今日は何となく廊下を歩いていた。その時、罵声が聞こえた。それがただの罵声なら普通に通り過ぎていた。


「スパナ!!お前のせいだ!」


 自分の恋人の名が出てきたのだ。俺は罵声がする場所へ向かった。そこには知らねぇ顔の男性とスパナが向き合いながら立っていた。穏やかに話している・・・には絶対に見えないな。


「何をしている?」


 俺は二人の間に入る事に決めた。あんまし恋人が他人に苦しめられている姿は見たく無いからな。


【Valuable Person】

 俺が近づくと、男性は身を後ろに下がった。俺が電光のγだと分ったのだろうな。俺はにこやかに笑みを見せた。そんでもってスパナと言うと・・・俺の方を振り向き、いつもの無表情を向けた。


「あ、γ。」


 短くそう言う。最初あった時もスパナはそんなに俺を恐れなかった。驚きもしなかった。変わった奴。


「別にビビらなくで良いから。ただ、そんなに罵声を飛ばして、何を怒ってるのかなーと思ってな。」


 何がスパナのせいか、それが知りたかった。男性は渋々これまでの経緯を説明する。


 今日はモスカの演習があったらしい。男性の友人も参加していたが、友人が乗っていたモスカが爆発したらしい。友人は大怪我したとか。そのモスカを造ったのはスパナだったらしい。


 なるほど。だから怒っていたのか。でも、最初の感想として思ったのが、有り得ない、だった。スパナがそんな爆発するようなモスカを創る筈がない。スパナが愛情いっばいに創ったモスカだ。


「スパナ、それは本当か?」


 俺が問うとスパナは何故か、ん〜、とうねる様に考える。その返答に男性は汗が流れた。これは、情報が間違っていると言う事か?


「その説明だと、10分の5しか説明してない。」


 半分か・・・てか、真実なのか?それでも、後半分で状況は変わるだろう。


「あの時友人が乗ったモスカは、修理中のモスカだった。」

「修理中?」


 俺が問うとスパナはコクッと頷いた。こりゃぁ、思い切り状況が変わったな《黒い笑み》


「こりゃぁどうやら、否があるのはアンタの友人らしいな。」

「ヴっ!」

「もっと反論するか?」

「〜っ!」


 男性は悔しそうに下唇を噛んだ。それが面白く、クククッ、喉から笑い声を出す。


「もう良い!これからは管理を厳重にして貰いたいもんだな!」


 男性はやけくそに言うと俺らに背を向け、去る。俺は眉間にしわを寄せながら男性を見る。かない無様な去り方だな、と思った。もっと酷い言い様なら懲らしめようとも思ったが、する価値もなかった。

 スパナは俺の顔を覗き込むように見つめる。


「有難う。」

「いや、良いさ。それより、何で反論しなかった?」

「・・・・・いやなんか考える気がしなかったし、それにずっと、優しい人だなー、と思っていて。」


 俺は目を見開いてしまった。優しい人?何処が?さっきまで罵声をお前に浴びさせていた奴だぞ?そんな奴を、優しい?しまった・・・重傷にしとくべきだった・・・。


「優しい?何処が?」

「・・・・・友人を庇う所とか。」


 スパナは首を傾げながら言う。庇うねー。いや、待て、庇っていたか?さっきの話を聞いてれば、メチャクチャなクレームをスパナに押し付けていただけだった。それなのに、庇っていた、と言うのは可笑しい。


「庇っていないだろ。」

「いや、庇っていたよ。」


 スパナはそう言うとさっき男性が去っていた廊下に指を指した。俺は廊下の先を見るが、男性所か誰一人いなかった。


「あの男性は友人の最大の罪を最後まで言わなかった。」

「・・・・最大の罪?」


 俺が問うとスパナは廊下の向こうを指していた手を、飴の棒に持って行き、握った。

 そして説明をした。



 男性の友人は無断でモスカを動かしたらしい。勝手に動かした神様の罰なのか、モスカは傷ついたらしい。それでスパナの所に行き修理を頼んだ。その次の日に演習があったから、それまで頼む、と頼まれたらしいが、スパナは否定したらしい。2日まで掛かると言ったらしい。

 それから色々とあり、話がつかない内に男性の友人は去った。そして当日。スパナが仮眠を取っている間に、ラボに入り込み、モスカを勝手に起動させたらしい。

 そして演習で使い、爆発し、大怪我。



 何で言うか・・・自業自得を通り過ぎて、馬鹿だな。俺はただ呆れの溜息しか吐けなかった。


「事業自得なのに、ウチに突っ掛かって、でも、友人を低くしない。それを見て、優しい人だなー、と思ってだ。」


 なるほどな。てかコイツ、罵声の中何考えてるんだ?これはこれで異常だ。全然伝えたい事が伝わってない。ある意味男性が可哀想に感じてきた・・・。


「γもそうでしょ?」

「あ?何が?」

「ウチに何かあったら、さっきみたく助けてくれるでしょ?」


 スパナはそう言うとニコリッと笑って見せた。俺はつい目をパチクリと見開いてしまった。そう言う流れか、なるほどな。でもまぁ、そうかもしれないな。


「お前も、そうなのか?俺が下手をこいて・・・そんな時は俺を庇ってくれるのか?」

「うん。勿論。」


 そう言うとスパナは俺に抱きつく。


 でも、何故か、スパナは助けてくれなそうだなーとか思いながら噛み付くようにキスをした。


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@言い訳@
 無理矢理終らせ・・・orzスパナさんは助ける時は助けると思います!γさんは問答無用に助けると思います。まぁ、ぐだらない内容の場合は助けないと思いますが、てか、怒ると思いますーwー
 では色々とスイマセン。失礼します。


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様