あれは面白半分で行った行為だった。


 何で、こうなったんさ?


 何で・・・教団壊滅状態になってるんさ?


 ゴッ・・・・・


 その足音で俺は身を震わした。此処まで来たのか!そして足音と一緒に金属が擦れる音がした。図書室の本棚と本棚の隙間・・・そんなのすぐに見つかる。ても、此処は一番奥。下手に移動したら見つかり、アウトだ。


「ラービー。出ておいて。何もしないよ。」


 何時もは俺らエクソシストや部下を気遣う言葉を言ってくれる優しい奴なのに・・・何で此処まで変わったんさ?


 どうしてこうなったんさ!



               ――――リーバー


【Alcoholism】



 「あー!皆でパーっと酒飲みしてぇーな。研究が終った後、宴会しません?班長vV」


 始まりは、ある科学班班員のこの一言で始まった。此処は図書室で、その時俺も居た。リーバーはその言葉に眉間にしわを寄せ、科学班班員を見た。


「駄目だ。研究が終る度に宴会なんで。大体、研究が終ったら研究のレポートを製作しなきゃイケナイんだ。」

「えー良いじゃないスか。それとも、班長がお酒飲めないから駄目なんスか?」

「違う。」


 ゲラゲラ笑う科学班班員にリーバーは深く眉間にしわを寄せた。確かにそう言われでも仕方ないよなー。リーバーは見かけに寄らず、酒とタバコが苦手らしい。てか、酒とタバコ無しでよくストレス発散できるなー。まぁ、射撃で発散してるらしいけどさ。


「別に良いんじゃねぇ?たまには、さ。」

「ラビ・・・お前には関係ないだろ。」

「関係ないから言えるんさ。今の科学班には息抜きが必要さ。」


 リーバーは無言で天井を見る。恐らく、科学班フロアに居る部下を思い出しているのだろう。俺は尚もリーバーを揺さぶる。


「ストレス抱え込んじゃ良い考えも仕事も出来ないさ。科学的も心理学的にも分かってる事だろ?」

「・・・・はぁ。分った。室長には俺から持ち出してみる。」

「やった!!」


 そしてあの楽しい事が好きなコムイさ。呆気なく許可を貰った。しかも、その話は研究に関わっていた者だけではなく、教団の皆が参加する事になった。

 そして当日。リーバーはギリギリまで仕事をしていたが、コムイに拉致されたらしいさ。


「本当に飲み会ですね・・・。酒とおつまみしか無い・・・。」

「ははっ。まぁね。皆でパーと飲もうよ!記憶が吹っ飛ぶくらいに!」

「・・・。」


 リーバーは無言のまま酒に手をかけず、おつまみだけを取り、食べていた。そんな中、俺とコムイはある事を考えていた。


 そう。リーバーに酒を飲ます企画。リーバーは酒が嫌いで、飲まない。酒が出る時はいつも欠席するほどの酒嫌い。そんなリーバーがこの企画参加―てか強制参加―した。これは、お酒を飲ませて、ヘタレなリーバーを見るしかない!

 そしてその企画に参加したのはもう二人。この企画を一番最初に提案したマービンにジョニー。好奇心旺盛で土壇場に強いから良い駒になる!


「良いかい?リーバー君に酒を飲ますんだ。やり方は問わないが、無理矢理飲ませたら、次の日殺されるから止めた方が良い。」

「イエッサー。」


 そう言うと一番手のマービンが行く。マービンはつまみのスルメイカをしゃぶっているリーバーに近づいた。


「班長、喉渇かないんですか?おつまみだけで。」

「・・・乾いたが、飲み物は持参している。問題はない。」

「持参してるんスか!駄目です!」

「紙に書いてあった。飲み物持参って。」

「それは未青年の場合です!」


 リーバーは、まぁ良いだろ、と言いながら泡と言うカップに入っている液体を飲む。マービンは仕方なく戻ってくる。


「てか、スルメイカにコーラでどうスか?」

「うわー絶対に合わないよね!」

「次は俺が行くッス!」


 そう言うとジョニーは小走りでリーバーに近づいて言った。


「班長班長!!」

「ん?ジョニーか・・・。」

「班長お酒飲めないと思って、炭酸水、持ってきました!」


 そう言ってジョニーはコップを渡す。ナイスだ!そのカップの中の液体はお酒だ。しかも度数が少ないからお酒なんで一瞬では分らない!これはイける!


