ユニ様から姫を奪った男、白蘭。ソイツが此処、日本の基地に来た。
俺は会わぬようにしようと、部屋にいた。
たが、奴から俺の部屋に来たのだ。いつものニコニコスマイルで。
「やぁ、電光のγ君♪」
「お前、此処はブラックスペルのやじろだ!」
「らしいね。彼から聞いた。」
「彼って誰だ、よ、ってスパナ?!」
俺は目を見開いてしまった。白蘭の後ろからひょっこりと出てきた青年・・・俺の恋人のスパナだった。その腕にはスーパーの袋があり、袋から飴の棒が飛び出ている。
「お土産の(スパナ型)飴をあげたら、教えてくれたんだよねvV」
「なっ!?」
「ごめんγ。飴をあげるから、って言われたから。」
「お前は子供か!あんだけ知らない人にはついていくなって世間が言っているだろ!」
「てか、僕、知らない人じゃないしね。ボスだから。」
やっぱし白蘭は嫌いだ。スパナを誑(たぶら)かして!それ以前に、その誑かしに普通に答えるスパナもスパナだと思うけど・・・まぁ、それは置いといて、てか後でお仕置きだな。
【不審者に注意】
此処は部屋の中。部下と俺はソファーに座る白蘭を睨む。そしてスパナは白蘭の隣にチョコンと座っていた。白蘭が、飴をあげたでしょ?、とほざいて俺のスパナを隣に座らせたんだ。
「いやー酒臭いね。駄目だよ?昼間から酒は。ねぇ?スパナ。」
「んー。ウチは酒飲めないから分らない。」
って、真剣に答えるなよ!本気で嫌がってないから余計にムカつく!後、白蘭に言われたかねぇよ!
俺は自然に拳を強く握り、震える。それに気づいた太猿は俺の肩に手を置き、俺に耳打ちをする。
「落ち着け。此処で乗ったら、素猿が危険だ。」
「分かってる・・・。取り合えず、あいつからスパナを奪い取らないとな。」
俺は一度深呼吸をし、楽しそうに笑う白蘭を見る。白蘭はスパナの背に手を回し、スパナを寄せていた。俺のだ、と言ってるようだった。俺は怒りを飲み込み、話しかける。
「て?何の用ですか?」
「んー?ちょっと暇潰しに此処の見学を、ね。」
「暇潰し・・・。」
「そう。会議があって来たんだけど、まだ始まらないらしいんだ。暇だなーと思った時、スパナが来てね。飴をあげるから付き合ってよ、と言ったらOKしてくれたんだ。」
「・・・スパナ・・・。」
俺は睨むようにスパナを見ると、スパナは俺から目線を避けていた。俺は、お仕置き覚悟しろよ、と念じると通じたらしくスパナは微かに揺れた。
白蘭は俺とスパナの念のやり取りに気づいたのか笑みを深めた。そしてスパナの腕を引き、白蘭の膝の上に導いた・・・っておい!!
野郎はスパナの髪の流れに沿って撫でる。
「スパナは可愛いね。」
「可愛いって、ウチは―――「何をしてるんだ!スパナは男だ!」・・・・。」
「知ってるよ。でも顔のルックスや体つきを見て、このファミリーのとの男よりも、可愛い。」
「そりゃぁ、ウチはサ―――「スパナは整備技師だからな!体は細いし、顔も怪我とかで変形してない!」・・・。」
「そうかもしれないね。だから、可愛いんだ。それに、モスカもかっこいいしね。」
「・・・・っ!」
スパナから離そうと汚すつもりが、逆に乗ってしまった。スパナを汚す事なんで、俺には無理って事か・・・。スパナは俺と白蘭のやり取りを見て飴を、モゴ、と右頬から左頬へ移動させた。
まぁ、嬉しいのは何となく分るけどさ!人は褒められて嬉しくない訳がないよな!てか、絶対にモスカの事をかっこいいと言われて、嬉しがってるだろうなー。
「γとあんたって、もしかして、言い争っている?」
「「「今更?!(γの部下)」」」
「こいつは鈍感だからなー。」
「本当に天然だね。だから電光のγが気に入ったのか。」
俺は目を見開いた。コイツ、俺とスパナが付き合っている事、知っているのか?
