何で?


 男であるリーバーは分らなかった。


 女性科学班が、一度は言ってみたい、と言う言葉があるが、リーバーは理解できなかった。めいんどい事は嫌だし、非力な自分が浮き彫りになるのも嫌だったから。まぁ、女性が言うならまだ良いかもしれないが・・・。


 だから、予想だもしなかった。まさかリーバーがこの言葉を言うとは本人は思ってもいなかった。



「俺で争うのは止めろっ!!」



【A Contest】



 此処は科学班フロア。

 科学班フロアは連日続いた書類仕事に疲れの色を隠せない科学班が大量に居た。そこには勿論、科学班班長、リーバー・ウェンハムも居た。目が霞み、書類の内容を理解するのに時間がかかってしまう。

 そんなドロドロとした空気の中、明らかにテンションの違う人物が入ってくる。


「やぁー!皆元気かい?」


 そう。室長である、コムイ・リーだ。コムイはウトウトし始めているリーバーに近づく。リーバーはウトウトしても、コムイが近づいてる事に気づいた。リーバーはそこまで鈍感ではなく、逆に神経は鋭い方だ。特にコムイに対しては草食動物のように鋭い。


「しつちょ・・・仕事・・・」

「休憩。リーバー班長も休憩をしたら?」


 コムイはそう呟きながらリーバーを後ろから抱きしめる。リーバーは抵抗をする気力など無く、されるままだった。それに、まだコムイだけなら良い。あの馬鹿が来た時が一番ややこしくなるのだ。

 たが、リーバーの嫌な展開が現実のモノとなってまった。


「よぉ、リーバー―――?!!コムイ!!何やってる?!」


 そして嫌なパターンが来てしまったのである。壁を通り透け入ってきたのは黒の教団の敵であるノアの一族のティキ・ミックであった。ティキはコムイに抱きしめられているリーバーを見てワナワナと殺気を放出する。


「っのやろ〜!!」

「もう、まだ暴力かい?そんな事をしても、リーバー君は僕のだよ。」

「違います。俺は俺です。後、離れてください。重いで、ん。」


 リーバーは反論をするが、コムイはニヤニヤしながらリーバーの首筋に甘噛みをした。そしてティキに見せびらかすようにネクタイを解き、紅い痕が出来た首筋を露にした。

 ティキはそれを見ていい気にはならない。ティキはコムイに近づき、胸倉を掴んだ。


「俺のリーバーに何をする!」

「・・・ティキのじゃないって。」

「何を言ってるのかな?リーバー君は僕のだよ?」

「いや、コムイさんでも無いですから。」


 リーバーは改めてネクタイを締め、頭を抱え込む。幸せな世界はどこだろうか?こんなホモ共に襲われない世界に行きたい・・・リーバーはそう思い、溜息を吐く。

 本来なら此処でコムイとティキの言い争いをしてどっちかに襲われて終わりだ。


 でも、今日は何時もと違った。


「ノアが室長と喧嘩か?」


 科学班フロアに入ってきたのはなんと、クロス元帥だった。一気に科学班フロアの空気が変わった。クロス元帥はそんな空気を諸共せず、リーバーに近づく。リーバーの顎の下に親指を供え、上を向かせる。


「相変わらず、色気のある奴だ。」

「俺は男です。」

「だから余計に魅力的だ。」


 クロス元帥はそう言うとリーバーに顔を近づける。



「「スト―――――ップ」」



 それを阻止するのは勿論、コムイとティキだった。コムイはクロスの額を、ティキはリーバーの額をお互いに押し、顔を離す。


「ほーお前等やる気か?」


 クロス元帥は狂気に近い殺気を放出する。敵であるティキは何故か構えてしまった。


「殺されたいか?あぁ?」

「止めてください!!」


 クロスは断罪人を取り出し、二人の方へ向かおうとした時、マービンとロブが止めに入る。たが、クロス元帥の力に叶わず、ズリズリと動いてしまう。コムイとティキはクロス元帥が動く度に後ろへ下がる。

 コムイは敵うわけない。ティキはもっと敵うわけない。クロス元帥は断罪人をコムイとティキに向ける。完璧に撃つ気だ。


「堕ちてから悔やむんだな。」



 クロス元帥はググッと引き金を引く。

 



 その時、リーバーがクロス元帥と二人の間に入る。







「俺で争うのは止めろっ!!」



 バンッ
















 リーバーは深く目を瞑る、が、何時になっても痛みなど感じない。リーバーは恐る恐る目を開ける。


 断罪人から花が飛び出していた。


 リーバーはその呆気ない事にその場に力なく床に膝をついた。


「まぁ、今回だけだ。」


 クロス元帥はそう言うとリーバーに近づき、リーバーの額にキスをする。

 そして満足そうに科学班フロアを出る。


「えーっと、助かったんだよな?」


 リーバーはそう呟きながら安堵の息を漏らす。

 その時、出て行ったと思ったクロス元帥がまだ科学班フロアに戻った。周りは凍りついたように静まり返った。クロス元帥はリーバーに近づき、リーバーの腕を握り、無理矢理リーバーを立たせた。


「一人で酒を飲むのでは詰まらん。暇潰しに付き合え。」

「え?え?」


 リーバーが理解できないのを尻目にクロス元帥はリーバーを引っ張り出て行く。


 コムイとティキは顔を見合わせる。そして溜息を吐き、クロス元帥とリーバーが出て行った入口を見る。



「「敵わないよなー。」」



 クロス元帥は最強で、リーバーは可哀想。それを改めて知った科学班であった。


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@言い訳@リクエスト内容⇒『コムイ、ティキでリーバーを取り合っているところにクロス元帥が来て、大混乱。』

 本当にスイマセン!クロコム・クロティキと、クロス総攻なので、太刀打ちできませんでしたorzましてやティキさんは殺されますからね。そして、手品用具になる断罪人。
 気に入らなかったら申しててくださいm(_ _)m
 では色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月9日


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背景画像提供者:MECHANICAL
 asagi様