今日のスパナはいつもの大人しいスパナと違った。


「飴〜。飴〜。糖分〜。」


 まるで、生血を求めるゾンビの様だった。


【Short of Sweet】


 今日は一人、ビリヤードをしていた。ゴロゴロと転がるボールが穴に落ちるのと同時に扉がノックなしに開けられた。俺は扉の方を向くと、そこにはスパナがいた。

 しかしスパナは下を向いたまま俺に近づいて来た。それが恐ろしく感じだ。いつもはこの部屋すら来ないし、来たとしても、前を向き俺をジーッと見ている。

 スパナは俺の服を握る。何かあったのか?と思い、顔を覗き込もうとした時、スパナは少し上を向き、俺を見つめた。その顔は青白く、目の下には痛々しい隈が出来ていた。そして目から頬にわたって涙を流した後があった。

 これはただ事じゃない!そう思い、俺はスパナの両肩に手を乗せた。


「何かあったのか?!」

「無い・・・。欲しい・・・。」

「何が!」

「飴無い・・・糖分!」

「・・・はい?」


 俺はついマヌケな返答をしてしまった。ちょっと待て・・・何だ?飴に糖分って!そういや、いつも銜えている飴を銜えて無いな。それでも、普通こうなるか?

 どんだけ飴に依存してるんだよ。まぁ、俺も人の事は言えないけどな・・・。酒とかタバコとか。


「・・・と言われでもなー。飴なんで持ってないし。」

「飴〜。糖分〜。」

「唱えるな。恐ぇから。」


 俺はそう言いながら周りを見渡す。と言っても、此処にはそんな幼稚な食い物がある訳がない。あるとしたら、酒かそのおつまみぐらいだ。俺は周りを見渡せば、あるモノに目が行く。

 それはジュース。最近、部下の間でカクテル作りが何故かハマってる。野郎ばっかしの基地だから、モテたいとでも思ったのだろう。カクテルに使われるジュースを俺は取る。そのジュースをコップに入れる。ジュースと言ってもアルコールが入ってるが・・・まぁ、良いや。

 俺はジュースが入ったコップをスパナに渡す。でも受け取らない。やっばし、飴とかお菓子じゃなきゃ無理か。


「飲ませて。」


 俺はスパナの言葉に目を見開いてしまった。さっき何で言った?スパナはもう一度ハッキリと言った。


「それ、飲ませて。自分で飲む気力が無い。糖分不足で。」


 待て待て!!糖分不足で飲む気力がないってどんだけだよ!もはやそれ、依存症を通り過ぎて、病気だな。いや、依存症も病気だが・・・。その内、コイツ、糖尿病でぶっ倒れるんじゃないか?まぁ、その前に俺がガンでぶっ倒れるか。

 スパナは俺の服掴んだまま俺に体重を預けていた。どうやら本当に限界らしい。こいつの糖分(てか飴?)依存症は恐ろしい・・・。もはや呼吸レベルだな。


「後悔しても責任は取らないぞ。」


 そう呟きながら俺はジュースを口に含み、スパナにキスをする。そしてスパナの口内に舌を入れ、スパナの口と開通させる。そこからジュースを流し込む。一般的に言う、口移し、だ。スパナはそれを飲むが、飲みきれず、口の端からツーと流れる。それ所か、嬌声を漏らし、頬や耳を紅く染めていた。

 俺が離れた時はさっきよりもぐっだりだった。息も少し荒い、が、さっきよりも顔色が戻った気がした。


「満足か?」

「もっと・・・もっと頂戴。」


 スパナはそう言うと俺を上目使いで見ながら、舌を犬の様に出した。本当にこの天然ロボットオタクは・・・今の自分の姿を分かってるのかねー。

 頬を紅く染めて。目を潤ませて。いつもより眉をハの字にさせて。舌から涎を垂らしで。息を荒くして。求めてくる。

 本気でその内、誰かに犯されるんじゃないのか?とも思った。

 俺はそんな危険なスパナを壊れ物を扱うように抱きしめ、頭を撫でた。


「分った。でも、その顔、絶対に俺以外の奴等に見せるなよ?」


 俺がそう言うとスパナはコクリと頷いた。俺はもう一度ジュースを口に含み、スパナとキスし、スパナの口内に流し込んだ。


 その後の展開は、俺とスパナしか知らない。


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@言い訳@
 アルコール・ニコチン依存症 × 糖分依存症 ですよ!(殴:遠まわしに言うな!)  書いてて、馬鹿だなーと思いました。大体、カクテルってジュース使うのか?ウーロン茶割りとか水割りとかあるから、あるかなーとか(殴)坦々γがランチアさん化してきたなー(遠い目)
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年7月21日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様