そう思った時、白蘭はスパナの背を手で押さえ、少し持ち上げた。そして白蘭はスパナに近づいて―――
―――近づいて―――
「うん。パイナップルの味がした。」
「あ・・・キスされた。」
スパナはそう言うと、上半身を起こし、手の甲で唇を擦る。
えーっと、ちょっ、ちょっと待ってな。コイツ、何をした?スパナに何をした?
視界が歪む。頬に温かさが感じたと思ったら、そこが冷たくなった。
「γアニキ!大丈夫か?!」
「しっかりしろ!酢猿もキスを拭っている!無理矢理だからキスは成立しない(筈)!」
野猿と太猿はフォローするが、俺の心は粉々。てか、一瞬、白蘭に襲い掛かろうとしたのを抑えた俺を褒めて欲しい。俺は涙を裾で拭うが、止まらねぇ。
「あははっ、意外な反応で面白い!」
「大丈夫?γ?」
「・・・大丈夫、だ。」
「悲しんでいるように見えるよ?」
「・・・逆に今の状況で、楽しんでる、と言ったら殺すぞ。」
「・・・。」
てか、既に涙流してるしな。この空間に居る奴は皆気づいてる。まぁ、スパナは天然だからな。それでも、本気で違うことを思っていたら、殺すだろう。
白蘭は、あははっ、と笑い続ける。本気で殺してぇー!!でも、此処でコイツに手を出したら、スパナを傷つけるかもしれない。
「スパナ。γは本当に面白いね。」
そう言って白欄はバシバシッとスパナの背を叩く。あー最悪だ。大事な恋人を目の前にして、手を出せないなんで。最低な男だ。何がアニキだ!
「止めて。」
「あぁ、ごめん。痛かった?」
「違う。γを苛めるの止めて。」
そう言うとスパナは白蘭を睨む。俺らみたいな、恐い、とはまだ別の、恐さ、がそこはあった。
光を一切通さない、感情無き瞳。
そんな瞳を見て白蘭は冷や汗を流しながら、苦笑いをする。
「本当に、読めない子だね。スパナは。」
白蘭がそう言うとスパナの棒を掴み、スパナから飴を抜き取った。
「じゃぁこれはお預けね。」
「あっ。」
そう言うと白蘭はその飴を口に含む。そしてチラと部屋に備え付けられている―てか正一に付けられた―時計を見る。
「時間だね。じゃ、バイバイvV」
そう言うと白蘭は出て行った。
何か知らんが、場が収まったらしい。俺の完敗で。
「飴・・・取られた。」
「皆、部屋から出てくれ。」
「え?なんで?」
「・・・野猿。これからγアニキの教育が始まるんだ。」
「何の?」
「飴とかを知らない人から貰うな、と言う教育。」
そう言うと、まだ?マークを浮かべる野猿を押し、出て行く。スパナはビニール袋から飴を取り出し、舐めていた。コイツは・・・さっきはかなり嬉しかったが・・・全然反省してないらしいな。
それ、結局はアイツがあげた奴だからな!
「スパナ。」
「ん?あ、ごめん。でも、腐らすのも勿体無いから。」
「送り返せ。」
「・・・嫌。」
「犯されたいか?」
「・・・γの機嫌がそれで直るなら。」
「・・・。」
俺は頭を掻く。スパナを操るのは出来ない。それ所か考えてる事すら分からない。
それでも、今日の事は許されない。
だから手始めに、噛み付くようなキスをした。
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@言い訳@
取り合えず、耐えたγさんに拍手!!後、γさん有り得なくてスイマセンorz(ド殴:それを先に書け!)
でも、スパナさんは飴で釣られそうですよね・・・。その度γさんに襲われれば良いさ!後、太猿と野猿から酢猿と言われれば良いさ。本気で『スパ』と悩みましたが・・・。
では色々とスイマセン。失礼します。平成20年7月27日
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