「こんな薬を作る室長も室長だが・・・毎回実験体にされる班長も班長だよな・・・。」


 そう呟き科学班Bことマービンは溜息を吐き、改めてリーバーを見る。リーバーは椅子にチョコンと座り、泡と書かれたカップに入ってるコーラを飲んでいた。コーラが嬉しいのか足をブラブラしていた。マービンはそんな可愛らしいリーバーを見て胃が捻れる痛みがした。そんな痛みをさらに悪化される一言をロブが言う。


「マービン。室長と部外者Aが喧嘩してるよ。」


 そう言うとロブは大人二人を指で指す。そこには漆黒の髪に瞳を持つ男性、コムイ・リーと癖毛のある髪にコムイ同様の漆黒の瞳を持つ男性、ティキ・ミックが睨み合い、お互いの頬を抓っていた。ティキはノアの力を出せば良いと思うが・・・まぁ、殺しに黒の教団に来た訳じゃないから、使わないのだ。

 マービンはまだ胃の底から溜息を吐いた。


「俺もう、胃ガンになりそう・・・。」

「マービンの場合、胃ガンよりも肺ガンになりそうだけどね、痛っ!」

「ロブ、一言多い。」


 そう言って、まだロブの頭を叩く。それを見てリーバーはケラケラ笑う。


【Struggle】


 事件が起きたのはかれこれ20分前。リーバーはコムイに呼び出され室長室に来た。


「リーバー君vV」

「何スか?用がないなら帰りますよ《キッバリ》」

「うわー酷い!何も言って無いのにー。」

「俺の六感で分るんスよ。」

「えー。でも、リーバー君は六感が鋭くでも甘ければ意味は無いよ?」

「はぁ?痛っ!」


 コムイは言うなり軽やかにリーバーに近づき、リーバーの首筋に注射器を刺す。そして中に入っていた液体をリーバーの体内に注入した。液体を全部入れた後、コムイは注射器を抜く。


 ドックン


 その瞬間、鼓動が大きく鳴り、それが合図となりリーバーの鼓動が激しくなっていた。その鼓動につられたのか、体中が熱くなり、リーバーは自分の体を抱きしめる。リーバーの額に脂汗が滲んだ。


「あ、ああああああっ!!!」


 絶叫が急に止まったと思ったらリーバーは床に膝をつく。リーバーの顔は下を向いており、床にポタポタッと液体が落ちる。そのまま何も反応が無い。コムイは心配になり回りを見回したりリーバーの周りを見たりしていたりした。

 その時、ノアが現れた。


「よぉリーバーvV遊びに来たぜwって、お前も居たのかよ。」

「君が突然現れたのだろ?それ以前に此処は、室長、室だからね。僕が居るのは当たり前だからね。」


 コムイとティキは自然に0距離になり、火花を散らした。その時、糸が切れたようにリーバーが、泣き出した。


「うわああああっ、ヒクッ、エグッ、」


「「?!!」」


 コムイとティキはリーバーに近づき背中を擦ったり、大丈夫か?、と声をかけたりする。しかし、リーバーは大粒の涙を流すだけで何故泣いてるか言わなかった。


「お前らしくないぜ、リーバー!泣くなんて!何かされたのか?この変態に!」

「ちょっ、変態って僕の事かい?!」

「他に誰がいるんだよ!」

「僕はただ、リーバー君に精神が子供化する薬を打っただけだ!」


「・・・・・(考え中)・・・・変態どころか、人間として駄目だろっ?!」


 ようやく今のリーバーの精神が子供だと言う事に気付いたティキはリーバーの背中を撫で、時折優しく叩く。ティキは子供の扱いが非常に上手い。リーバーは落ち着いてきたのか、涙が小さくなる。


「痛い、ヒクッ、痛いの、首、痛い・・ヒクッ・・。」


 リーバーは途切れ途切れに今の状態を説明する。


 それを聞いて、ティキはマービンの所に連れて行き、手当てし、コーラを飲ませ、落ち着かせ、『お前、リーバーになんのプレーをさせてるんだよ。』『リーバー君に、コムイ兄さんvV、って言われたかったんだよ。君もそうでしょ?ティキ兄さんで言われたいでしょ?』『ティキ兄さん《キュンvV》・・・べ、別に・・・。』『嘘だ〜♪』『嘘じゃねぇよ!!』、とコムイとティキが喧嘩をして、今に至る。

「もう、頭痛い。胃痛い。肺痛い。」

「肺はタバコのせいだよね?」

「一々突っ込みしなくていいから、ロブ。」


 マービンは何回目になるか、溜息を吐く。その時、マービンの腕の裾を引っ張るものが居た。それはリーバーで泡と書かれたカップをマービンに渡した。リーバーはどうやらあんまし喋らない子供らしい。リーバーの口にはストローがある。

 もっと飲みたい、と言う事だと分った。マービンはカップを受け取り、机の上にあるコーラの入ったフラスコを手に取り、カップの中に入れた。そしてリーバーに渡した。リーバーはニコッと満足げに笑い、椅子の所へ歩いていった。


「なんか、もう、物静かな班長を見るのもストレスが溜まるなー。」


 マービンは頭をかきながら言う。その時、派手にガラス類が割れる音がした。静かに言い合いをしながら頬をつねあっていたコムイとティキは何時の間にか派手に喧嘩をしていた。勿論、ティキはノアの力を使わずに。使ったら、リーバーが悲しむのを知ってるからティキは使わない、と勝手にマービン側で思っているからだ。