「それ、お酒だろ?」

「え?!班長、俺の事を疑ってるんスか!」

「疑ってるも何も、お酒の臭いがするから。」


 そう言うとリーバーはジョニーの持っていたカップに近づき、匂いを嗅いだ。そしてすぐに眉間にしわを寄せながら前を向く。


「やっぱし酒だ。ごめんなジョニー。気持ちだけ貰っておく。」

「分りました・・・。」


 呆気なくジョニーは戻る。かなりリーバーの嗅覚は凄い。まぁ、極端の酒嫌いだからなー。分るのだろう。


「次は僕が行くよ。」


 そう言うとコムイは敬礼する。俺とマービンとジョニーもつい敬礼する。

 そしてコムイは飛び立つ。リーバーの元へ。


「リーバー君wお酒うぐあ!」

「酒を飲まそう何でしないてくださいよ。」


 見事に飛びだったコムイの腹に肘アタックをするリーバー。そしてコムイはその場にしゃがみ込み、口から魂が飛び出る。本当に役に立たないさ。特にコムイなんで、秒殺じゃん。

 俺は溜息を吐きながらリーバーに近づく。


「リーバー。」

「ん?っ!!」


 俺は酒をリーバーにかけた。リーバーは何が起きたのか、目を丸くしていた。俺はその隙を見逃さず、リーバーを押し倒した。


「ちょっ、ラビ何をして!」

「ん?ただ、リーバーがお酒を飲んだらどうなるかなーと思ってvV」


 俺はそう言うとリーバーの顔に酒をかける。飲まないなら、飲ませてやろうホトトギス。


「かけるな!濡れるだろ!」

「あははっ。もう濡れてるさ。」


 リーバーはもうヤケクソに俺からワイングラスを取り上げ、一気飲みをした。


「これで満足か?」

「うん。満足さ。」


 俺はリーバーから離れる。何の反応も無いと言う事は、単純に酒が嫌いなだけらしいな。

 俺は純粋にそう思っていた。だから、リーバーの大きい鼓動の跳ねに気づかなかったさ。


「ラビ。」

「ん?何さ?リーバー――――」


 俺は後ろを振り向いた途端、俺の腕を掴まれた。それだけならまだ良かった。リーバーは恐いほど満面の笑みで俺を見下ろしていたのだ。しかし、その笑みには感情の欠片など一つもなかった。俺はその笑みに鳥肌が立った。俺の腕を掴む手は力がこもり、ギリギリと骨が軋む音がした。


「どうしたんさ?リーバー。」

「別に。ただ、見てみたいなーと思って。」

「・・・何が?」


 俺が問うとリーバーは口を三日月のように笑みを浮かべた。


「ラビの恐怖の顔。」


 そう言うとリーバーは持っていたワイングラスを机で割り、尖ったガラスの先を俺に向けた。何だこれ?何で?


「喉の奥から啼いてな。」


 ヤバい、完璧に壊れているさ!俺は目を瞑る。その時、リーバーの足にコムイが抱きついた。


「早く逃げて!何か危険な香がする!」

「室長・・・離して下さい。後で縛って、ムチで打ちますよ。打って血が出たらそれで判子を押してもらいますよ。勿論縛ったまま。1mmでもずれたらムチで強くお仕置きをして―――」

「止めて!純粋のリーバー君に戻って!」

「本気で離して下さい。」


 そう言うと掴まれる足を振る。それに集中したからか、ラビを掴む手が離れる。俺はリーバーから逃げる。

 逃げる途中後ろを振り向いたが、あの優しいリーバーがコムイや科学班や探索隊の奴等に暴力を振っていた。その時の目は、恐いほど生き生きしていた。


 こんなのリーバーじゃないさ!


 何で?お酒を飲んだから?


 それにしても・・・



            変わりすぎだろ!!




 俺はそう思い、図書室の奥に身を潜めた。朝まで。朝になればいつものリーバーに戻ってる筈さ。


 そう信じて身を潜めていた。


 ゴッ・・・・・・


 が、夜は長かった。


 そして最初に戻る。


「ラビ。何処に居るんだ。」


 足音と金属音が近づいてくる。


 ゴッ・・・・・・


       ゴッ・・・・・・・

 
               ゴッ・・・・・・


                        ゴッ


 足音は止まった。音からして俺が背を預けている、本棚の向こう。


 近づくな。来るな。来るな。俺を見つけるな。お願いだから出て行ってくれ。




「みーつけた。」



 俺は声のする真上を見上げる。リーバーが不適の笑みを浮かべながら俺の見下ろしていた。







 バタッ。







 リーバーはそのまま本棚の向こうへ姿を消した。俺は恐る恐る後ろの本棚の裏を覗き込む。リーバーが倒れていた。近づいてみると、リーバーはすやすやと眠っていた・・・。その手には何処から持って来たのか、金属バイブが握られていた。

 もしも捕まっていたら・・・死んでいたな・・・。


「た、助かったー。」


 その後、黒の教団で規則が一つ追加された。


『リーバー班長に酒を飲ますべからず。』


 飲ませたら、死にます。いや、マジで。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『ラビやコムイ、科学班メンバーに酒を飲まされた班長』

 なんだこの話!!ほどんとリーバー+ラビですね!もう、ラビさんを苦しませたかっただけと言う・・・ホラー風ですね^^;
 気に入らなかったら、言ってください><書き直します。
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年7月27日


背景画像提供者:Abundant Shine 裕様