『凄いわ!スパナ!』
『お前は天才だ!』
スパナは物心が付いた時からモスカを創っていた。そして、出来の良いモスカを創る度に親や同じファミリーの人は褒めてくれだ。それが嬉しくてスパナはモスカを創り続けた。
でもある日、気付いてしまった。
気付けば褒めてくれる人が周りの人だけになっていた事を。何時の間に親が居なかったのだ。
それから数日後。ジッリョネロファミリーとジェッソファミリーは合併した。
そしてスパナは、ブッラクスペルのBランクに配属になり、モスカを創ったりメンテナンスをしたり修理をしたりする事になった。
ジジッ・・・
この黒い制服を着る度、息が苦しく感じていた。
【愛して愛されての関係】
スパナの部屋が用意された。二つ。一つはプライベートの部屋。もう二つはモスカを開発する部屋。モスカを開発する時は数人がチームになり行う。しかしスパナは一人で開発している。
昔から一人でモスカを創っていたから、数人よりも一人の方が好きだったのだ。周りに合わせるのも苦手だったのだ。
そんなスパナは次々に性能の良いモスカを創り続けた。それ所かモスカのパイロットとしても優秀だった。
そんなスパナの人生を一言で言うと、孤独、だった。
小さな頃から一人、モスカを創っていた。モスカを創るのに夢中しすぎて、他の事などする暇など無かった。いや、他の事とは何か分らなかったのだ。ただ、褒められる事がモスカ創りしかなかったのだ。
そんなスパナはジャポネーゼを知った。ジャポネーゼは今は荒れているが、昔はお互いが助け合う社会を築いていた。相思相愛などの言葉があるように、お互いを愛する事を望んでいた。
そんなジャポネーゼをスパナは、理想郷だ、と思った。利益を多く与えてくれだ者を称えるわけではない。皆平等だった。そんなジャポネーゼをスパナは好きだった。
スパナが居た世界はそんな事をしなかった。天才だったスパナを褒め、やる気にさせ、一人でモスカを創らせた。でも、その褒め言葉など、誰でも出来る。心が篭ってなくでも、それなりの言葉使いなら気づかない。
そんなスパナを救ったのは皮肉もモスカだった。モスカはスパナが命令すればどんな事だってしてくれる。抱きしめてくれる。裏切りなどしない。嘘など付かない。
心臓らへんがどうしても痛い時は、何時もモスカに抱きしめていた。そうしてると気持ちが楽になっていくのだ。
「もっと強くするね。誰にも負けない。そんなモスカに。」
スパナはそう言いながらモスカの熱を持たぬ鉄を撫でる。反応など返してくれない。それでも、スパナにとってそれが心地良かったのだ。反応を返したら返したって、どうしたら良いか分からないし、それがスパナを裏切る気持ちかもしれない。スパナは人の感情など分からない。だからより一層、恐かったのだ。
スパナにモスカで勝てる者などいない。開発でスパナに勝てる者などいない。
そんなある日、転機が来たのだ。
『やぁ、スパナ。僕だ。ボンコレがB8Fの警備システムに侵入した。』
そうこの日。
スパナは勝てると思った。相手は一人。モスカは4台。そんな圧倒的な戦い、勝てない訳がない、そう思っていた。
ドゥッ!!!
初めてスパナは負けたのだ。それでも、スパナ自身はモスカに守られ、生きていた。スパナはモスカから出ると、ボンゴレ10代目に近づいた。スパナはフッと上を向くと、そこは人型に潰れた天井があった。ボンコレ10代目がめり込んだ後だろう。そして落ち、下で気絶をしている。
「未完成のようだね」
そう言うとスパナは銃をボンコレ10代目に向け、引き金を引こうとした。その時、何故かあの未完成の技が脳裏に浮かんだ。
スパナの自信作である、キング・モスカを倒すくらいの実力だ。もしもこれが成功したら、どうなるのだろうか?
間違い無く此処のファミリーが潰れるほどの力は得るだろう。
スパナは銃を下ろした。
スパナは生まれてからずっと一人だった。才能が邪魔して家族と触れられなかったし、触れる術など教えてくれなかった。ただ、モスカを作れば良い。そうしたら褒めてくれる。それだけ思っていた。
「この技が完成し、此処のファミリーを潰せばどうなる?」
消えるだろう。スパナのいた証も何もかもが。こんな偽りの世界。壊れれば良いんだ。
スパナは深く目を瞑り、少したち目をゆっくりと開けた。そしてボンコレ10代目を抱きかかえ、発動出来るモスカに乗り込む。
モスカを創り続けたのは、褒めて欲しかったから。
飴を舐めてるのは、味わえなかった子供時代を感じたかったから。
ジャポネーゼが好きなのは、助け合いの世界に興味を持ったから。
そしてボンコレ10代目を助け、技を完成させようとするのは、
壊して欲しかったから。
愛して愛される関係。そんな関係をただ純粋に求めていたのだ。スパナは。
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@言い訳@
暗い話ですね!20巻を買って、ブラックだと知って、整備してる姿を見て、真っ先に思いついたネタがこれですorzツナは利用されただけ。スパナさんの子供っぽい喋り方とか飴好きとかこれだったら良いなーとか、有り得ない妄想です(ド殴)
では色々とスイマセン。失礼します。平成20年7月22日
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