよ。」


 撫でる手は愛しい。


「可愛いで言わんといてください。」


 どっちの体の方が熱いんでしょうね?


「今更だけど、風邪、うつりますよ。」

「本当に今更だね。良いよ。別に。リーバー君のだからね。」


 きっと、二人の熱が重なっている場所が、一番熱い。

それが風邪で上手く働かない脳で導き出された結論。


 ウィルスに体を侵され、アンタの愛に心が侵される。

ウィルスはアンタの愛に―――



(落ち無しの駄目な小説だから)おまけ。


〜数日後〜


「うえーん。風邪引いちゃったよー!」

「知りません。聞いた話だと、サボって来たらしいスね。」

「別に良いじゃん。」

「良い訳ないスよ!俺ら、普通に権力横暴じゃないスか。」

「んなの知らな、へっくしゅ!!べらぼうめっ!」

「・・・オヤジ。(ボソッ)」

「ちょっと、さっき変なのが聞こえた気がするんだけど!リーバー君の口から恐い言葉が聞こえた気がするんだけど!」

「そうスか?まぁ、意味はそれぞれで。」

「それぞれって?!何?他に何の意味があるのかなー?逆に聞きたいなー。」

「・・・室長。くどいッス。てか、本当に風邪引いてるんスか?」

「(ギクッ)引いてるよ!ゲホコホッゲホゲホッ!!」

「・・・・嘘っぽい。」

「止めて!単語だけ言うの止めて!もっと文にしようよ!」

「してますよ。それに今、治ったばっかしなので、頭がボーとしてるんスよ。」

「もっと休めば良いのに〜。」

「誰かさんのせいで仕事が溜まってるんスよ。しかも、俺がその原因になってるんスよ。」

「あははっ。本当にその誰かさんは酷い人だなー。」

「アンタだよ!!」

 数日前のドキメキは何処やら・・・俺はそう思いながら溜息を吐いた。


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@良い訳@ リクエスト内容 ⇒ 『コムリバorティキリバのリーバーさん風引きのネタ』
 うふふっ・・・風邪ネタが好きです。でも、実際に書いたら・・・何だこの話・・・。シリアスにしようとしたのですが、失敗。おまえけが無駄に多く、ギャグ(?)に・・・。
 本当にスイマセン!気に食わなかったら言ってください。書き直します。
 では色々とスイマセン。失礼します。


背景画像提供者:MECHANICAL
 asagi様