 マービンにロブ、近くに居た科学班は二人の喧嘩を止めようとする。それがイケナかったのだ。

 リーバーを見てる人は居なくなり、リーバーはコーラを美味しそうに飲んでいた。その時、何処からどもなく蝶がリーバーを横切ったのである。


「ちょうちょ!」


 リーバーは泡のカップを持ちながら蝶を追いかけた。誰もリーバーに気付くものは居ない。気付いたのはあれから10分後の事だった。

 ボロボロになったコムイとティキ。未だに息を切らしながら睨み合っている二人の姿を見て、周りの科学班は溜息を吐くしか出来なかった。そんな空気を破ったのはジョニーだった。


「ああああっ!!!班長が居ないっ!!」

「「何?!」」


 その時、初めてリーバーが居ない事に気付いた。ティキは居ても立っても居られず、入口に向かった。それを止めたのは他でもない、コムイだった。


「何処に行く気かい?」

「決まってるだろ!リーバーを探しにいくんだよ!」

「何処に居るか分るのかい?」

「分らないが、探せば「無理だよ。此処は広い。それに変な所に行けば、君の正体がバレる。」っ!」


 コムイの言ってる事は正しい。しかし、リーバーは班長だとしても、今は子供。興味心で窓から飛び降りをしたり機材に挟まれたりする可能性だってある。


「此処は聞き込みをしよう。此処は広いとはいえ、子供が人気の無いところに行くとは思えない。そっちの方が効率的だ。」


 コムイの案は正しい。ティキは小さく頷いた。コムイとティキ、周りの科学班3/2(残り3/1は帰ってきたときの為に。)は聞き込みに行く。コムイとティキは二人組みになり、聞き込む。


少年A「え?リーバーさんですか?知りませんよ?夜逃げじゃないんですか?あ、今は朝ですから朝逃げですね。」


少年B「あ?知るわけ無いだろ。てか、何で此処にノアがいるんだよ。ぶった切るぞ。」


少年C「リーバー?知らないさ。何々?コムイとティキで変なプレーをした訳?3P?そりゃあ逃げるs(強制終了)」


世界一可愛い可愛い少女!(コムイ談)「え?リーバー班長?居なくなったの?私は分からないわ。でも班長なら放送で・・・え?子供化?《ニッコリ》兄さんvV何をしてるの?そんな事して。反省しなさいw」


女性A「え?班長ですか?それより室長さん大丈夫ですか?何か顔が潰れてるんですが・・・。えーっと、班長なら階段を昇って行きましたよ?」


「「本当?!!」」

女性A「《ピクゥ!!》え、ああ、はは、はい!の、昇って、昇って来まし、来ました!!」


 女性Aの証言によりコムイとティキは階段に登り、部屋を一つ一つ探した。此処のフロアは階段が一つしかない。降りた証言が無い今、このフロアに居るのは確かだった。そしてコムイがある部屋に入った。

 コムイは目を見開いた。そこには窓に両足をかけ、体の半分を窓の外に出すリーバーだった。リーバーは左手で抑えているとは言え、もう片方は窓の外。下手すれば落ちる。此処は2階3階の高さではない。数十階の高さだ。落ちれば間違いなく死ぬだろう。


「リーバー君!!!」

「!!」


 リーバーはコムイの叫び声にぴっくりし、コムイの方を振り向く。


その時だった。


窓のさんを踏んでいた片足が空に浮いた。


そのままパランスを崩し、後ろへ落ちる。


コムイは窓に向かい走り出す。窓についた時には、リーバーの姿は無かった。


コムイは窓の外に上半身を出し、下を見た。























「リーバー君は?」



「平気。無事。」




 コムイが見下ろした先には、一階分下で抱き合いながら落ちるシーンを一時停止されたように宙に浮いていたリーバーとティキの姿だった。

ティキの万物を選択できるノアの能力で空気を拒絶し、動きを止めたのだ。

 リーバーが無事だった事を聞き、コムイは安堵の息を漏らした。



 リーバーは無事だった。リーバーも反省して、尚も無口になった。そんなリーバーに科学班のメンバーは一生懸命に心を開かそうと、人形で話しかけたり、ゲームに誘ったりした。

 一生懸命科学班のメンバーがリーバーのご機嫌を取っている時、コムイとティキは、目線を合わせていた。睨み合いではない。


「有難う・・・お前が居なかったら、俺、リーバーを見つけられなかった。」

「ううん。僕も、リーバー君を救えなかった。こちらこそ、有難う。」


 そう言って二人は手を伸ばした。手を握ろうと近づけたが、数センチの所で止めた。そして少し経ち、どちらからでもなく、手をお互いに叩く。

 仲直りじゃない。和解じゃない。リーバーがどちらかを選ぶまで、この二人の関係は続く。


「リーバー君w僕の事を、コムイ兄さん、って呼んで!」

「ふざけるな!俺の事を、ティキ兄さんと呼んでくれ!」

「やばっし言われたかったんだ・・・《ニヤリ》」

「うっ!うるさい!!!」


 その後、コムイは大量の仕事をする事になったのは言うまでもないだろう。


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@良い訳@リクエスト内容⇒『室長の発明でドタバタ☆ティキとコムイでリーバーを取り合う。』

 スイマセン!!!完璧に取り合ってませんよね!きっと二人の喧嘩は主に口喧嘩ですよね!本当の喧嘩だとコムイさん一殺ですよ!でも、取り合ってませんよね・・・。
 こんな話で宜しかったでしょうか?駄目でしたら言って下さい!
         では色々とスイマセン。失礼します。平成20年7月9日


背景画像提供者:短生種の戯言 マスタァ様