此処は談話室。今日は任務の無いエクソシストが何やらチェス盤と睨みッ子している。

 そこに通りかかったのは今日は休みの科学班班長、リーバー・ウェンハムだった。リーバーはチェス盤を見る。アレンが追い込まれ、ラビが自慢げな笑みを浮かべていた。


「アレン、ルークをe5に置いて。」

「ちょっ、リーバーは口出さないでくれさ。」

「別に良いじゃないですか。ほら、ラビの番ですよ。」


 満面の笑みでラビに次を促すアレン。



【Chess】



「リーバーのばかぁぁぁぁ!!!」

「ごめんごめん。」

「チッ。うるせぇぞ。馬鹿兎が。」


 神田の言葉を無視し、リーバーの胸を叩く。勝っていたのだが、リーバーの参戦に負けてしまったのだ。


「でも、あんだけ負けてたのに逆転勝ちなんで、凄いですね。」

「あぁ、そんなに負けて無かったし、勝てる所にナイトがあったら勝てたんだ。」

「そうなんですか。」

「リーバー、俺と勝負するさ!どうせ、休みだろ?」

「え?休みなんですか?」


 アレンは目を見開きながらリーバーの服装を見る。リーバーの今の服装は、白衣を脱いだ科学班の服装だった。リーバーは苦笑しながら説明する。


「私服は町に出る様のスーツしか無いんだ。だから、休みでもこの格好。一応ネクタイは締めてない。」


 リーバーがそう言うとアレンは、あぁ確かに閉めてませんね、と言う。


「それじゃぁ、次は負けないさ。」


 何時の間にラビはチェス盤に駒を並べていた。リーバーはソファーに座る。そして白のポーンを持つ。


「f3」

「d6。チェックメイト」

「負けたさー!!」


 ラビはそう言いながらソファーに寝ッ転がる。


「翌々考えたら、リーバーって科学班じゃん。頭良い訳だよなー。」

「頭良いって・・・チェスはどっちかと言うと戦略中心だけどな。だから室長が強い。後はジョニーとマービンと・・・」

「全員科学班じゃねぇかよ!」


 ラビは完璧すねたのか、クッションに顔を鎮める。リーバーは苦笑いをする。

 苦笑したままポーンを手に取る。


「ポーンって他の駒から見たら一番弱いだろ?」


 一番の弱い駒。ポーンは兵隊で数はある、が、ルーク(戦車)やクイーン(女王)に比べ物にならないほど弱い。


「でも、戦略によっては一番強い駒になる。」

「そんなの知ってるさ。さっきもポーンで追い詰められたさ。」

「ラビはポーンを捨て駒すぎるんだよ。」

「そう言えば、リーバーさんって何でそんなにチェス上手いんですか?」


 アレンのさり気無い一言でリーバーは冷や汗をかく。


「負け続けたから・・・。」

「え?誰にですか?」

「どうせ、コムイだろ?」


 コムイは室長だ。戦略とか得意だろう。さっきもリーバーから、室長は強い、と言っていた。リーバーは頷く。

 それを見ていた神田は仏頂面のまま真実を言う。


「リナリーに負け続けたんだろ?」


 クサッ


 リーバーは心臓らへんを握る。リナリーは在り得ないほど強い。さすがはコムイの妹、と言うほどに強かった。リーバーは何回も挑戦をしたが、一回も勝てなかった。

 それから嫌になってチェスをしなくなった。

 ラビとアレンは顔を合わせる。まさか、リナリーが強いとは思っても居なかったのだ。確かに頭は良い。状況判断も早い。それでも、リナリーとは思っても居なかったのだ。


「リナリーも頭が良くなって・・・元先生としては嬉しい限りだが、とか悲しい。だから神田はそのままで居てくれよ。」

「それはどう言う意味だ?ぶった切るぞ。」

「まぁ、久しぶりにチェスやって、楽しい、って思った。今度からジョニー相手でやってみようかな。」

「それが良いさ!リーバーなら大会でチャンピオンになれるさ!」

「ははっ、有難う。」


 チャンピオンまでは行かないだろうな、と心の中で思った。それでも、リナリーに負けたくらいでチェスをしなくなるなんで・・・以外にそれがトラウマになっていたリーバー。

 こんな馬鹿らしい事でトラウマになっていたらイケナイ。リーバーは改めて思った。

 その時、クロウリーがやってきた。クロウリーはチェス盤を見るなり、懐かしそうな顔をする。


「良く御祖父さまとやっていたである。」

「へぇー、あ、じゃぁリーバーさんとやったらどうですか?」

「え?俺?」

「それじゃぁ改めでである。」


 リーバーは一礼し、白のポーンを手に取る。



「チェックメイトである。」

「まぁ、こうなる事は分かってたけどさ。」


 まさかのリーバーの完敗。しかも5分も経たない内に。クロウリーは顔を赤らめさせ、喜んでいた。

 神田は落ち込むリーバーの肩に手を置く。


「まぁ、何だ。人には不向きと言うものがある。」

「神田、全然慰めになっていない。」


 そしてリーバーはまだチェスをしなくなったと言う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
@言い訳@リクエスト内容⇒『チェスで勝負する班長とエクソシスト達』

 スイマセン!リーバーさんはチェス得意じゃなかったら良いなーとか・・・。そしてクロウリ初・・・。本当にこんな小説でスイマセン。
 気に入らなかったら申しててくださいm(_ _)m
 色々とスイマセン。失礼します。平成20年8月16日


(8/18追加)Next⇒



背景画像提供者:短生種の戯言 マスタァ様